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重陽の節句ってなに?その意味と食べ物や料理について

      2015/11/05

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日本には、桃の節句や端午の節句など季節ごとに節目となる行事がありますが、これらの節句の中の一つ「重陽(ちょうよう)の節句」をご存知でしょうか。

江戸時代の頃には、日本の五節句の最後をしめくくる行事としてもっとも盛大に行われていた重陽の節句。今は影を潜めている行事ですが日本の美しい風習と節句の意味、その時期に食べる食べ物についても調べてみたいと思います。

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節句とは?

季節の節目に、無病息災、子孫繁栄、五穀豊穣などを願い、お供え物をしたり、邪気を祓う行事で「節供(せっく)」ともいいます。

五節句とは日本では古来より奇数は縁起のいい陽数、偶数は縁起の悪い陰数と考えられておりその奇数が連なる日をお祝いしたのが五節句の始まりです。

江戸時代の頃に定められた式日(祝日)で、1月7日を人日(じんじつ)の節句3月3日を上巳(じょうし)の節句5月5日を端午(たんご)の節句7月7日を七夕(たなばた)の節句、そして9月9日を重陽(ちょうよう)の節句と言います。

9月9日は数字の中でも一番大きな陽数が重なる日となるため、「重陽の節句」と呼ばれるようになりました。


菊の節句

こういった節句は、その季節にまつわる植物の名前で呼ばれることが多くそれぞれ「七草の節句」「桃の節句」「菖蒲の節句」「笹の節句」そして「菊の節句」と呼ばれています。

旧暦の9月9日は今で言う10月中頃にあたり、菊が最も美しい季節です。

新暦になり花の旬が合わなくなり次第に廃れて行きましたが、寿命が延びると言われていた菊を主役に据え、不老長寿や繁栄を願う行事として行われてきました。

九州北部などでは秋の収穫祭と合わせて「お九日(くんち)」と呼ばれて親しまれており、今でも新暦の10月や11月頃に盛大に祝われています。

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重陽の節句の楽しみ方

秋の収穫祭の意味合いも持っていた為、重陽の祝い膳には秋の味覚が多く登場します。


◎栗ご飯

江戸時代の頃から秋の味覚の代表的な食材「栗」を使った栗ご飯を食べる風習があり、菊の節句は別名「栗の節句」とも呼ばれていたそうです。

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◎秋茄子

旧暦で言う秋はなすが最も美味しい季節です。祝い膳には焼きナスや煮浸しとして登場したようです。また「おくんちに茄子を食べると中風にならない」とも言われていました。

中風とは、現在で言う脳血管障害の後遺症の事をいい、半身不随やまひ、手足のしびれなどの症状のことを言います。


◎食用菊

重陽の節句の主役でもある菊ですが、食用菊をおひたしやお吸い物にして食していたようです。

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その他にもお膳と一緒に「菊酒」を嗜むなど、節句の主役である菊を使った楽しみ方がたくさんあります。「菊湯」に入ったり、「菊枕」で眠り邪気払いをしたり、前日のうちに菊の花に綿をかぶせておき、翌朝に菊の香りや露を含んだ綿で身を清め長寿を願うという「菊の着せ綿」という事も行っていたそうです。

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後の雛

また、重陽の節句の催しとして密かに注目されている風習に「後の雛」というものがあります。これは江戸時代の頃に庶民の間で広まった風習で、桃の節句に飾った雛人形を半年後の重陽に虫干しも兼ねて飾り、健康や長寿、厄除けを願っていたというものです。

桃の節句では桃の花を添え子供の成長を祝いますが、菊の節句では菊の花を添える為、華やかな中にも大人の落ち着きのある菊の雰囲気から「大人の雛祭り」とも言われています。

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今では影が薄くなってしまった日本の風習ですが、様々な思いが込められた行事の一つです。季節の節目を大切にし、今年は雛人形を眺めながら菊酒を嗜むなどちょっと大人の楽しみ方をしてみたいですね。

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 - 9月, 秋の行事