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からっ風の意味と時期とは?いつの季語?木枯らし、やませとの違い

      2017/12/23


 

「からっ風」と聞いてそれがどういうものなのかピンときた人は、関東地方に縁のある人なのかもしれません。

九州や北海道など、関東から離れた地域の人にはあまり馴染みのないのが「からっ風」なのですが、なぜ「からっ風」が吹くのか、時期や仕組みなどはご存知でしょうか?

今回は「からっ風」についていろいろ調べてみました!

 

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からっ風の意味と時期とは?

からっ風は「空っ風」とも書きます。

からっ風は冬の気象現象のひとつで、日本海側から山を越えて太平洋側に吹き付ける下降気流のことをいい、特に、関東平野に吹き下ろす乾燥した冷たい風のことをいいます。

群馬県では名物のひとつとして数えられており、「赤城おろし」とも呼ばれ、「かかあ天下とからっ風(女性が働き者であること、からっ風が吹くことが群馬名物)」などという言葉もあります。

群馬県のほかに、栃木県那須野原では「那須おろし」、関東平野中央部の利根川沿いでは「筑波おろし」、静岡県西部では「遠州のからっ風」などと呼ばれています。

 


 

 

からっ風は「季節風」の一種です。

季節風とは、季節ごとに吹く風のことで、日本では、気圧配置により、夏は南東から北西、冬は北西から南東に向かって吹きます。

日本の冬は、西に高気圧があり、東に低気圧がある状態が多く、これを西高東低の気圧配置といいますが、ロシアのシベリア上空(北西)で発達した高気圧から太平洋(南東)の低気圧へ向けて季節風が吹きます。

季節風は日本海上空を通過するときに、海から蒸発した大量の水蒸気を吸収し、日本の山脈にぶつかって日本海側に雪を降らせます。

日本海側で雪を降らせたことで水分が無くなって乾燥した冷たい季節風が、太平洋側へ吹きおろしてきます。これが「からっ風」の正体です。

 

「からっ風」の他にも「木枯らし」「やませ」などが「季節風」の一種になります。一方、一年中同じ方向に吹く「偏西風」や「貿易風」を「恒常風」といいます。


木枯らしとの違いは?

同じような気象現象で「木枯らし」を思い浮かべる人もいるかもいらっしゃるかもしれませんが、これらは全く違うものです。

「木枯らし」は秋から冬に移り変わる時期に吹く北寄り(北の方向から吹いてくる)の冷たく乾燥した最大風速毎秒約8m以上の強い風のことで、日本各地で吹くものです。(気象庁の記録は関東と近畿地方のみです。)

「からっ風」は冬から春先にかけて山を超えて関東地方に吹く冷たく乾燥した強い風のことをいいます。

 

関連:「木枯らし」の読み方と意味とは?いつの季節の季語?英語で何ていうの?


やませとの違いとは?

やませは漢字で「山背」と書きます。

やませは、春から夏にかけて北海道から東北地方の太平洋側に吹く、冷たく湿った東よりの風のことです。

からっ風は冬の季節風が影響していますが、やませは夏の季節風が影響しています。


夏の季節風は、太平洋側からユーラシア大陸の方へ吹いていきますが、この時、北海道から東北地方では親潮(千島海流)という冷たい海流の上を通ってくるため、気温が下がり冷たい季節風になります。これが「やませ」です。

気温が低くなることで、稲や農作物が順調に成長せず、被害が出てしまいます。昔は餓死風や凶作風などといわれ恐れられていました。

 

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いつの季語?

「からっ風」は冬の季語です。

俳句では「空風」と書くこともあります。


『から風の 吹きからしたる 水田かな』(天野桃隣)
 

「乾燥したからっ風が吹いてきて、水田が枯れたように乾いてしまったなあ」


英語で何て言う?

からっ風は日本の気象現象なので、英語圏で全く同じ意味をもつ言葉はありません。

英語で伝える時は「dry wind」,「cold winter wind」または「cold, strong, dry wind」を使うと良いようです。

 


 

からっ風は看板などを吹き飛ばすほどの強風になることもあり、乾燥した風が砂などを巻き上げて視界が悪くなることもあるそうです。

女性にとっては「乾燥して辛い!」とお肌のお手入れにも影響があるようですよ。

「ただの強風でしょう?」と思っていても、実際に体験してみると目を開けることもできないほどの砂混じりの強風ですので、冬に関東平野を訪れる人は気を付けてくださいね。

 

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