「人間万事塞翁が馬」の読み方と意味、由来とは?英語で何て言う?

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人間万事塞翁が馬

 

「人間万事塞翁が馬」という言葉、何も知らない人が見たら読み方すらわからないかもしれません。

読み方はわかっても、ちゃんとした意味はわからないな~という人もいらっしゃるのでは?

この言葉は、古くから使われていることわざ(故事成語)のひとつで、座右の銘にしている人もいるそうです。

今回は、「人間万事塞翁が馬」についてわかりやすく解説します。

 

 

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目次

「人間万事塞翁が馬」の読み方

 読み方は、

「にんげんばんじさいおうがうま」

または、

じんかんばんじさいおうがうま」

です。

 

略して「塞翁が馬(さいおうがうま)」と言うこともあります。

中国の古い書物「淮南子(えなんじ)」に由来しています。

 

淮南子

 

読み方がふたつありますが、辞書では「にんげんばんじ~」と書かれています。

中国語で「人」と書くと、人そのものですが、「人間」と書くと「世間」や「世の中」という意味になります。

「人間万事塞翁が馬」の意味を考えると「人間」は「世間」や「世の中」のことなので「じんかんばんじ~」という読み方もされるということです。

 

辞書に書かれている「にんげんばんじ~」と読むのが一般的ですが、由来にこだわりたいのなら「じんかんばんじ~」という読み方にするといいですね。

 

「人間万事塞翁が馬」の由来と意味

城塞

塞翁とは、「砦・塞(とりで)に住む翁(老人)」のことです。

由来となったエピソードは次のとおりです。

 

中国の北のほうの国境に城塞があり、そこには占いが上手な老人が住んでいました。

あるとき、その老人の馬が逃げ出してしまいました。

北の地方の馬は良い馬が多く、高く売れるので逃げ出したことを知った近所の人々は気の毒がって老人を慰めました。

逃げる馬

 

ところが老人は「このことが幸運を呼び込むかもしれないよ」と言いました。

それからしばらく経ったある日、逃げ出した馬が戻ってきました。

しかも、良い馬をたくさん連れて戻ってきたのです。

たくさんの馬

近所の人々は喜びましたが老人は「このことが禍(わざわい)になるかもしれないよ」と言うのです。

しばらくすると、老人の息子がその馬から落ちて足の骨を折ってしまいました。

暴れる馬

 

近所の人々がお見舞いに行くと老人は「このことが幸福になるかもしれないよ」と言いました。

やがて戦争が起き、城塞は襲撃されました。

城塞の近くの若者はみんな戦いに行き、戦争が終わる頃にはその多くが命を落としていました。

しかし、老人の息子は足を骨折していたので戦争に行かずに済みました。

骨折した息子

占いが上手な老人は、先を見通せる力があると考えられますが、結局人生はなにが起こるかわからないということです。

近所の人々は馬が逃げたことを気の毒に思い、馬がほかの馬を連れて戻れば喜び、老人に起こることに一喜一憂しています。

 

しかし老人は冷静に、

「禍(わざわい)が幸福につながるかもしれない」

「幸福が禍にかわるかもしれない」

と言います。

 

一見、不幸なことに思えることが、幸福につながることがあったり、その逆もあるということですね。

 

つまり、「世の中の幸福や不幸は予測ができないものだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではない」という意味になります。

 

 

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類語はどんなものがあるの?

 ●「禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)」

「禍と福は表裏一体で、縄をより合わせたように入れかわり変転する」という意味があります。

 

より合わせた縄

 

●「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」

「人生の局面を川の瀬に見立て、人生には浮き沈みがある」という意味があります。

 

●「善の裏は悪」

「善悪は表裏一体で、一転すれば善も悪になる」という意味があります。

 

英語で何ていうの?

 人間万事塞翁が馬と全く同じ意味になる英語はありませんが、同じような表現のものはいくつかあります。

 

 ●Inscrutable are the ways of Heaven.

(天のやり方は不可解なものだ)

 

●Joy and sorrow are today and tomorrow.

(今日は喜び、明日は悲しみがまっている)

 

●A joyful evening may follow a sorrowful morning.

(悲しみの朝には喜びの夕べが続く)

 

●Every cloud has a silver lining.

(どの雲にも銀の裏地(silver lining:下の写真の光っているところ)がついている→憂いの反面には喜びがある)

 

silver lining

「人間万事塞翁が馬」の使い方

悪いことが起った時は励ますように、良いことが起った時は戒めるように使うといいででよう。

 

例えば、励ますときには、

「就職試験に落ちても落胆しなくていい。人間万事塞翁が馬と言うでしょう?」

 

戒めるときには、

「人間万事塞翁が馬という言葉もあるように、一流企業に就職できたからと油断してはいけませんよ。」

というふうに使うといいですね。

 どちらを選ぶ?

 

長い人生ですから、幸福があれば禍もあるでしょう。

幸福が禍に転じることもあるし、その逆もあるということを教えてくれることわざなのですね。

良いことが起るとついつい油断してしまう人も多いと思いますが、そういうときは「人間万事塞翁が馬」ということわざを思い出して、気を引き締めていきましょう!

 

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コメント

コメント一覧 (6件)

  • 今朝の日本テレビのウェークという番組で、ノーベル賞受賞の山中教授がこのことわざを口にしていました。そこで改めて意味を調べる目的で本サイトに至りました。
    ありがとうございました!!

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