「十日夜」2024年はいつ?読み方や意味とは?藁鉄砲、案山子上げって何?

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「十五夜」と「十三夜」はご存知の方も多いと思いますが、「十日夜」という言葉はあまり馴染みがないかもしれません。

「十五夜」と「十三夜」と同じように「十日夜」もススキやお団子をお供えしてお月見をする行事なのでしょうか?

「十日夜」についてわかりやすく解説します。

 

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目次

「十日夜」の読み方や意味とは?

読み方は 「とおかんや」または 「とおかや」です。

「十日夜」は、旧暦10月10日の夜という意味があります。

 

旧暦は、月の満ち欠けで一カ月を数えており、月の始まりである毎月1日が新月で、15日が満月になり、次の月の1日が再び新月になります。

つまり、新月から次の新月の前の日が一カ月となります。

 

 

そして、10日目が「十日夜」となります。

そのため、旧暦の毎月10日の夜が「十日夜」ということになりますが、 一般的に旧暦10月10日のことを「十日夜」と呼びます。

 

旧暦の毎月15日の夜は「十五夜(じゅうごや)」ですが、一般的に旧暦8月15日を「十五夜」と呼ぶのと同じですね!

旧暦8月15日は一年のうちで満月がとても美しく見え、お月見をするのに最も適していることから、一般的に「十五夜」といい、「中秋の名月」とも呼ばれています。

 

 

「十三夜(じゅうさんや)」も同様、一般的に旧暦9月13日指します。

十三夜は、十五夜に次いで美しい月といわれており、十五夜の約一カ月後なので「後の名月(のちのめいげつ)」とも呼ばれます。

十五夜と十三夜は美しい月を見て楽しむ「お月見」がメインの行事です。

 

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一方、「十日夜」は「刈り上げ祝い」といって収穫祭がメインの行事になります。

 

旧暦10月10日は「刈り上げ十日」ともいい、稲刈りが終わって田の神が山に帰る日といわれています。

そのため、 「十日夜」では、稲の収穫に感謝し、翌年の豊穣を祈って田の神に餅やぼた餅をお供えをします。

 

十日夜の風習は東日本を中心に残っています。

また、地域によっては「十五夜」「十三夜」に続き、「十日夜」に三回目のお月見を行うところがあることから「三の月」と呼ぶこともあります。

西日本でも同じ意味の「亥の子(いのこ)」という行事が行われています。

地域によって行事の内容は異なりますが、子孫繁栄や無病息災を願い、収穫に感謝し豊作を祈願する行事となっています。

「亥の子」とは、亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日のこと、または、その日に行われる行事のことで、ほかに「亥の子祭り」や「玄猪(げんちょ)」「亥の子の祝い」といいます。

 

関連:亥の子の意味や由来とは?2024年はいつ?亥の子餅を食べるのはなぜ?

 

十日夜2024年はいつ?

十日夜は、多くの地域で毎年11月10日です。

2024年は11月10日(日)になります。

 

もともとは旧暦10月10日の行事でしたが、旧暦10月10日をそのまま一カ月ずらして新暦に当てはめた新暦の11月10日に実施する地域が多いです。

 

また、旧暦を現在の暦(新暦)に換算して行う地域もあります。

旧暦と新暦には一カ月ほどのズレがあり、毎年同じ日になるわけではありません。

2024年の場合、旧暦10月10日を現在の暦にすると11月10日(日)になります。

 

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藁鉄砲って何?

「藁鉄砲(わらてっぽう)」は藁を固く束ねて作ったもので、歌を歌いながら藁鉄砲を地面に強く叩きつける行事です。

群馬県や埼玉県、長野県の一部地域で行われています。

 

 

●十日夜の歌の一例

『とおかんや、とおかんや

とおかんやの、藁でっぽう

夕めし食って、ぶっ叩け』

 

このように子どもたちが歌を歌いながら地面を藁鉄砲で強く叩きます。

地面を叩くことで、地中に潜むモグラやネズミなど農作物に害を及ぼすものを追い払い、五穀豊穣を祈ります。

また、地面を叩くことで地中の神様を励ましているともいわれています。

 

案山子(かかし)上げって何?

 

長野県の一部地域では、この日に「案山子上げ」という行事が行われます。

 

案山子上げでは、田んぼを見守ってくれた案山子を田んぼから引き上げ、庭に移します。

 

案山子の神が天に上る日、または案山子が田の神や山の神になる日とされており、案山子を神として祀り、蓑笠(みのかさ・雨雪をしのぐための蓑と笠)をかぶせ、箒(ほうき)や熊手などを持たせ、お供え物をします。

 

「案山子引き」「案山子の年取り」ともいいます。

 

大根の年取り

 

また、他にも「大根の年取り」「大根の年越し」といって、この日には「大根の畑に入ってはいけない」とか「大根の割れる音を聞くと縁起が悪い・命が縮む」などといって外出を控えたり、「大根に感謝してふろふき大根を食べる」風習が残っている地域もあるそうです。

 

行事食はあるの?

十日夜の行事食(ぎょうじしょく・行事やお祝いの日に食べる特別な料理)は特にありません。

田の神にお供えした餅やぼた餅、収穫した食べ物をいただきながら、収穫に感謝し、翌年の豊穣を願うといいようです。

 

 

十日夜は、十五夜や十三夜のようにお月見をする行事ではないことがわかりましたね。

旧暦10月10日は、現在の暦にあてはめると一カ月ほどずれて11月になります。

そのため、十日夜は初冬・冬の季語になっています。

その年の収穫が終わったあとなので、季節は秋から冬へと移り変わる時期になるのですね。

お月見がメインの行事ではありませんが、外に出て冬の足音を聞きながら、月を見上げて過ごすのもいいですね。

 

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