神社や河原に行くと、石積みをみつけることがありますよね。
石積みにはどのような意味があるのでしょうか?
誰かがやった石積みを崩すとどうなるのでしょうか?
今回は石積みについてわかりやすく解説します。
石積みの意味と目的とは?
読み方は「いしづみ」です。
「積み石(つみいし)」とも言います。
石積みは日本各地で行われている風習です。
主に神社やお寺、河原、山道などで石積みが行われています。
石積みは、石を積み上げながら願掛けや供養などをすることです。
願掛けの内容としては、
- 安全祈願
- 安産祈願
- 健康長寿
- 学業成就
- 家内安全
- 厄除け
- 恋愛成就
- 商売繁盛
などさまざまです。
また、また山道では道標の役割を果たす場合もあります。
最近はさまざまな形の石を絶妙なバランスで積み上げる「ロックバランシング」と呼ばれる、石積みアートがあります。
石積みの由来
石積みは古くから行われてきた風習ですが、いつ始まったのか、最初から願掛けや供養を目的としていたのかなど、詳しいことは分かっていません。
日本では古来より、山や川、木、岩などの自然物を神として信仰する自然崇拝の考え方がありました。
そういった背景の中で、石を神様として信仰し、石を積み上げて願い事をする風習が生まれたと考えられています。
供養を目的とする石積みは、石を積み上げて供養塔を作ったことが始まりではないかといわれていますが、詳しいことは分かっていません。
誰かが始めた石積みを、他の人が真似するうちに、やがて自然発生的に石積みの風習が広まり、次第に願掛けや供養の意味が込められるようになった、という説もあります。
賽の河原と石積み
「石積み」といえば賽の河原(さいのかわら)を思い浮かべる人も少なくないでしょう。
仏教では、人は亡くなった後に三途の川(さんずのかわ)を渡りますが、賽の河原は三途の川の手前にあるといわれています。
賽の河原とは、親よりも先に死んでしまった子どもたちが行く場所です。
仏教では、親より先に死ぬのはとても親不孝なことで、大きな罪だと考えます。
そのため、子どもたちは三途の川を渡ることができず、罪滅ぼしや両親の幸せを願って賽の河原で石を積み塔を作るのです。
石を高く積み上げても、地獄の鬼がやってきて壊してしまいます。
石積みをしたら壊され、また最初から石積みをして壊され、また石積みをして・・・と何度も何度も繰り返します。
鬼はいじわるで石積みを壊しているのではなく、子どもの願いが両親に届いていないから壊しているのだといわれています。
両親が我が子を亡くしたことで苦しみ続けているうちは、怖い鬼が石積みを壊し続けるのですが、最終的には地蔵菩薩によって子どもたちは救われ、成仏することができるといわれています。
三途の川の詳細についてはこちらをご覧ください。
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石積みを崩すとどうなる?
石積みは、安全祈願や幸運などの願掛け、供養や成仏を願うなど、誰かの願いが込められたものです。
ですから、それを崩すことは縁起が悪いされており、意図的に石積みを崩すことで「罰が当たる」とか「運が悪くなる」と考えることもあります。
「祟りがある」といった俗信もありますが、科学的根拠はありません。
また、道標として積まれたものは、崩すことで登山者が間違った道に進む危険性があります。
石積みは崩したりせずそのままにしておきましょうね。
石積みは日本各地で行われている風習です。
登山の安全祈願や、山で亡くなった人を供養するために石積みをすることもあり、同じ場所の石積みでも目的が違う場合があります。
誰がどのような目的で石積みをしたのかはわかりませんが、なにかの願いを込めて石積みをしているのですから、意図的に崩すことは避けましょうね。
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