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【新年の俳句30選】有名な新年の俳句一覧 名作俳句の作者・季語・意味とは?

      2017/09/15


 

四季があり、それぞれの季節で情景が異なる日本で人々は、風景や自然、それに触れて生じる感動や自らの想いを俳句にのせて表現してきました。

今回は、「新年」をテーマにした俳句を30句紹介します。厳しい寒さの中訪れる新しい年の始まり。

そこで人々は何を見て、どんなことを感じていたのでしょうか。

 

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俳句とは

俳句は5・7・5のわずか17音で季節の感動や気持ちを表現する詩で、このように決まったリズムで表現する詩を「定型詩」といいます。

17音で作る俳句は「世界で一番短い定型詩」と言われ、句の中に季節を表す「季語」を詠み込むことを約束としています。

17音よりも多い「字余り」や17音より少ない「字足らず」という定型にこだわらない歌を詠むことで、作品の印象を強めたり、句の中の言葉を強調することもあります。

また、句の途中や句末に、句を切る働きをする「切れ字」(主に「や」「かな」「けり」など)を置くことにより、イメージを鮮明にし、句に深みや広がりを与えることができます。


新年の季語について

「季語」とは、俳句に用いられる季節を表す言葉です。四季がはっきりしている日本では、その季節ごとの自然や人々の生活に根付いた季語が数多くあります。

季語は旧暦によって定められていることから、大まかに1月から3月を春、4月から6月を夏、7月から9月を秋、10月から12月を冬として考えると理解しやすいでしょう。

「新年」は1月と考えると春に属しますが、新年には、新しい年を祝うさまざまな行事があり、それらの行事は昔から人々にとっては特別なものとして受け入れられてきました。

そこで「春」「夏」「秋」「冬」という四季の概念には含まれない別の季節として「新年」を区別することがならわしとなっています。

「新年」の季語は、「元日」「正月」「三が日」など日を表すものをはじめ、「年玉」「年賀状」「門松」など、お正月には欠かせないめでたいものが多いのも特徴です。

 

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新年の俳句30句

 
『元日や おもへばさびし 秋の暮』
 

作者:松尾芭蕉

季語:元日

意味:にぎやかな大晦日と変わって閑静な元日は、考えてみると、秋の暮れと同様の寂しさです。

 

 
『誰やらが 形に似たり けさの春』
 

作者:松尾芭蕉

季語:けさの春

意味:新春らしく身なりを整えてみると、誰か世間並みの人になった気持ちです。

 

 
『門松や おもへば一夜 三十年』
 

作者:松尾芭蕉

季語:門松

意味:立ち並ぶ門松を見ていると、昨日までの喧噪が嘘のようで、まさに大晦日の一夜は三十年にも匹敵するかと思われます。

 


 
『正月の 子供になって 見たき哉』
 

作者:小林一茶

季語:正月

意味:お正月が来ると、子どもたちはお年玉をもらい、凧上げや駒回しをして遊んでいます。そんな無邪気な子どもになってみたいものですよ。

 

 
『めでたさも 中(ちゅう)くらゐなり おらが春』
 

作者:小林一茶

季語:おらが春

意味:世間にとってはめでたい正月で特別なお祝いをしますが、でも、今の自分にとっては、正月がめでたいと言ってもあやふやなもので、とても世間なみにお祝いする気にはなれないのです。

 

 
『古郷(ふるさと)や 馬も元日 いたす顔』
 

作者:小林一茶

季語:元日

意味:古郷が懐かしく、恋しいことですよ。古郷では、元日は馬も改まった顔をしているのでしょう。

 

 
『鳴猫(なくねこ)に 赤ん目をして 手まりかな』
 

作者:小林一茶

季語:手毬

意味:女の子が手毬唄を歌ってリズムをとりながら遊んでいると、猫が近づいてきて毬にじゃれようとしてきました。女の子は猫が手毬を欲しがっていると思ってか、赤んべえをして毬遊びを続けましたよ。

 

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『名代に わか水浴びる 烏かな』
 

作者:小林一茶

季語:若水

意味:人に代わって、神聖な力を持つという元旦の朝の水を浴びている烏ですよ。

 

 
『去年(こぞ)今年 貫く棒の 如きもの』
 

作者:高浜虚子

季語:去年今年

意味:古い年が去り、新しい年が始まると、去った年が遠い昔のように感じられることがあります。しかし実際は、時間はお正月のお祝いとは関係なく静かに過ぎていくだけであり、一本の棒で貫かれたように一続きの時間なのです。

 

 
『手毬唄 かなしきことを うつくしく』
 

作者:高浜虚子

季語:手毬唄

意味:子どもたちが毬をつきながら手毬唄を歌っています。心地よい歌に聞きほれて耳を傾けていると、歌の内容が悲しいことに気が付きました。それを知らずに子どもは無邪気に唄を歌っています。

 

 
『人並みに 若菜摘まんと 野に出でし』
 

作者:高浜虚子

季語:若菜

意味:世間でみんながやっているように、春の七草を摘もうと野原に出ましたよ。

 

 
『年玉を 並べて置くや 枕もと』
 

作者:正岡子規

季語:年玉

意味:枕元には、弟子たちに渡すお年玉を並べておきましたよ。病気のため私は自由に動くこともできませんが、挨拶にきてくれる弟子たちに会うのが待ち遠しいことです。

 

 
『日本(にっぽん)が ここに集まる 初詣』
 

作者:山口誓子

季語:初詣

意味:神社やお寺では、人出が多く、にぎわいをみせています。まるで日本中の人がここに集まっているかのようです。

 

 
羽子板の 重きが嬉し 突かで立つ』
 

作者:長谷川かな女

季語:羽子板

意味:正月に大きくて立派な羽子板をいただきました。みんなが羽根つきをしているかたわらで、その羽子板を大事に抱えながら、羽もつかずに立っています。腕の中の羽子板のずっしりとした重さが、わけもなく嬉しかったのです。

 


 

 
『初凪の 岩より舟に 乗れといふ』
 

作者:川端茅舎

季語:初凪

意味:元日の朝、海は穏やかにないで、波一つありません。沖の小島へ初もうでに行くのでしょうか、岩だらけの海岸から、人々が舟にのりこんでいます。舟のなかからは、岩場にいる人に「そこから飛びのれ」とにぎやかな声がかかります。

 

 
『幸せの 待ち居る如く 初暦』
 

作者:稲畑汀子

季語:初暦

意味:幸せが待っているかのように感じる新しい暦ですよ。

 

 
『年玉を 孫に貰ひて 驚けり』
 

作者:相生垣瓜人

季語:年玉

意味:今まで毎年お年玉をあげていた孫が大人になって、今度は逆に孫からお年玉をもらい、とても驚き、嬉しいことでしたよ。()

 

 
『元日や 手を洗ひをる 夕ごころ』
 

作者:芥川龍之介

季語:元日

意味:元日は朝から神社やお寺に初もうでに出かけたり、午後になっても来客が途切れなかったりと、明るく華やかな一日となります。そんな合間にお手洗いに立ち、手を洗いながら外に目をやると、もう夕方になっており、雰囲気が変わっていました。ああ今年の元日もこうしてくれようとしているのだと、少し寂しさを感じてしまいました。

 

 
『つぎつぎに 子等家を去り 鏡餅』
 

作者:加藤楸邨

季語:鏡餅

意味:子どもたちが大人になり、次々と独立していきます。床の間に飾ってある鏡餅を見て、にぎやかに過ごしたお正月を思い出し、ふと寂しくなったのです。

 


 
『まだ闇の 路地のにぎはひ 初詣』
 

作者:西山春濤

季語:初詣

意味:除夜の鐘を聞き終わると、早い人は夜が明けないうちに初詣に出かけます。まだ暗い参道が、そんな人々の声でにぎやかです。

 

 
『書初めの 墨病室を かをらしむ』
 

作者:石田波郷

季語:書初

意味:新年を病室で迎えることになり、そこでの書初めです。墨の香りが病室中に広がります。

 

 
『空高き 風ききながら 雑煮餅』
 

作者:臼田亜浪

季語:雑煮餅

意味:空を吹く風の音、それもお正月の青く高い空に吹く風の音に耳を傾けながらお雑煮を食べています。

 

 
『一人子と 閑かに住めり 松飾』
 

作者:日野草城

季語:松飾

意味:一人の子どもを授かり、その子と一緒に静かな新年を迎えられたことに幸せを感じています。

 

 
『初日待つ 雪嶺の色 かはりつつ』
 

作者:五十嵐播水

季語:初日

意味:山の頂上で初日の出を待っています。雪をかぶった山々が濃い青から紫色、そしてオレンジ色へと刻一刻と変わっていきます。

 

 
『酔ふ(う)ほどは 飲まぬつもりの 屠蘇に酔ふ(う)』

作者:下村ひろし

季語:屠蘇

意味:新年を祝って飲む屠蘇は、元旦に飲めば一年間病気をせず、長生きできるものとされています。そんな屠蘇を酔う程に飲むつもりはありませんでしたが、ずっかり飲みすぎて酔ってしまいました。

 

 
『門松に 青きゆふぐれ 来たりけり』
 

作者:柏木冬魚

季語:門松

意味:晴れた日の夕方、門松の飾られた門のあたりに夕闇が訪れています。その中で松の葉が青く浮き立って見えますよ。

 

 
『新年の 白紙綴じたる 句帖かな』
 

作者:正岡子規

季語:新年

意味:新しい年になったので、白紙を束ねてとじた新しい句帖を用意しました。それを前にすると、気持ちが改まるものですよ。

 

 
『はつゆめの 半ばを過ぎて 出雲かな』
 

作者:原裕

季語:初夢

意味:初夢を故郷の出雲へ帰る列車の中で見ています。ところが、夢の途中で列車は出雲へ着いてしまいましたよ。

 

 
『膝に来て 模様に満ちて 春着の子』

作者:中村草田男

季語:春着

意味:子どもが甘えるように膝に寄ってきました。華やかで美しい晴着に身を包んだ幼い子が。

 

 
『千金の 日をさずかりて 福寿草』
 

作者:木内怜子

季語:福寿草

意味:今日はよく晴れ、日がさんさんと注いでいます。福寿草の花がいっせいに開きました。価値ある日の光をいっぱいに浴びているようです。

 


 

新しい年を迎えるということは、どこかワクワクするような、そして、少し気が引き締まるような特別な感覚があるものです。何十年、何百年も前に詠まれた俳句からもそんな人々の姿が垣間見えたことでしょう。

時代を超えてもなお、私たちの心に響く力を持っている、そんな俳句の世界はとても興味深いものです。

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