今回は、日本人ならみんな大好きなあんぱんの歴史や由来をご紹介します。
あんぱんのゴマやケシの実、へそにはどのような意味があるのでしょうか?
また、あんぱんの記念日であるあんぱんの日についてご紹介します!
あんぱんの日はいつ?
あんぱんの日は、毎年4月4日です。
明治8年(1875年)4月4日に、明治天皇に仕えていた山岡鉄舟(やまおかてっしゅう)により、木村屋のあんぱんが明治天皇に献上されたことが由来です。
平成13年(2001年)4月4日に株式会社木村屋總本店によって制定された記念日です。
あんぱんの歴史や由来とは?
まずパンの由来ですが、日本には、安土桃山時代(1573年~1603年)に、ポルトガル人によってもたらされました。
当時のパンはビスケットのように固くてパサパサしており、お米や玄米を主食としていた日本人にはあまり馴染みませんでした。
江戸時代(1603年~1868年)には幕府の命令により、兵糧(ひょうろう・軍隊の食料)として現在の乾パンやビスケットのような固いパンが作られていたそうです。
明治時代(1868年~1912年)になると、政府が西洋の政策や文化を取り入れるようになり、洋食が広まりましたが、パンを食事にするほど普及していたかったそうです。
明治7年(1874年)、木村屋(現在の木村屋總本店)の初代、木村安兵衛と次男の英三郎は、日本人に受け入れられるパンを作るために試行錯誤しているとき、日本に昔からある酒饅頭(さかまんじゅう・酒蒸し饅頭)を思い出しました。
酒饅頭は米と麹から作られた「酒種(さかだね)」という天然酵母を使っています。
そして、酒饅頭を参考に、酒種を使うことでふんわり柔らかいパンを作り、日本人に馴染み深いあんを包んだおやつ感覚の「酒種あんぱん」が考案されました。
この「酒種あんぱん」が現在のあんぱんの起源といわれています。
明治8年4月4日、明治天皇が東京向島にある水戸藩のお屋敷でお花見をされたときに、明治天皇に仕えていた山岡鉄舟が、お茶菓子として木村屋の「桜あんぱん」を明治天皇に献上しました。
「桜あんぱん」は、奈良県の吉野山から八重桜の花びらの塩漬けを取り寄せ、酒種あんぱんに埋め込んだもので、パン生地とあんの甘みと、桜の塩漬けが絶妙だったそうです。
明治天皇は大変喜ばれ、木村屋の名前はあんぱんとともに日本中に広まっていきました。
明治30年(1897年)ごろには日本各地であんぱんが流行し、木村屋では1日10万個以上のあんぱんが売れたそうです。
あんぱんのゴマやケシの実、へその意味って何?
あんぱんには、「ゴマ」や「ケシの実」が乗っていますが、これにもちゃんと理由があります。
あんぱんは外からみただけでは中身がこしあんなのかつぶあんなのかがわかりません。
そこで、木村屋では中身を見分けるために、こしあんはケシの実を、つぶあんは白ゴマをのせたそうです。
また他のお店でも、こしあんはケシの実を、つぶあんは黒ゴマを、白あんは白ゴマを乗せるなどして区別しているそうですよ。
ケシの実は、ケシ科ケシ属の植物の種子のことで、七味唐辛子やお菓子作りなどに用いられます。
また、アヘンに加工することができ、日本では「あへん法」によって特別な許可がないとケシを栽培することができず、現在、日本で流通しているケシの実はすべて輸入されたものです。
「あへん法」では、種子は対象外ですから所持していても問題ありませんが、発芽すると法に触れてしまいますので、日本で販売されているケシの実(種子)は発芽しないように加熱処理されています。
また、真ん中にちょっとくぼんだ部分「へそ」があるあんぱんもありますよね。
これにはふたつの理由があるようです。
ひとつめは、明治天皇に献上された桜あんぱんをお客さんが買い求めた時、明治天皇が召し上がったものと同じものを売るのは恐れ多い・・・ということで桜を抜いて、へその部分はそのまま残して売ったそうです。
へそは、明治天皇に献上したあんぱんと同じという証になり、あんぱんにぽっこりと空いたへその部分が可愛いということもあり評判になったそうです。
ふたつめは、焼きあがったときに生地とあんの間に空洞ができるのを防ぐために、焼く前にパンの真ん中を指で押さえるからだそうです。
空洞ができることで品質などに変化はありませんが、購入した人があんが詰まっていないように見えることで、損した気分になるのを防ぐ目的があるといわれています。
あんぱんの種類は?
餡子(あんこ)は、小豆(あずき)で作ったものだけを指すのではありません。
豆類や、サツマイモ、栗など、いろいろな食材を煮て、砂糖を加えて練った物も餡子です。
ですので、あんぱんの種類も多岐にわたります。
うぐいす豆を使った「うぐいすあんぱん」
かぼちゃを使った「かぼちゃあんぱん」
栗を使った「栗あんぱん」
サツマイモを使った「サツマイモあんぱん」
他にも
・マンゴー
・白桃
・メロン
・黒ゴマなど
いろいろな食材が使われています。
あんぱんは英語で何て言うの?
あんぱんは日本独特のもので、英語圏にはありませんが、英語だと以下のように表現するようです。
●bean-jam bun
(あんの入った小さな丸いパン)
●sweet red bean bun
(あんの入った小さな丸いパン)
●Bread roll filled with sweet red bean paste
(あんこで満たされたロールパン)
※bunは、小さな丸いパンのことです。
あんぱんは、明治時代に発明されたものものだったのですね。
木村親子が考案したあんぱんは、今では日本中の多くのパン屋さんで作られ、日本人に愛されていますね。
こしあんの滑らかさや、つぶあんのツブツブ感、甘さも違えば、パン生地とあんこの割合など、お店によって違います。
自分のお気に入りのあんぱんを見つけると幸せな時間を過ごせそうですね!
関連:メロンパンの名前の由来とは?なぜメロン?メロンパンの種類と歴史
関連:どら焼きの日はなぜ4月4日なの?その由来とは?”どら”の意味ってなに?
関連:【3月4日】バウムクーヘンの日の由来とは?バームクーヘンの意味と歴史
コメント