「会う」「逢う」「遭う」「遇う」
一口に「あう」といっても、色々な漢字があります。
実は、どのような対象物とどのように直面するのかによって使う漢字が違います。
今回は、これら4つの漢字それぞれの意味を例文を交えながら比較していきましょう!
「会う」の意味と使い方
「会う」という漢字は、この4つの中で一番よく目にする機会が多いのではないでしょうか?
これは、人と顔をあわせるときに使います。
ここで例文を見てみましょう。
●明日は、小学校の同級生と会います。
●先週末、ばったり先生に会った。
このように「会う」は、あらかじめ決められた対面でも、たまたまの対面でも、どちらのパターンでも使うことができます。
「逢う」の意味と使い方
「逢う」も人と顔をあわせるときのみ使う漢字ですが、「会う」とは少しニュアンスが違います。
こちらは、1対1で人と対面するときに用います。
●ここで逢ったが100年目!
●親友とは、このカフェで出逢いました。
また、「運命の出逢い」などという言葉があるように、この漢字はロマンチックな場面で使われることが多いです。
ちなみに「逢う」は、「会う」に置き換えられることが多いです。
この2つの大きな違いは、「会う」は常用漢字で、「逢う」は常用漢字ではないということです。
ですので、新聞・雑誌・教科書などで目に触れるのは「会う」が多いですよね。
「遭う」の意味と使い方
「遭う」は上の2つとは違い、人以外にも物や出来事と偶然直面した時に使います。
さらにこの漢字を使う場合は、ネガティブなニュアンスを持つことが多いです。
例文をあげてみましょう。
●家に帰る途中、痴漢に遭った。
●先週末、事故に遭ってしまった。
「遭遇したくないものに、うっかり鉢合わせてしまった!」というような意味合いですね。
「遇う」の意味と使い方
「遇う」は、この中では一番見かける機会が少ないかもしれませんね。
この漢字も「遭う」と同じく、人以外にも使います。
こちらはマイナスなイメージはなく、単純に「たまたま直面した」という意味を持ちます。
●隣町で、ばったり弟に遇った。
●あそこでたまたま遇った人たちとは、今でも仲良しです。
●こんな幸運に遇うなんて!
ちなみに、「遭う」は常用漢字ですが、「遇う」は常用漢字ではありません。
私たちがあまり「遇う」という文字を見ないのはそんな理由があるのですね。
この中で恋人に使うのは?
さて、「会う」「逢う」「遭う」「遇う」それぞれの意味を見てきました。
それでは、恋人とあう時に使うのはこの中のどれでしょうか?
これは、シュチュエーションによって変わってきます。
例文を交えながらみてみましょう!
私は恋人に会った
最も一般的に使われる「あう」という表現ですね。
この文章の場合、恋人と初めて対面した時のことを話しているのか、デートに出かけたのか、街で偶然対面したのか、色々な推測ができますね。
私は恋人に逢った
「会う」と同じように色々なシーンが思い浮かびますが、この文章だとよりロマンチックな響きを持ちますね。
私は恋人に遭った
「遭う」はネガティブな意味を持つ言葉なので、恋人に対して使うには違和感がありますね。
私は恋人に遇った
この場合、話し手が偶然自分の恋人と出くわしたイメージが伝わってきます。
買い物中に、ばったり同じく買い物中の恋人を見つけた!というような感じですね。
恋人に対して使う場合、「遭う」以外はケースバイケースで使用することができます。
ただし、ロマンチックな感情のニュアンスを含めたい場合は「逢う」が1番ふさわしいでしょう。
大きく分けて、「会う・逢う」は対象が人物、「遭う・遇う」は偶然性をもつ対面のニュアンスがあります。
それぞれは、以下のような意味になります。
●「会う」は、1対1・複数問わず一般的な人同士の対面。
●「逢う」は、1対1の人同士の対面で、しばしばロマンチックな意味にも使われます。
●「遭う」は、人や物・出来事との偶然的な対面で、ネガティブなニュアンスを持ちます。
●「遇う」は、人や物・出来事との偶然的な対面を表したものです。
正しい日本語を知り、上手に使い分けましょうね。
コメント