小学校や中学校の時に地図記号を学びますが、どれくらい覚えていますか?
数多くある地図記号の中には、似ているものやまぎらわしいものもありますが、地図記号の由来も一緒に覚えると覚えやすかったり、記憶に残ったりするものです。
今回は、地図記号をクイズ形式でご紹介します!
地図記号とは?
読み方は「ちずきごう」です。
地図記号とは、地図の中で、地形や道路、施設、土地の状況などを簡単に表現するための記号です。
国土地理院が定めており、現在は160以上の地図記号があります。
地図記号クイズ!難易度順 名称と由来一覧
ここでは、普段からよく目にする地図記号を中心にクイズにしています。
現在、廃止された地図記号もありますが、地図によっては使われていることがありますので合わせてご紹介いたします。
(廃止されたものはわかるように説明を書いています。)
また、似ていたり、間違えやすい地図記号をいっしょにご紹介します。
あなたは全問正解できるでしょうか?
第1問
正解は・・・
郵便局
由来:郵便局のマークである「〒」を〇で囲んでいます。
〒は、昔、郵便などを扱う役所だった逓信省(ていしんしょう)の、「テ」の文字を記号化したものです。
第2問
正解は・・・
左:小中学校 右:高等学校
由来:
正確な由来は不明ですが、「文字を学ぶ場所」ということで「文」という漢字が用いられているといわれています。
小中学校と高等学校を区別するために、高等学校は〇で囲んでいます。
ちなみに、大学、短大、高等専門学校は以下のとおりです。
第3問
正解は・・・
橋(道路橋)
由来:
道路と区別するために、橋の部分の両端を開いた形にしています。
道路橋とは、道路として使うために設けられた橋のことです。
第4問
正解は・・・
左:温泉 右:噴火口
由来:
温泉は、湯壺(ゆつぼ)と湯けむりが由来です。
湯壺とは、わき出る温泉の湯をためるところです。
温泉の地図記号は「日本で最古の地図記号」といわれ、江戸時代の1661年、土地争いの決着をつけるための資料の中に、群馬県の磯部温泉を記した温泉記号が2つ描かれていたそうです。
噴火口は、火口の形と火口からの煙の形を組み合わせて記号にしています。
第5問
正解は・・・
左:警察署 右:交番
由来:
どちらの記号も警察官が持つ警棒を交差させた様子を表しています。
警察署と交番を区別するために、警察署は〇で囲んでいます。
第6問
正解は・・・
消防署
由来:
江戸時代から消火のために使われていた「刺股(さすまた)」という道具が由来です。
火災が発生したら、刺股で家を壊すことでそれ以上火災が広がらないようにしていました。
第7問
正解は・・・
左:神社 右:寺院
由来:
神社の地図記号は、鳥居が由来です。
寺院の地図記号は、「卍(まんじ)」が由来です。
卍は、古くから仏教で使われる印で、サンスクリット語で「スヴァスティカ」と呼ばれ、「幸せ」や「めでたい」という意味があります。
インドでは一万年前に卍が存在していたといわれてており、寺院には卍模様の彫刻が多くあるため、地図記号になりました。
第8問
正解は・・・
図書館
由来:本を開いた様子が地図記号の由来です。
第9問
正解は・・・
左:市役所 右:町村役場
由来:
どちらも明治時代から使われていますが、由来は不明です。
日本が地図の整備を始めたのは明治時代の1880年代のことです。
その当時は、今の「県」にあたる「郡」の役所を表すのが二重丸の記号でした。
その後、1888年に「市」が誕生し、二重丸の記号は市役所の地図記号になりました。
他の地図記号は時間とともに変化しましたが、市役所の地図記号は明治時代から使い続けられています。
また、
市役所の地図記号は、東京都の区役所も表しています。
町村役場の地図記号は、政令指定都市の区役所も表しています。
どちらも、出張所や支所は表していません。
第10問
正解は・・・
左:病院 右:保健所
由来:
どちらも十字が描かれていますが、この十字は赤十字のマークです。
病院は、赤十字の十字と、旧日本陸軍の衛生隊のマークだった五角形が由来です。
保健所は、病院の地図記号を参考に作られ、赤十字の十字を〇で囲んでいます。
赤十字とは、世界中で戦争・紛争犠牲者の救援をはじめ、災害被災者の救援、医療・保険・社会福祉事業など、人道的支援活動を展開する団体です。
第11問
正解は・・・
左:灯台 真ん中:工場 右:発電所
由来:
灯台は、灯台を上から見たときに四方八方に光が出ている様子が由来です。
工場は、機械の歯車が由来です。
発電所は、歯車と電気を送る線が由来です。
平成25年(2013年)に工場の地図記号が廃止されました。
現在は「工場」という文字や「工場の名称」で書かれています。
第12問
正解は・・・
銀行
由来:江戸時代の両替商の看板の形が由来です。
両替商の看板は、当時、両替商が使っていた分銅(ふんどう)の形です。
第13問
正解は・・・
田
由来:稲を刈り取ったあとの様子が由来です。
第14問
正解は・・・
畑
由来:植物の双葉(ふたば)の形が由来です。
第15問
正解は・・・
果樹園
由来:リンゴやナシなどの実を横から見た形が由来です。
第16問
正解は・・・
荒地
由来:
雑草が生えている様子が由来です。
雑草などが生えている場所を表しており、雑草が生えた湿地や沼地なども含みます。
第17問
正解は・・・
桑畑
由来:
桑の木を横から見た形が由来です。
平成25年(2013年)に廃止されました。
第18問
正解は・・・
博物館(美術館もこの記号です)
由来:
東京国立博物館の入り口の形が由来です。
水族館や動物園、植物園は、記号ではなく文字で表されます。
それは敷地が広く、地図上に文字を書くスペースが十分にあるためです。
第19問
正解は・・・
風車
由来:
発電を目的に設置された風車を表しており、3つの羽が付いた風車の形が由来です。
第20問
正解は・・・
老人ホーム
由来:老人ホームの建物と杖の形が由来です。
この地図記号は、平成18年(2006年)に全国の小中学生から応募されたデザインをもとにつくられました。
第21問
正解は・・・
左:記念碑 右:自然災害伝承碑
由来:
記念碑は、石でできた記念碑を前からみた形とその影が由来です。
自然災害伝承碑は、記念碑の地図記号に碑文(ひぶん・石碑に彫りつけた文章)を表す縦線を加えており、記念碑の地図記号よりも少し大きめ(約1.5倍)です。
自然災害伝承碑は、その場所で起こった大規模な自然災害の状況や教訓を伝承し、後世の人々が災害から命を守ることを願って建てられています。
令和元年(2019年)に生まれた新しい地図記号です。
第22問
正解は・・・
左:重要港 真ん中:地方港 右:漁港
由来:
いずれも船の「錨(いかり・船が流されないようにする重り)」が由来です。
重要港は、港湾法で定められている重要湾を表しています。
地方港は、港湾法で定められている地方港を表しています。
重要港よりも小規模です。
漁港は、漁港法で定められている漁港を表しています。
地方港や重要港よりも小規模です。
平成25年(2013年)に重要港と地方港の地図記号が廃止されました。
現在は、地方港と重要港を「港湾」とし、港湾の地図記号は以前の地方港です。
港の地図記号は「港湾」と「漁港」の二種類になっています。
港湾は、港湾法で定められている国際戦略港湾、国際拠点港湾、重要港湾及び地方港湾を表しています。大型船の錨(いかり)の形が由来です。
漁港は、漁港法で定められている漁港を表しています。小型船の錨の形が由来です。
第23問
正解は・・・
左:茶畑 右:史跡・名勝・天然記念物
由来:
茶畑は、茶の実を半分に切った時に見える形が由来です。
史跡・名勝・天然記念物は、文化財保護法で定められています。
元々はヨーロッパで「名勝・古都」を表す地図記号として使われていたものを日本でも取り入れたのが由来です。
どちらも黒い丸を正三角形に3つ並べた地図記号ですが、大きさが違います。
茶畑よりも史跡・名勝・天然記念物の方が大きいです。
第24問
正解は・・・
裁判所
由来:
立て札の形を記号にしています。
昔の裁判所は、裁判の内容などを立て札を立てて知らせていたことが由来です。
第25問
正解は・・・
税務署
由来:そろばんが由来です。
昔は、そろばんを使ってお金の計算をしていたため、そろばんの珠と軸の形を記号にしています。
第26問
正解は・・・
官公署
由来:
「公」の昔の漢字である「㒶」を記号にしたものです。
官公署の地図記号は、記号が定められている裁判所や税務署などを除く、国や地方公共団体の機関や、外国の大使館などにも用いられます。
第27問
正解は・・・
広葉樹林
由来:
広葉樹を横から見た形が由来です。
広葉樹とは、平たく丸みがあり幅の広い葉と、たくさんの枝が横に伸びて生長することが特徴の樹木です。
シラカバやケヤキ、ブナなどが広葉樹です。
第28問
正解は・・・
針葉樹林
由来:
針葉樹を横から見た形が由来です。
針葉樹とは、葉っぱが針のように尖って細長く、空に向かってまっすぐ育つものが多いのが特徴の樹木です。
マツやスギなどが針葉樹です。
第29問
正解は・・・
墓地
由来:墓を横から見た形が由来です。
第30問
正解は・・・
城跡(しろあと)
由来:
城跡とは、昔お城があった場所のことです。
石垣だけの場所、城の痕跡がほとんど残っていない場所や、現在も天守閣や櫓(やぐら)などが建物ある場所も城跡です。
城の縄ばり(なわばり)の形が由来で、城の縄ばりとは、城の設計や構造を指します。
第31問
正解は・・・
左:三角点 真ん中:水準点 右:電子基準点
由来:
三角点は、正確な測量をおこなうために、国土地理院が設置した基準点の場所を表しています。
水準点は、正確な高さを求める測量をおこなうために、国土地理院が設置した高さの基準となる点の場所を表しています。
電子基準点は、三角点と電波塔の記号をあわせたものです。
人工衛星からの電波を連続観測し、正確な測量をおこなうために、国土地理院が設置した基準点の場所を表しています。
地図記号クイズ、いくつ正解しましたか?
ここでご紹介した地図記号はほんの一部です。
地図を見ているとき、案内図を見ているときなど、見慣れない地図記号を見つけたらぜひ、その地図記号がなんなのか調べてみてください!
由来が特にないものもありますが、由来を知ることで地図記号への興味が深まるのではないでしょうか。
関連:【正式名称は何?】身近によく見かける意外と名前がわからないもの
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