12月になると街中がキラキラとクリスマスの装飾で輝き始めますね。
クリスマスツリーを飾っているというご家庭も多いのでは?
ですが、そもそもクリスマスの起源がどういうものなのかご存知ですか?
また、日本のクリスマスはいつから始まったのか、外国との違いなどについてご紹介します。
日本のクリスマスの始まりは?
1552年、山口県にキリスト教の宣教師としてやってきたフランシスコ・ザビエルが信徒を集めて12月24日にミサ(カトリック教会で行われる祭儀)を行ったことが始まりだと言われています。
1560年ごろ、京都にキリシタンら100人ほどが集まり、キリストの誕生日を祝う祭典である降誕祭(クリスマス)を盛大に行ったという記録があります。
また、1568年にはイエズス会士ルイスフロイスによって「織田信長と松永久秀がクリスマスに一時休戦した」という記録も残っていることから、日本でも各地でクリスマスが行われていたと考えられます。
しかし、江戸幕府が1612年に禁教令(キリスト教禁止令)を発令したため、一旦クリスマスは姿を消してしまいます。
その後、明治6年(1873年)に禁教令が解かれ、クリスマスも復活しました。
そして、信徒以外にも少しずつ、クリスマスにちなんだお話や歌などが広まっていったようです。
明治37年(1904年)に、銀座の「明治屋」が商業用のディスプレイとして初めてクリスマスツリーを店頭に飾り、大きな話題を呼んだことで一般的に広く知られるようになりました。
明治43年(1910年)には「不二家」がクリスマスのデコレーションケーキを発売し、大正8年(1919年)には「帝国ホテル」が一般客向けのクリスマスパーティを開催しました。
その後も次々とデパートやホテルでクリスマスの装飾や商品の販売が始まり、日本中に広まっていきました。
昭和になると、銀座や渋谷、浅草などの喫茶店やレストランがクリスマスに因んだメニューを取り入れるようになりました。
第二次世界大戦が始まり、クリスマスは一時下火になったものの、戦後になると再び活気を取り戻し、現在では、テーマパークやデパートなど早いところでは11月初旬からクリスマスの装飾が施され、クリスマスイベントやクリスマスセールを開催しています。
このように日本では宗教的な理由ではなく、商業イベントとして盛大に行われるようになり、国民的行事として定着しました。
クリスマスの起源と歴史は?
クリスマスは、イエス・キリストの降誕(誕生)を祝う日です。
12月25日がイエス・キリストの誕生日というわけではなく、キリスト教では「キリストの誕生を記念する日」と位置付けられているそうです。(キリストの誕生日は不明とされています。)
「クリスマス」という言葉は、「クリスト(Christ)・マス(mass)」という意味です。
クリスト=キリスト、マス=ミサのことで、キリストの「降誕祭(こうたんさい)」とい意味になります。
なぜ12月25日なのか・・・古代ローマ帝国では「ミトラ教」というものが信仰されていたそうなのですが、その主神を「ミトラス」といいました。
ミトラスは、太陽神の性質をもっています。
この「ミトラ教」の大事な催しが「冬至」のお祭りで、12月25日でした。
冬至を境に日が長くなっていくことから、ミトラ教では12月25日を「太陽神が再び生まれる日」としてお祝いし、祭典を行っていたのです。
その後、ローマ帝国がキリスト教を導入した時にミトラ教やほかの土着の宗教と争うことなく平和的に融合しようと考え、325年に開かれた教会会議で正式に12月25日をキリストの誕生を祝う日と決定したそうです。
そして、キリスト教が世界中に広がるとともに、12月25日のクリスマスはキリストの誕生を祝う日としてクリスマスは広がっていき、盛大にお祝いをするようになりました。
日本と外国の違いとは?
日本では一般的に、クリスマスにはケーキやチキンを食べたり、サンタさん(親)が子供たちにプレゼントを持ってきてくれます。
家族だけではなく、パートナーや友人たちとパーティをしたり、プレゼントを交換したり、ロマンチックな雰囲気で過ごす人たちも多いですね。
日本では、クリスマスよりも12月24日のクリスマスイブのほうが盛り上がるようです。
では、キリスト教徒の多い欧米諸国ではどうでしょうか?
クリスマスのメインは12月25日でその前後にクリスマス休暇というのもあります。
普段は離れて暮らしている家族や親戚が集まり大勢で盛大にお祝いをします。
七面鳥や牛肉、羊肉などたくさんのご馳走を準備し、24日から25日にかけておしゃべりを楽しむそうです。
12月25日はお店はほとんど閉まっているので、自宅で過ごすのが一般的だそうです。
12月10日ごろからクリスマスカードを送ったり、12月いっぱいはクリスマスの装飾をしたりします。
クリスマスプレゼントは、クリスマスツリーの下に家族全員分置いておき、25日の朝に家族全員で一斉に開けます。
プレゼントの数も一人に1個ではなく、2個~3個、多い人は10個以上もらうなんてこともあるそうです。
そして、クリスマスはキリスト教の行事とされているため、キリスト教徒ではない人たちは普段とかわらない休日を過ごすそうです。
クリスマスの過ごし方が、日本と外国では随分違うので、日本のクリスマスをみた外国人はみなさん不思議に思うことがあるそうですよ。
それは、
「七面鳥ではなくチキン(鶏)を食べる」
「ショートケーキを食べる」
「プレゼントは一人ひとつ」
「クリスマスイブがメインの日」
「家族ではなく恋人と過ごす」
「クリスマスが過ぎればすぐにお正月準備」
などです。
日本では七面鳥ではなくチキンを食べるのは、実は、ケンタッキー・フライド・チキンの企業戦略なのだそうですよ。
日本ではクリスマスにはケンタッキー・フライド・チキンが大行列ができるほど売れますが、アメリカでは一年で最も売り上げが下がる時期なんだとか。
日本も海外も元々は同じ「クリスマス」だったはずなのに、日本では時代の流れとともに独自の進化をとげ、今のように日本全体が盛り上がるイベントになったのです。
さまざまな宗教を受け入れ、他宗教の行事も楽しんでしまうのは、いかにも日本人らしいですね。
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