ニュースやビジネス書などを読んでいる時に「原文ママ」と書かれていることがありますよね。
「原文をそのまま引用しているんだろうな」と意味はなんとなくわかりますが、なぜ「原文ママ」と書くのでしょうか?
「ママ」にはなにか意味があるのでしょうか?
今回は「原文ママ」についてわかりやすく解説します。
「原文ママ」の「ママ」の意味とは?
「原文ママ」とは、
原文をそのまま引用、記載したという意味です。
原文の誤字や脱字、言葉の使い方が古かったり、間違いがあった際、修正をせずにそのまま引用、記載する時に用います。
引用部分を勝手に変えてはならないという著作権上の問題がある場合、そのまま記載しなければならず「原文ママ」を使います。
修正して引用、記載する場合は「原文ママ」とは書かず、「誤字を修正しています」などのように、どう修正したかを書き添えます。
「原文まま」とひらがなで書くこともあります。
原文ママの「ママ」は「儘(まま)」と書きます。
そして「原文の儘引用」を省略したのが「原文ママ」で、更に省略して「ママ」とだけ書くこともあります。
しかし「ママ」だけだと母親を意味する「ママ」と間違ってしまう可能性があるため、「原文ママ」や「原文のママ」と書いたほうが良いという意見もあります。
「原文ママ」の発祥は定かではありませんが、江戸時代(1603年~1868年)の筆写本(ひっしゃぼん・手書きで書き写された本)では、書き写す元となる本に誤りがあった場合も「原文ノママ」と書き添え、そのまま書き写すのが習慣となっていました。
印刷技術が発達し活字本(かつじぼん・印刷された本のこと)が登場してからもその習慣は続き、現在も誤りに対して「原文ママ」や「ママ」と書くことになっているのです。
「原文ママ」の使い方は?
たとえば、芸能人がSNSで
「台風すごかったよね!今日は台風一家で晴天だよ!」
という文章を発信したとします。
この場合、「台風一家」は「台風一過」の誤りです。
この文章をニュース記事などに載せる時、
「台風すごかったよね!今日は台風一家で晴天だよ!(原文ママ)」
というふうに、「原文ママ」を書き添えることで「『台風一家』は間違いですが、記者が間違えているのではありません。芸能人の文章をそのまま引用しています」という意味を読者に伝えることができます。
「原文ママ」の同義語、対義語は?
「原文ママ」の同義語や対義語は見つけることができませんでした。
「原文ママ」の対義語は「原文パパ」だという意見があります。
これは母親を意味する「ママ」に対して、父親を意味する「パパ」を当てた言葉遊びです。
「原文ママ」の意味がわかりましたね。
誤字や脱字を修正せずそのまま使う時に「原文ママ」と書き添えることで、間違いに気づいているというアピールにもなりますね。
芸能人の誤字や脱字は話題になってしまうので、ついつい引用してしまう人もいるかもしれませんが、「転載禁止」と明記していることもありますし、本人の許可なく引用したことで著作権の侵害などで訴えられる可能性もありますので許可を得てからにしましょう。
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