【カイロの歴史】カイロの漢字と意味とは?使い捨てカイロを使っているのは日本だけ?

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寒い季節に欠かせないアイテム「カイロ」

使い捨てカイロを日常的に使っている人も多いと思います。

「カイロ」とカタカナ表記が一般的ですが、漢字ではどう書き、どんな意味があるのでしょうか?

使い捨てカイロを使っているのは日本だけということですが、本当でしょうか?

今回は、カイロの歴史や、カイロの疑問について解説いたします。

 

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目次

カイロの漢字と意味とは?

 カイロは漢字で「懐炉(かいろ)」と書きます。

「懐(ふところ)」は、衣服を着たときの胸部分の内側という意味です。

「炉(いろり)」は、火を燃やして暖を取る場所という意味です。

 懐炉(カイロ)とは、化学反応で発熱する素材や、熱を蓄える素材でできた身体を温めるために用いられる道具のことです。

カイロの歴史

カイロのはじまりは、温石(おんじゃく)といわれています。

温石とは、石や砂を温めたものを布に包み、懐にいれて身体を温めるもので、日本独自の保温具です。

平安時代(794年~1185年)から江戸時代(1603年~1868年)ごろに使われており、温石を懐に入れて身体を温めることから「懐炉」と呼ばれるようになったといわれています。

明治時代(1868年~1912年)になると「灰式カイロ(はいしきかいろ)」が発明されました。

灰式カイロには「懐炉灰(かいろばい)」を入れます。

懐炉灰とは、カイロに用いる固形燃料のことで、主に桐、麻殻、わらなどを燃やして炭にしたものです。

懐炉灰を金属性の容器に入れ、火をつけて使用しました。

使い捨てカイロで有名な「桐灰化学株式会社(きりばいかがく)」という会社をご存知のかたも多いと思います。

同社の主力製品が桐の懐炉灰を利用した灰式カイロだったことから、社名を「桐灰」と名付けたそうです。

桐灰化学株式会社は、令和2年(2020年)に小林製薬に吸収合併されています。

大正時代(1912年~1926年)になると「ベンジンカイロ」が登場します。

「白金触媒式カイロ(はくきんしょくばいしきかいろ)」ともいいます。

これは、気化したベンジンが白金(はくきん・プラチナ)の触媒作用によって炭酸ガス(CO2)と水(H2O)に分解され、そのときに発生する酸加熱を利用します。

そして、昭和53年(1978年)に使い捨てカイロが誕生しました。

日本純水素(現在の日本パイオニクス)が開発し、ロッテ電子工業(現在はロッテ本体に吸収合併)が「ホカロン」という商品名で発売。

昭和63年(1988年)には貼るタイプの使い捨てカイロが発売され、現在は靴下用、肩用、お腹用など用途によってさまざまな使い捨てカイロが販売されています。

 平成12年(2000年)になると、電子レンジで加熱するタイプのカイロが登場します。

ゲル状の保温材やセラミックビーズ、小豆などが容器に入っており、電子レンジで加熱することで蓄熱させる仕組みになっており、何度も使うことができます。

平成18年(2006年)になると、電池式・充電式のカイロが登場します。

電源を切り替えることで使用開始・使用停止が容易にでき、何度も使うことができてゴミが発生しないというメリットがあります。

一般的な使い捨てカイロより温度が低く設定されているのがデメリットといわれています。

 

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使い捨てカイロを使っているのは日本だけ?

 日本で誕生した使い捨てカイロは、現在は、世界中で使われています。

しかし、海外ではスポーツやアウトドアの時に使う特別なものという意識が高いようで、日本のように普段使いされているわけではなく、それほど普及していないようです。

また、販売されているお店も、スポーツ用品店やアウトドアショップ、日本食を取り扱うお店など限られているようです。

 

使い捨てカイロが温かくなる仕組み

使い捨てカイロは個別包装されており、袋から出してシャカシャカ振ると温かくなる仕組みのものが一般的です。

使い捨てカイロが温かくなる原理は、「酸化(さんか)」という化学反応です。

カイロの原材料は、鉄粉、活性炭、保水材、水、塩ですが、袋から出すと鉄粉が空気中の酸素に触れて酸化反応を起こし、その時に発生する熱によって温かくなる仕組みになっています。

このような仕組みのため、未開封の袋の中では鉄粉が酸素と触れることがなく、温かくならないのです。

また、鉄粉だけだと酸化反応がゆるやかなため、早く反応するよう水や保水材などの材料が一緒に入っています。

袋から出しただけでも温かくなりますが、カイロの中の鉄粉と空気中の酸素を混ざりやすくするために、各メーカーは数回軽く振ることを推奨しています。

 

使い捨てカイロの種類

使い捨てカイロは、

・貼らないタイプ(ポケットなどに入れて持ち歩く)

・貼るタイプ(シール部分を衣類に貼って使う)

が主流で、用途別に

・靴下用(足裏やつま先など)

・首用、肩用(首や両肩を覆うような形になっています)

・お腹用(低めの温度設定で、じんわり温めます)

など、専用のカイロがあります。

使い捨てカイロの温度は、

貼らないタイプのカイロは57度~68度ほど

貼るタイプのカイロは40度~48度ほど

となっています。

貼るタイプのカイロは一か所に長時間当たるため、温度が低く設定されています。

肌に直接貼ると低温やけどの危険があるため、必ず衣類の上に貼るようにしましょう。

 

貼るタイプはどこに貼ると効果的?

 貼るタイプの使い捨てカイロは身体のどこに貼ると効果的なのでしょうか。

効果的な貼る場所をいくつかご紹介します。

いずれも、直接肌に貼るのは避け、衣類の上から貼るようにしましょう。

 

●首のうしろ

首には頸動脈という太い血管があります。

首のうしろにカイロを貼ることで、身体全体を効率よく温めることができます。

直接首に触れないように、マフラーやスカーフなどに貼って使うと良いでしょう。

 

●腰

腰を温めることで腰痛や冷えを防止することができます。

 

●足首

くるぶし付近には太い血管があるので、足首にカイロを貼ると足先を温めることができます。

 

●足裏

足の裏には血管がたくさんあります。

足裏にカイロを貼ると血液を効率よく温めることができ、一時的に冷えやむくみの改善効果があります。

 

●背中から腰にかけて

腰のあたりに普通サイズのカイロを横向きに1枚貼り、その上にミニサイズのカイロを縦向きに2枚貼ります。

この貼り方をするとうさぎの頭のように見えることから「うさぎ貼り」と呼ばれています。

背骨をくるむように走る脊柱起立筋を集中的に温めることができ、下半身が温まります。

 

●肩甲骨の間

肩甲骨の間には大きな血管があるので、全身を温めることができます。

 

●仙骨

仙骨の辺りは副交感神経が束になっています。

この部分を温めることで身体の緊張が緩み、眠りにつきやすくなります。

各メーカーが「カイロを貼って寝るのはお控えください」と注意喚起しています。

眠っている間は熱さに気付きづらく、低温やけどをする危険性があるからです。

寝る時に貼ったままにならないよう、身体を温めたら剝がすようにしましょう。

 

使い捨てカイロの捨て方は?

 「使い捨てカイロは何ゴミ?」と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一般的に、使用済みでも未使用でも、燃えるゴミか、燃えないゴミのどちらかになります。

ゴミの分別ルールは自治体によって異なりますのでお住いの地域のゴミの分別ルールを確認してくださいね。

 また、使い捨てカイロは火災の原因になるほどの熱を発することがないので、温かいまま捨てても問題ありません。 

使い捨てカイロは昭和になってから誕生したのですね。

そして、カイロのはじまりとされる「温石」は平安時代から使われていたようです。

昔の人々も今の私たちと同じように寒さに立ち向かい、温かく過ごせるよういろいろ考えていたのですね。

現在は使い捨てカイロだけではなく、電池式・充電式のカイロもあります。

使う場面や目的に応じて使い分けて、寒い季節を快適に過ごせると良いですね!

 

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