一緒に住んでいる人、遠くに住んでいるけれど血の繋がりがある人、血の繋がりはないけれどとても親しくしている人など、私たちは多くの人と関係を持っています。
そのような関係のある人を「家族」「身内」「親戚」「親族」と呼ぶことがありますが、どのように使い分ければ良いのでしょうか?
今回は「家族」「身内」「親戚」「親族」の違いや、範囲がどこまでなのかなどについてわかりやすく解説します。
家族とは?範囲はどこまで?
「家族」とは、一般的には、同じ家に住んでいて家計のやりくりが同じ人を指します。
しかし、法律で定められているわけではありませんので個人の判断によって異なります。
血縁関係(けつえんかんけい)、姻戚関係(いんせきかんけい)にある人のことを指したり、精神的な結びつきがある人を指したりするなど、「家族」の範囲は決まりがありません。
※血縁関係とは?
血の繋がりがある人のことで「血族(けつぞく)」ともいいます。
血族には「自然血族」と「法定血族」の2種類があります。
血族の種類 | 意味 |
自然血族 | 生物学的な血縁関係にある血族をいい、「自分と親」「自分と孫」などのこと |
法定血族 | 法的に血縁関係にある血族をいい、養子縁組をした「養親と養子」場合にのみ成立 |
※姻戚関係とは?
結婚によって繋がりができた人のことで「姻族(いんぞく)」ともいいます。
たとえば・・・
●配偶者の血縁関係にある両親やきょうだいなど
●自分と血縁関係にあるきょうだいが結婚した場合、その配偶者の血縁関係にある人たちは「姻族」となります。(配偶者は血縁関係でも姻戚関係でもありません。)
家族の具体例としては・・・
●別居していても家計のやりくりが同じ人(単身赴任や一人暮らしの学生など)も「家族」と呼ぶ
●血縁関係や姻戚関係のない友人などを、同じ家に住んでいるから「家族」と呼ぶ
●血縁関係や姻戚関係で自分と近い人(頻繁に会う、連絡を取り合うなど)を「家族」と呼ぶ
●血縁関係や姻戚関係がある人を全て「家族」と呼ぶ
身内とは?範囲はどこまで?
「身内(みうち)」とは、個人の判断に任される呼び方です。
血の繋がりがあってもなくても関係ありません。
そのため、「身内」の範囲は決まりがなく、とても曖昧なものとなっています。
身内の具体例としては・・・
●親や兄弟姉妹など、一緒に暮らす人だけを「身内」と呼ぶ
●顔見知り全員を「身内」と呼ぶ
●面識がなくても同じ会社や団体に属する人を「身内」と呼ぶ
結婚式や葬儀など「身内だけで済ませます」ということがありますが、このような場合の「身内」は一般的に家族や親戚、よほど親しい関係の人を指すことが一般的です。
親戚とは?範囲はどこまで?
「親戚(しんせき)」とは、血縁関係や姻戚関係によってつながりがある人を指します。
「親類(しんるい)」とも呼ばれます。
「親戚」の範囲に決まりはありません。
「自分のおじいちゃん」や「いとこの旦那さん」のように血縁関係や姻戚関係にあれば、親戚となります。
親族とは?範囲はどこまで?
「親戚」と似たような言葉で「親族(しんぞく)」があります。
「親戚」は血縁関係や姻戚関係のつながりがあれば範囲の決まりはありませんでしたが、「親族」は民法で「六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族」と定められています。
「血族(けつぞく)」とは、血の繋がりがある人のことです(赤の数字)。
「姻族(いんぞく)」とは、配偶者の血族や自分の血族の配偶者のことです(青の数字)。
「親等」とは、自分と相手の関係の度合いを表したものです。
●自分をゼロとし、自分の両親や自分の子など、最も近い人を「一親等」
●自分の兄弟姉妹や祖父母、孫などを「二親等」
●自分のおじ・おばなどを「三親等」
その後離れて行くごとに数字も増えて行きます。
たとえば、「自分のおじいちゃん(祖父)」は二親等の血族ということで「親族」です。
しかし、「いとこの旦那さん」は親族ではありません。
「いとこ」は「四親等の血族」なので「六親等内の血族」に当てはまりますが、「いとこの旦那さん(配偶者)」は「四親等の姻族」になり「三親等内の姻族」に当てはまらないからです。
「家族」と「身内」と「親戚」と「親族」の違いがわかりましたか?
「家族」と「身内」は、どのような関係の人でも個人の判断次第ですが、「親戚」と「親族」は血縁や婚姻によってつながった人を指すのですね。
また、「親族」は法律でその範囲が定められていますが、「親戚」は特に決まりがないので、どんなに離れた血縁関係や姻戚関係であっても、自分たちが「親戚だ」と思えばそれで良いようです。
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