
「元も子もない」という言葉。
この「元」と「子」とはどのような意味があるのでしょうか?
また、類語は「身も蓋もない」なのでしょうか
「元も子もない」の意味や類語について解説します。
「元も子もない」の「元」と「子」の意味とは?
読み方は「もともこもない」です。

「元」の意味は、元金(がんきん)や元手(もとで)のことです。
元金は、商売や事業を始めるために貸したり借りたりするお金や預金など、もともとのお金全般のことです。
元手は、商売や事業を始めるためのもともとのお金だけではなく、技術や才能なども含まれます。

一方、「子」は、利子(りし)のことです。
利子とは、お金の貸し借りで元金に対して発生する対価のことです。
利益や利息と言い換えることができます。
ここでの利子とは、その事業から発生する、利益や儲けのことです。

つまり「元も子もない」は、得られるはずの利益や儲け(子)が得られないどころか、もともとの元金や元手(元)まで失ってしまうという意味になります。
「元も子もない」は、江戸時代(1603年~1868年)に、商売や事業で元金から利子(利益)を得るどころか、元金まで失ってしまう状況を表すことわざとして生まれた、というのが一般的な説です。

その後、「元金も利子も両方を失う」ということが転じて、
- 「すべてを失ってしまい、何も残らない」
- 「せっかくした行動や努力が、何もかも無駄になってしまう」
という意味でも使われるようになりました。
類語は「身も蓋もない」?
「身も蓋もない」は「元も子もない」とニュアンスが似ていますが、類語ではありません。
「身も蓋もない(みもふたもない)」の
- 「身」は物を入れる容器
- 「蓋」は覆い隠すもの
という意味があります。

つまり「身も蓋もない」は「物を入れる容器も、覆い隠す蓋もなく、中身がさらされている」ということになり、「露骨すぎて情緒もない」という意味になりました。
「身も蓋もない」は、言葉が露骨すぎて風情や情緒がないことや、言葉が露骨すぎて話が進まない時に使うことわざです。
たとえば以下のように使います。
- 彼が言うことは正しいけれど、身も蓋もないよね。
- 身も蓋もないことを言われて、言葉を返せなかったよ。
類語は「本末転倒」?
また、「元も子もない」と似ている「本末転倒(ほんまつてんとう)」という言葉もあります。
こちらも類語ではありません。
「本末転倒」は、
- 「根本的なことを取り違えること」
- 「肝心なことをおろそかにしてつまらないことに熱中してしまうこと」
- 「重要な部分とそうではない部分を取り違え、優先順位が逆になってしまうこと」
などの意味の四字熟語です。
たとえば、以下のように使います。
①学費を稼ぐためにバイトばかりして単位を落とすなんて、本末転倒だよ。
②健康のためにダイエットをして体調を崩すのは本末転倒だ。
これらのたとえは、「本末転倒」を「元も子もない」に言い換えると意味が違ってきます。
●本末転倒と元も子もないの意味の違い①
「学費を稼ぐためにバイトばかりして単位を落とすなんて、本末転倒だよ。」
意味:単位よりもバイトを優先するなんて、根本的なことを取り違えている
「学費を稼ぐためにバイトばかりして単位を落とすなんて、元も子もない。」
意味:学費のためとバイトばかりして単位を落とすなんて、学費を払った意味がなくなる
●本末転倒と元も子もないの意味の違い②
「健康のためにダイエットをして体調を崩すのは本末転倒だ。」
意味:目的は健康になることなのに、無理なダイエットで体調を崩してしまい、目的とは逆の結果になってしまった
「健康のためにダイエットをして体調を崩すのは元も子もない。」
意味:目的は健康になることなのに、ダイエットの結果体調を崩して健康を失った
元も子もないの類語は何?
「元も子もない」の類語は以下の通りです。
- 水の泡
- 無駄骨を折る
- 台無し
いずれも「これまでの努力や労力が無駄になること」という意味があります。
「元も子もない」の使い方の例文
「元も子もない」は、日常生活やビジネスシーンなど、さまざまな場面で使われる言葉です。
使い方の例文をご紹介します。
- 納期を短縮しすぎて品質が落ちたら、元も子もない結果になりますよ。
- リスクを無視して進めたら、元も子もない。
- 無理をして体調を崩したら元も子もないですよ。
- 一攫千金を夢見て株を買って全財産を失ったら元も子もありません。
- 大会のために練習量を増やした結果、怪我をしてしまったら元も子もないよ。

「元も子もない」がどのような言葉なのかわかりましたね。
「身も蓋もない」や「本末転倒」は類語と間違われやすいですが、きちんと意味を理解すれば類語ではないと思えますよね。
人生、時には大きな勝負をしたり、無理をすることはあると思いますが、なるべくなら「元も子もない」という言葉を使わずに済むように、ほどほどが良いのかもしれませんね。

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