海苔(のり)の起源と歴史とは?海苔の健康・美容効果!海苔の数え方

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私たち日本人の食生活に「海苔」は欠かせませんよね!

おにぎりに巻いたり、蕎麦に乗せたり、佃煮にしたり、チーズや餅などに巻いたり、調理法も食べ方も数えきれないほどあります。

そんな海苔の起源や歴史について解説します。

また、海苔を食べることによって得られる健康・美容効果についてもご紹介します。

 

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目次

海苔とは?

海苔の読み方は「のり」です。

 

海苔は、主に食用の海藻(かいそう)のことで、アマノリ、アオサ、アオノリなどの種類があります。

海藻とは、海に生息する藻類(そうるい)のことで、食用の海藻は海苔のほかに、昆布やわかめ、ひじきなどがあります。

 

 

海苔(のり)という名前の語源は、海藻がヌラヌラしている様子「ヌラヌラする」の「ヌラ」が訛ったものといわれていますが、いつごろから「のり」と呼ばれているのかは不明です。

また、「海苔」という漢字が当てられたのは江戸時代と考えられています。

 

ちなみに漢字で「海草」と書くものは種子植物で、代表的なものとしてはアマモやスガモといったものがあり、食用ではありません。

ですから「海草サラダ」という表現は誤りです。

食用のものはほとんどが海藻です。

 

海苔の起源と歴史とは?

海苔の起源ははっきりとはしていません。

 

縄文時代(紀元前12000年頃~紀元前4世紀)の貝塚から人々が食料としていた貝類が出土していることから、貝類が生息する岩場に生えていた海苔も食用としていたのではないかと考えられています。

しかし、海苔は貝類のように明確に痕跡が残るものではないので、必ずしも「食べていた」とは言い切れず、推測にすぎません。

 

その後、701年に制定された大宝律令(たいほうりつりょう・律は刑罰、令は行政に関する規定のこと)では税制の対象として、海苔を意味する「紫菜(むらさきのり)」が登場しています。

大和武尊

大和武尊

また、奈良時代(710年~794年)初期の721年に書かれた「常陸国風土記(ひたちのくにふどき・現在の茨城県の郷土誌)」では、大和武尊(やまとたけるのみこと・古代日本の皇族)が浜辺一面に海苔が干しているのを見たという記述があります。

 

710年に作られた都「平城京」では、海藻類を売る「和布店(にぎめだな)」、昆布や海苔を佃煮のように加工したものを売る「藻葉店(もはだな)」という市場が存在したといわれており、この頃、日本人の食文化に海苔が定着したと考えられています。

しかし、当時の海苔は大変貴重な高級品だったため、庶民の間に広まるのは江戸時代(1603年~1868年)になってからです。

海苔取り

江戸時代になると、海苔の養殖技術が確立し、江戸湾(現在の東京湾)で海苔を養殖し、和紙の製紙技術を用いて四角い紙のように加工するようになり、現在私たちが知っている「板海苔」になります。

海苔は加工法によって呼び方が変わります。

●生の状態を「生海苔」

 

●生海苔を板状に乾燥させたものを「乾燥海苔」または「板海苔」

 

●板海苔を火であぶった「焼き海苔」

 

●板海苔に醤油や砂糖で味付けをしたものを「味付け海苔」

 

●海藻を乾燥させ、粉砕して作ったものを「青海苔」

「焼き海苔」と「味付け海苔」は海苔の老舗(しにせ)である「山本海苔店」が発祥です。

 

日本の海苔と同じような見た目の「韓国のり」もありますね。

韓国でも昔から海苔が食べられていたようですが、日本が韓国を併合した明治43年(1910年)ごろから、日本の海苔養殖技術が導入され、板海苔が作られるようになりました。

「韓国のり」は塩とゴマ油で味付けをしていますが、日本の「味付け海苔」を韓国風にアレンジしたものといわれています。

 

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海苔の健康・美容効果

海苔の栄養価は高く、食物繊維やビタミン、ミネラルなどが豊富で、板海苔を1日に2枚程度食べることで、体に必要ないろいろな栄養素を摂ることができるそうです。

 

海苔には、以下の通り健康や美容に効果あるといわれています。

成人病予防に効果あり

海苔の3分の1は食物繊維でできており、野菜に含まれる食物繊維よりも柔らかく、胃や腸を傷つけずに穏やかに整腸作用を促します。

食物繊維を摂取することで、コレステロール値を下げ、成人病予防などに効果が期待できます。

 

疲労回復に効果あり

海苔約3枚で、成人女性が1日に必要なビタミンB1、B2を摂取できるといわれています。

ビタミンB1、B2を摂取することで糖質を効率よくエネルギーに変えることができ、疲労回復効果が期待できます。

 

肝臓の働きを高めてくれる

海苔2枚で、大豆約15g相当のタンパク質が含まれています。

タンパク質を摂取することで肝臓の働きを高めることが期待できます。

 

骨を強くしてくれる

海苔2枚で、牛乳約15cc相当のカルシウムが摂取できます。

カルシウムを摂取することで骨を強くすることができ、骨粗しょう症の予防や、イライラ解消などに効果が期待できます。

 

美肌効果がある

一般的に、ビタミンCは熱に弱いため、調理すると栄養素が破壊されるのですが、海苔に含まれるビタミンCは熱に強く、調理をしてもそのまま栄養素を摂取できます。

ビタミンCは美肌効果が期待できます。

 

海苔の数え方

まず、板海苔の基本サイズは、縦21cm×横19cmと決まっています。

このサイズのことを「全型(ぜんけい)」といいます。

そして、全型の板海苔10枚を「1帖(じょう)」と数えます。

そのため、一袋に全型の板海苔が10枚入っている場合、「1帖(全型10枚入り)」と表記されたりします。

また、全型の海苔を

半分に切った大きさを「半切(はんさい)」といいます。

三等分に切った大きさを「3切(さんさい)」といいます。

同様に

「4切(よんさい)」(2×2)

「6切(ろくさい)」(2×3)

「8切(はっさい)」(2×4)

「12切(じゅうにさい)」(2×6)

などがあります。

12切は旅館やホテルの朝食でよく見かける海苔の大きさです。

そして、一袋に12切の海苔が5枚入っていた場合、「12切5枚」と表現します。

 

海苔の日とは?

毎年2月6日は「海苔の日」です。

海苔の日は、昭和41年(1966年)に全国海苔貝類漁業協同組合連合会によって制定されました。

大宝律令によって海苔が税制の対象とされたことから、大宝律令が施行された2月6日を「海苔の日」と定め、全国的な海苔消費促進の日としました。

また、海苔を使った恵方巻を食べる節分の日(2月3日)~海苔の日(2月6日)前後の一週間を「海苔ウィーク」として全国各地で海苔の販売促進のイベントが行なわれています。

 

海苔は英語でなんという?

海苔は、英語で「laver」が一般的のようですが、複数の表現方法があります。

●laver(海苔)

●seaweed laver(海苔)

●dried seaweed(乾燥海苔または板海苔) 

●roasted seaweed(板海苔)

 

また、日本食に詳しい人であれば「海苔」をそのままローマ字読みした「nori」で通じる場合もあるようです。

 

海苔の名産地はどこ?

海苔の名産地は主に4カ所あります。

佐賀県と福岡県に面する有明海

有明海の海苔はとても有名で、全国で作られる海苔の半分以上を作っています。

有明海は近隣の河川から淡水が流れ込んでいるため、他の地域より海水の比重が低く、しっとり柔らかい海苔が作られています。

 

兵庫県、香川県に面する瀬戸内海

有明海の次に生産量が多く、全国の海苔シェア第2位です。

しっかりと固めでパリっとした食感の海苔が作られています。

 

千葉県と神奈川県に面する東京湾

生産量は少ないのですが、古くから海苔の養殖がおこなわれています。

東京湾は海苔の養殖に適した地形をしており、食感はやや固く、香の強い海苔が作られています。

東京都にも面していますが海苔は作っていません。

 

愛知県に面する伊勢湾

伊勢湾は潮流が速く、複数の河川が流れ込むため栄養が豊富で、味が濃くてパリッとした海苔が作られています。

 

海苔の生産量ランキング

生産量ランキングはどうなっているのでしょうか?

 

平成30年(2018年)の板海苔ランキング

1位 佐賀県 1,817百万枚

2位 兵庫県 1,706百万枚

3位 福岡県 1,134百万枚

 

平成30年(2018年)の焼き海苔・味付け海苔ランキング

1位 福岡県 1,197百万枚

2位 佐賀県 676百万枚

3位 愛知県 644百万枚

 

有明海のある佐賀県と福岡県は海苔の生産量がとても多いようですね。

 

 

海苔の歴史はとっても古いのですね。

私たちのご先祖さまたちは「のり」という言葉が生まれるずっと前から、海辺で貝類などと一緒に海苔を採って、食べていたのかもしれません。

海苔を食べることで得られる健康・美容効果もたくさんありますので、日々の食生活に積極的に取り入れていきたいですね!

 

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