「親等」という言葉を聞いたことがありますか?
自分と近すぎる「親等」の人とは結婚できないと法律で決まっているそうですが、何親等までが結婚できないのでしょうか?
今回は、親等の意味や数え方について解説いたします。
わかりやすい親等図も載せていますので、確認してくださいね!
親等とは?
読み方は「しんとう」です。
親等とは、親族関係の中での、自分と相手の関係の度合いを表したものです。
親等の数え方は、自分を「ゼロ」と考え、親や子どもの世代を経るごとに数字が増えていきます。
配偶者は自分と同じ位置づけで「ゼロ」になります。
「0親等」という言葉はありません。
「親族(しんぞく)」とは、血縁関係や婚姻関係で繋がりのある人たちの総称で、民法では「六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族」と定められています。
「血族(けつぞく)」とは、血の繋がりがある人のことです(赤の数字)。
「姻族(いんぞく)」とは、配偶者の血族や自分の血族の配偶者のことです(青の数字)。
たとえば
親、兄弟姉妹、祖父母、いとこなどは、血族です。
兄弟姉妹の配偶者、配偶者の父母、配偶者の兄弟姉妹などは、姻族です。
親等の数え方
親等は以下のように数えます。
わかりやすいように血族の親等図でご紹介します。
一親等は、自分の親や子ども
●自分 → 親
●自分 → 子
親や子どもの世代を一度経ているので一親等です。
二親等は、自分の兄弟姉妹や祖父母、孫など
●自分 → 父母 → 兄弟姉妹
●自分 → 父母 → 祖父母
●自分 → 子 → 孫
親や子どもの世代を二度経ているので二親等です。
三親等は、曾祖父母(そうそふぼ)、おじおば、甥姪(おいめい)、ひ孫など
●自分 → 父母 → 祖父母 → 曾祖父母
●自分 → 父母 → 祖父母 → おじおぼ
●自分 → 父母 → 兄弟姉妹 → 甥姪
●自分 → 子 → 孫 → ひ孫
親や子どもの世代を三度経ているので三親等です。
四親等は、高祖父母、いとこ、玄孫(やしゃご)など
●自分 → 父母 → 祖父母 → 曾祖父母 → 高祖父母
●自分 → 父母 → 祖父母 → おじおば→ いとこ
●自分 → 子 → 孫 → ひ孫 → 玄孫
親や子どもの世代を四度経ているので四親等です。
この後、離れるごとに数字が増えていきます。
結婚できないのは何親等まで?
民法734条では「直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。」と定められています。
「直系血族(ちょっけいけつぞく)」とは、両親、祖父母、子、孫など、自分から縦につながりがある人のことです。
「傍系血族(ぼうけいけつぞく)」とは、兄弟姉妹、いとこ、叔父叔母などの、自分から横につながりがある人のことです。
結婚できない理由は以下のように2つあります。
①優生学的配慮
血縁関係が近い者同士の結婚は、血が濃くなりすぎて遺伝子疾患が出やすくなります。
優生学とは、人類にとって良い遺伝子と悪い遺伝子を分類する思想のことです。
②社会倫理的配慮
母親と息子が結婚したり、姉と弟が結婚したり、祖父と孫が結婚したりということは、倫理的に問題があります。
「直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。」という意味は、以下のとおりです。
●直系血族である両親、祖父母、子、孫などとは結婚できない。
●傍系血族である兄弟姉妹(二親等)、叔父叔母(三親等)などとは結婚できない。
つまり、直系血族はどれだけ離れていても結婚できず、傍系血族で結婚できないのは三親等までで、四親等のいとことは結婚できます。
いかがでしたか?親等の数え方は少々ややこしいですね。
直系血族や傍系血族の三親等までなので婚姻届けを提出しても受理されず、もしも誤って受理されたとしても、後で取り消されるそうです。
どれほど愛し合っていても、法律上の結婚はできないのですね。
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