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「うだつが上がらない」の「うだつ」の意味と語源とは?

      2019/09/21


 

「あなたはうだつが上がらないわね」

「いつまで経ってもうだつが上がらない人だ」

このように「うだつが上がらない」という言葉を使うことがあると思いますが「うだつ」とは一体なんなのでしょうか?

今回は「うだつが上がらない」の「うだつ」について調べてみました。

 


「うだつが上がらない」の意味とは?

「うだつが上がらない」には、出世しない、地位が上がらない、境遇に恵まれない、金銭に恵まれない、生活が良くならない、身分がぱっとしない、などの意味があります。

 

「うだつ」の意味と語源とは?

うだつは平安時代(794年~1185年)には「宇太知(うだち)」「宇立(うだち)」と呼ばれていたものが、室町時代(1336年~1573年)以降に「梲(うだつ)」に変化したようです。

 

「うだつ」とは建築用語でもともとは屋根の梁(はり・荷重を支える木材)の上に立てて棟木(むなぎ・屋根の一番高いところにある木材)を支える短い柱のことをいいました。


 

その後、家と家が接する部分の壁を持ち上げ、小さな屋根を乗せたものを「本うだつ」と呼ぶようになりました。

 


 

昔は家同士がくっつくように建てられていたため、火災が起こると次々と燃え移ってので、それを防ぐために本うだつの下端が二階屋根の軒下部分にまで張り出し、防火壁になったものを「袖(そで)壁」といいます。

 


 

そして、袖壁が独立して装飾が施されたものを「袖うだつ」と呼ぶようになりました。

江戸時代(1603年~1868年)中期ごろになると、うだつは装飾を目的として取り付けられるようになり、自分の財力を示すために、商家を中心に立派なうだつが取り付けられました。

 


 

うだつは次第に「卯建(うだつ)」という漢字が当てられるようになりました。

それは「隣家との境に『卯』の字型をした防火壁をつけた」ことや、「卯(うさぎ)の耳のような形の防火壁をつけた」ことが語源になっているようです。

 

うだつを取り付けることを「うだつを上げる」といいます。

うだつを上げるにはそれなりに財力が必要なので、うだつがある家は裕福だということになります。

このことから、「金銭に恵まれない」ことや「生活が良くならない」などを「うだつが上がらない」と表現するようになりました。

 

また、「梲(うだつ)」が屋根の上の棟木を支え、それが押さえつけられているように見えることから、上司に押さえつけられて出世しないことのたとえとして「うだつが上がらない」と言われるようになったという説があります。

 


「うだつの上がる町並み」とは?

昔ながらの家屋が減っているため、現在、うだつはほとんど見られなくなりましたが、うだつが残る町並みを保存し、観光地にしている地域があります。

防火壁としての「うだつ」だけではなく、豪華さや裕福さを競うために作られた「うだつ」や、珍しい造りの「うだつ」なども見ることができます。

「ここに行けばうだつが上がるかもしれない!」という気持ちで訪れる人もいらっしゃるようですよ。

 

 

●岐阜県美濃市「うだつの上がる町並み」

外部リンク:美濃市観光協会「うだつの上がる町並み」

鬼瓦を持たない珍しい「うだつ」や、明治時代になって作られた豪華な「うだつ」を見ることができます。

江戸時代につくられた歴史的景観が保存されており、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

 

 

●徳島県美馬市「うだつの町並み」

外部リンク:美馬市「うだつの町並み」

漆喰塗りの「うだつ」が多く見られ、江戸時代中期~昭和初期の建造物が立ち並び、当時の景観がそのまま残されています。

重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

 

 

●徳島県つるぎ町「二層うだつの町並み」

外部リンク:徳島県つるぎ町/二層うだつの町並みを活かした地域活性化について

全国的に珍しい、二層(二段)の「うだつ」が何軒も続いています。

 

美濃市の「うだつの上がる町並み」


うだつが残る町並みは美しいですし、歴史を感じることができますね。

ここでご紹介したのは、観光地として「うだつ」の保存に力を入れている地域ですが、昔ながらの日本家屋はほかの地域にもあります。

日本家屋を見つけたら「うだつ」があるかどうか、探してみるのも良いですね。

 

 



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