「胴上げ」の意味とは?海外が起源?日本発祥ではないの?

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胴上げ

みなさんは、「胴上げ」をされたことがありますか?

プロ野球で優勝した時に監督が胴上げされるシーンや、大学受験の合格発表で、合格した人を在校生たちが胴上げをするシーンは、テレビなどで見ますよね。

では、胴上げの意味や起源をご存知ですか?日本が起源ではないのでしょうか?

「胴上げ」についてわかりやすく解説します。

 

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目次

「胴上げ」とは?

読み方は「どうあげ」です。

 

胴上げとは、偉業を達成した人や、祝福すべきことがあった人を祝うため、その人を複数の人が集まって数度空中に放り投げる動作のことをいいます。

 

日本のプロ野球だと長いペナントレースを戦いリーグ優勝した時や、日本シリーズで戦い日本一になった時などは「偉業」といえますよね。

その偉業を称えチームの監督が胴上げされ、監督に続いて活躍した選手が胴上げされることがあります。

 

また、結婚式では、新郎新婦を「祝福」して参列者たちから胴上げをされることがありますし、大学受験の合格発表では、合格した人を「祝福」するために胴上げが行われます。

 

「胴上げ」の本来の意味

現在の胴上げはおめでたい時に行いますが、もともとは別の意味で行われていたようです。

 

日本では古来より、稲のモミなどの実を選別する時に、モミをザルなどに入れて上下に振り空中に上げ、中身があまり詰まっていない悪い実を選別していました。

このことから、日本人は「空中に物を上げると悪いものが取り除かれる」と考えるようになり、胴上げも、悪いものを取り払うために行われていたという説があります。

 

ザルとモミ

 

悪いものを取り払うための胴上げが、なぜおめでたい時に行われるようになったのか定かではありませんが、興奮状態の人を通常の状態に戻すためという説があります。

昔は、興奮状態の人は悪霊に取りつかれているとか、異常な状態であると考えられていました。

おめでたいことや嬉しいことがあり興奮している人は、悪霊に取りつかれていると考えられ、空中へ放り投げて悪霊を取り除き、通常の状態に戻していたのが、いつの間にか「おめでたい時に胴上げをする」となったのではないかと考えられています。

 

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実は危険な胴上げ

さて、偉業を讃えたり、祝福するために行われるはずの胴上げですが、過去には事故も起きています。

胴上げは、一人を複数の人が集まって空中へ放り投げますので、投げ方が悪くてバランスを崩したり、落下してきた人を上手に受け止められなかったりすると、放り投げられた人は床に落下してしまいます。

その際、打ちどころが悪く、ひどい場合には寝たきりになるほどの怪我をしたり、死亡事故に繋がってしまった例もあるそうです。

結婚式の場合、放り投げる人も投げられる人もそれなりにお酒を飲んでいることが多く、酔っぱらってふらふらしている状態で胴上げをするととても危ないですし、酔っている人の悪ふざけでわざと受け止めずに落下させることもあり、結婚式場が胴上げを禁止していることもあるそうです。

胴上げ禁止

海外が起源?日本発祥ではないの?

胴上げの起源がどこなのか、定かではありません。

海外では、スウェーデンやハンガリー、チェコ、ロシアなど、ヨーロッパ東部で胴上げが行われてきており、インドのホーリー祭(ヒンドゥー教の春祭り)でも胴上げに近いことが行われています。

 

日本国内でも、記録として残っているものだけではなく、言い伝えとして残っているものもあり、発祥については以下のように諸説あります。

長野県の善光寺が発祥という説

善光寺では、「堂童子(どうどうじ)」という年越し行事があり、その行事の仕切り役を胴上げする習慣があります。

堂童子の行事は江戸時代(1603年~1868年)初期に記録があることから、少なくともこの頃には胴上げが行われていたと考えられています。

 

新潟県糸魚川市が発祥という説

新潟県糸魚川市には、「裸胴上げまつり」という行事があります。

江戸時代初期から伝わる行事で、毎年1月17日に藤崎観音堂で行われています。

ふんどし姿の男性たちが、参拝者の中から厄年の男性を見つけ出して胴上げをし、厄除けをします。

 

外部リンク:裸胴上げまつり

 

新潟県南魚沼市が発祥という説

新潟県南魚沼市には、「婿の胴上げ」という行事があります。

毎年1月6日に八坂神社で行われ、前年に結婚した新郎が神社の拝殿で胴上げされます。

戦国時代の武将、長尾政景(ながおまさかげ・1526年~1564年)がほかの地域からこの土地へ来てくれた婿養子を祝い励まし、城下を繁栄させようと胴上げをしたのが始まりといわれています。

 

外部リンク:婿の胴上げ

 

このように、日本から海外へ広まったのか、その国ごとに独自に胴上げが行われたのかなど、詳しいことはわかっておらず、どこの国が発祥なのかは不明です。

 

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スポーツでの胴上げ

日本のプロ野球では、昭和25年(1950年)にリーグ優勝した松竹ロビンスが初めて胴上げをし、これをきっかけにほかのスポーツでも胴上げが広まったといわれています。

アメリカのメジャーリーグでは胴上げをする習慣はありません。

 

海外では、イギリスのオックスフォード大学とケンブリッジ大学のボートの対抗戦で、勝者の胴上げが古くから行われていたといわれています。

 

また、1927年には大西洋横断飛行に挑戦したアメリカ人女性アメリア・イアハートを、フランス、パリの人々が胴上げをしたという記録があるそうです。

アメリア・イアハート

アメリア・イアハート

スペインやフランスなど海外サッカーでは胴上げをする習慣がある国もあります。

海外サッカーで胴上げが行われるようになったのは21世紀に入ってからで、日本人選手が関係しているのだとか。

日本人選手がスペインのサッカーチームへ移籍した際、海外の選手が「日本人はどうやって喜びを表現するのか?」と尋ねたところ「胴上げをするんだよ」と答え、そのチームでは胴上げが行われるようになり、他のチームにも広まったのだそうです。

 

ちなみに英語で「胴上げ」を以下のように表現します。

 

●toss a person

●toss somebody into air

胴上げされる女性胴上げの起源は、はっきりしていないのですね。

胴上げは、嬉しい時や誰かを称えたいときにするものなので、記録に残っていないだけでずっと昔から行われていたのかもしれません。

もしも今後みなさんが胴上げをしたり、されたりすることがあったなら、悪ふざけなどせず、安全に配慮して、楽しく胴上げしてくださいね!

 

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