新年度になり、新しい環境に少しずつ慣れてきたころゴールデンウィークが訪れます。
ゴールデンウィークが明けると「五月病」という言葉を見聞きする機会が増えます。
「五月病」とはどのような病気なのでしょう?
今回は、五月病についてわかりやすく解説します。
五月病の読み方
五月病の読み方は「ごがつびょう」です。
「さつきびょう」とは読みません。
五月病の意味
医学的に「五月病」という病名は、実は存在しません。
では、五月病とはどんなものなのでしょう?
4月に就職や転勤、異動、進学などで新しい環境での生活がスタートしますが、最初はやる気があり、新しい環境に適応しようと頑張ります。
しかし、人によってはその環境にうまく適応できず、5月になるとなんとなく気持ちが落ち込み、「会社・学校へ行きたくない」と思ったり、心身に不調が出てきたりします。
多くの人がゴールデンウィーク明けの5月にこの症状を訴えるため「五月病」と呼ばれるようになりました。
五月病は正式名称があるわけではなく、病院へ行くと「適応障害」と診断されるようです。
五月病の症状は?
体の不調として、
●めまい
●吐き気
●胃痛
●動悸
●体がだるい
●食欲がない
●不眠
●眠気
●肩こり
●頭痛
などの症状が現れます。
心の不調としては
●なんとなく気分が落ち込む
●やる気が起きない
●焦りや不安感がある
●集中力が低下する
●イライラする
●思考力が低下する
などの症状が現れます。
症状がうつ病と似ているので、病院へ行かずに「自分はうつ病かもしれない」と悩んでますます塞ぎ込んでしまったり、周囲に心配をかけることもあります。
五月病の原因は?
五月病の大きな原因はストレスです。
たとえば・・・
●新しい環境に馴染めない
●人間関係がうまくいかない
●イメージしていた新生活とのギャップ
●生活環境が大きく変わった(一人暮らしや単身赴任を始めたなど)
●入試や就職活動などの大きな目標を達成し、次の目標がみつからない など
五月病になりやすい人の特徴は?
どのような人でも五月病になる可能性はありますが、特に気をつけた方がいいのは特に次のような人です。
●真面目で責任感がある人
●おとなしく内向的な人
●几帳面で完璧主義な人
●期待に応えようと頑張りすぎる人
●我慢強い人
●気配りや気遣いができる人
●感情を表に出さない人 など
五月病の治し方
五月病の症状が現れたと感じたら、すぐに気分転換・リラックスすることが大事です。
体を動かすことはストレス解消になりますので、軽くスポーツをしたり、近所を散歩するといいでしょう。
友達とおしゃべりをしながら好きな食べ物を食べたり、遊ぶのも気分転換になりますね。
また、 生活習慣が乱れると、ストレスをより感じやすくなってしまいます。
普段から食事や睡眠を十分にとるようにし、休みの日は、きちんと休息をとるようにして五月病の予防をしましょう。
学校や職場のことを休みの日も考え続けると、それがストレスになってしまいます。
オン・オフの切り替えをして、休む時はしっかり休むようにしてするといいですね。
五月病の多くは一過性のものです。
うつ病などの精神疾患とは違い、一ヵ月~三ヵ月ほどで自然と環境に慣れ、症状が良くなるといわれていますので、深く考えすぎないように過ごしましょう。
どうしても症状が重くて辛い時や、症状が長引くときは、我慢せずに病院へ行きましょうね。
六月病や七月病もあるの?
春に新卒として会社に入って、新入社員研修や配属が終わるのがだいたい6月頃です。
この頃にやる気や元気がなくなったり、仕事への意欲をなくしたり、心や体の不調を感じることを「六月病」といいます。
医学的に「六月病」という病名はありませんが、五月病と同じように社会的に認知されています。
「七月病」は、令和2年(2020年)に話題になりました。
本来なら4月、5月に新入社員研修などが行われるはずが、令和2年は新型コロナウイルスの影響で新入社員が出勤できないまま時間だけが過ぎたり、新入社員研修が6月にずれたり、そもそも行われなかったり、新入社員にとって社会人生活が不安なままスタートしました。
それらの不安から「七月病」を発症する人が増えたといわれています。
「六月病」と「七月病」の症状や原因は「五月病」と同じです。
人によっては8月に同じような症状になることもあり、その場合は「八月病」といいます。
夏休み明け(9月ごろ)に症状が現れる場合は「九月病」と呼ばれるなど長期休暇の後に症状が現れることもあります。
五月病を英語にすると?
「五月病」は日本だけだといわれています。
そのため、五月病を意味する英語はありません。
日本は4月に新年度が始まり、新入生や新入社員が心身の不調を訴えるのが5月に集中しているため「五月病」といわれています。
しかし、日本と同じように4月に新年度が始まるインドなどでは「五月病」というものはないようです。
また、欧米など8月末から9月に新年度が始まる国には「五月病」はありませんが、同じようなものが9月ごろにあります。
欧米では夏休み明けの9月に日本の「五月病」と同じような症状の人が増えるので、「September blues」というそうです。
「september」は9月
「blue(青)」とは憂鬱な精神状態のことを意味します。
また、欧米では、冬休み明けの1月に「January blues」と呼ばれるものもあります。
「January」は1月のことです。
欧米人の多くは家族や友人たちとクリスマスや新年を過ごすので、日常生活に戻る1月に憂鬱になることが多いそうです。
また、クリスマスシーズンに使ったクレジットカードの引き落としが1月なので、気持ちが落ち込む人が多いそうですよ。
こちらは「五月病」のように新しい環境に影響されるものではないようですが・・・
また、タイやフィリピンのようにストレスを貯め込まない、おおらかな国民性の国の場合も「五月病」というものはありません。
また、経済状況が悪い発展途上国などでは、生きることや働くことに精一杯で、五月病のような症状が出ない・出ても気にしていられない国もあります。
世界広しといえど、五月病は日本独特のものなのですね。
五月病がどういうものなのかわかりましたね。
新入生や新入社員だけでなく、誰でもかかる可能性のあるものなので、少しでも症状が現れたら、気分転換・リラックスをして症状が重くならないようにしたいですね。
ストレスを抱えやすい現代社会ですので、適度に気分転換・リラックスをし、ストレスと上手に付き合っていきましょう!
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