日本人の多くは、仏教徒です。
仏教の三大行事に「花祭り」という行事があるのですが、意外と知られていません。
そこで今回は、花祭り由来や意味、お釈迦様の像に甘茶をかける理由についてわかりやすく解説します。
「花祭り」2025年はいつ?
「花祭り」は毎年4月8日に行われます。
2025年は4月8日(火)です。
花祭りの意味や由来とは?
「花祭り(はなまつり)」は、仏教の開祖であるお釈迦さまの誕生日をお祝いをする行事です。
別名、「灌仏会(かんぶつえ)」といいます。
ほかに
「降誕会(ごうたんえ)」
「仏生会(ぶっしょうえ)」
「龍華会(りゅうげえ)」
「花会式(はなえしき)」
「浴仏会(よくぶつえ)」
ともいいます。
花祭りは、日本には7世紀ごろに中国から伝わりました。
お釈迦さまは、紀元前7世紀~紀元前5世紀ごろに、インド北部にあるルンビニ園で生まれました。
生まれてすぐに立ち上がり7歩歩き、右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言葉を発したという伝説があります。
この言葉の意味は「天上天下に唯一人私だけが尊い」と解釈されることもありますが、本当は「世界にいる人々は誰にも変わることのできない人間として生まれており、一人一人が尊い存在である」ということを意味しているといわれています。
お釈迦さまは王子という立場に生まれましたが29歳のとき出家し、35歳で悟りを開き仏教の開祖となられました。
お釈迦さまが生まれたルンビニ園はたくさんの花に囲まれた場所だったそうで、 誕生日の4月8日にはたくさんのお花を供えるようになったことから「花祭り」と呼ばれるようになったといわれています。
白い象の由来とは?
花祭りには白い象が登場しますが、これはお釈迦様の生母である 摩耶夫人(まやふじん・マーヤー)が六本の牙を持つ白い象が体内に入る夢を見て、お釈迦様を身ごもったことが由来となっています。
お釈迦様の像に甘茶をかける理由とは?
花祭りでは、お釈迦様の像に甘茶をかけます。
これは、 お釈迦さまが生まれたときに、天に9頭の龍が現れ、甘い水(香湯 ソーマ・アムリタ)を吐き、その水をお釈迦さまの産湯(うぶゆ・生まれて初めて浸かるお湯)に使ったという伝説が由来になっています。
江戸時代(1603年~1868年)までは5種類の香水(五色水)をかけていたそうですが、江戸時代以降は甘茶をかけるようになりました。
花祭りは赤ちゃんの健康を願うお祭りでもあり、甘茶で赤ちゃんの頭をこすると元気で丈夫な子供に育つといわれています。
※甘茶とは?
甘茶は、アジサイ科のヤマアジサイの変種「小甘茶(こあまちゃ)」の葉から作られます。
そのままでは苦いだけの葉っぱですが、手間暇をかけ発酵させることで砂糖の数百倍もの甘味のある甘茶に変化します。花祭りは、お釈迦様の誕生を祝う日ということがわかりましたね!
イエス・キリストの誕生を祝うクリスマスは日本中で盛り上がりますが、花祭りはその存在すら知らなかった・・・という人も少なくありません。
花祭りにあわせてさまざまなイベントを行うお寺もあるようですので、今まで花祭りをご存知なかった方も、これを機会に行ってみてはいかがでしょうか?
また、仏教の三大行事はほかに
「成道会(お釈迦様が悟りを開いた日)」
「涅槃会(お釈迦様がおなくなりになられた日)」
があります。
関連:【2025年】「成道会」の意味とは?いつ行われるの?食べ物は何?
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