新しい命が誕生するとき、女の子でも男の子でも無事に生まれてきてくれればそれだけで良い!と思う人は多いですよね。
どちらが産まれてくるのか選ぶことは難しいですが、理想を持つのは自由です。
そのような理想を表す言葉に「一姫二太郎」というものがありますが、意味を間違えて覚えている人も多いようです。
また、「一姫二太郎」のあとに続きはあるのでしょうか?
今回は「一姫二太郎」という言葉の本当の意味と続きについてご紹介します。
「一姫二太郎」の本当の意味とは?
「一姫二太郎」というと、
「子どもを持つなら女の子を一人、男の子を二人の三人きょうだいが良い」
と思っている人がいるようですが、それは間違いです。
女の子は男の子よりも夜泣きなどが少なく、病気にもなりにくいのが一般的で、女の子の方が母親の家事や育児を幼いころから手伝ってくれるので、
「一番目に女の子を産んで、二番目に男の子を産むと、子育てがしやすいので良い」
「子供をもつなら、最初は育てやすい女の子、次に男の子が理想だ」
という意味です。
また、現代は跡取り問題など気にしない風潮になっていますが、昔は家を継ぐために男の子を出産しなければならないプレッシャーがありました。
そのようなプレッシャーの中で、一番目の子どもとして女の子が生まれてしまった場合の慰めの言葉として「一姫二太郎」が使われることもあったそうです。
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「一姫二太郎」の続きは何?三茄子、三太夫、三かぼちゃ?
「一姫二太郎」は「一番目に女の子、二番目に男の子」ですが、三番目はあるのでしょうか?
「一姫二太郎三茄子(なすび)」
「一姫二太郎三かぼちゃ」
「一姫二太郎三太夫(さんだゆう)」
という言葉があるようですが、実際はいずれも辞書などには載っておらず、「一姫二太郎」に続く言葉はありません。
「一姫二太郎三茄子」は、「一姫二太郎」と「一富士二鷹三茄子」を掛け合わせた言葉遊びであるとか、ただ単に混同して誤用されているだけだとも言われています。
「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」とは、新年に見る「初夢」で一番目に良い夢は富士山、二番目に良い夢は鷹、三番目に良い夢は茄子という意味です。
他にも、「三茄子」と「三かぼちゃ」の場合、「一番目は育てやすい女の子、二番目は跡取りの男の子で、三番目は茄子でもかぼちゃでもなんでも良い」ともいわれています。
しかし、いずれも辞書には載っておらず、こちらも言葉遊びから生まれた言葉だと考えられています。
また、「一姫二太郎三かぼちゃ」は松竹新喜劇のお芝居のタイトルです。
そのため「一姫二太郎」という言葉の続きは「三かぼちゃ」だと思っている人もいるかもしれません。
こちらも、あくまでお芝居のタイトルであり、辞書などには載っていません。
また、「三太夫」ついては、貴族や大名など裕福な家で家事や会計を任されていた男性(執事)のことですが、「一姫二太郎三太夫」だからといって「三番目は執事になれるよう育てよう」などということは一切ありません。
「三茄子」や「三かぼちゃ」と同じく、辞書には載っていませんし、言葉遊びから生まれたと考えて良いでしょう。
一姫二太郎の本当の意味がわかりましたね。
一番目に女の子、二番目に男の子を出産するのが理想と考える人は少なくありませんが、実際は男の子のほうがお手伝いをしてくれる場合もありますし、女の子のほうが病弱な場合もあります。
子どもはひとりひとり性質や個性が異なりますから、女の子でも男の子でも、一人っ子でもきょうだいが何人でも、楽しく幸せな時間を多く過ごせることが大事なのかもしれません。
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