何かを決めるときに「じゃんけん」をしたことが一度はありますよね。
特別な道具を準備する必要はなく、短時間で決着し、勝敗も明らかなので誰もがわかりやすいですよね。
子供から大人まで、普段なにげなくじゃんけんをしていますが、いつ頃からあるのでしょう?
じゃんけんの世界大会もあるそうなのですが・・・?
今回はじゃんけんの意味と起源、じゃんけん必勝法などについてご紹介します。
じゃんけん意味とは?
じゃんけんは、みんなで一緒に手を出し、そのときの指の形で勝敗を決める遊びで、指の形は3種類です。
グー | 石を表している。ハサミの刃が立たないのでチョキには勝てるが、紙に包まれてしまうのでパーには負ける。 |
チョキ | ハサミを表している。紙を切ることができるのでパーには勝てるが、石には刃が立たないのでグーには負ける。 |
パー | 紙を表している。石を包むことができるのでグーには勝てるが、ハサミで切られてしまうのでチョキには負ける。 |
じゃんけんは地域によっては「いんじゃん」「じゃいけん」などと呼ばれることもあります。
また、一緒に手を出すときの掛け声は「じゃんけんぽん」が一般的ですが、「じゃんけんしっ」や「いんじゃんほい」など地域によってさまざまです。
「じゃんけん」と呼ばれるようになった語源は諸説あります。
両拳が語源
ふたりで遊ぶので「両拳(りゃんけん)」と呼ばれていたものが訛ったという説。
石拳が語源
江戸時代中期から後期にかけて流行した、手の形を石、ハサミ、紙に変えて行う手遊び(じゃんけんと同じ)だった「石拳(じゃくけん)」が訛ったという説。
蛇拳が語源
江戸時代後期に流行した「蛇拳(じゃけん)」が訛って「じゃんけん」なったという説。
じゃんけんの起源とは?
グー、チョキ、パーのように、三つの者が、互いに得意な相手と苦手な相手を一つずつ持つことで三者が牽制しあい、身動きが取れなくなるような状態のことを「三すくみ(三竦)」といいます。
「三すくみ」は中国の周(紀元前1046年頃~紀元前256年)の時代の書物「関尹子(かんいんし)」の「三極」にでてくる「螂蛆食蛇、蛇食蛙、蛙食螂蛆、互相食也」という故事に由来します。
「蛇はムカデを恐れ、カエルは蛇を恐れ、ムカデはカエルを恐れる」という意味になります。
三すくみを作り出す遊びを「三すくみ拳」といいます。
日本だけではなく東アジアや東南アジアの地域でも多く見られ、中国から広まったと考えられています。
日本のじゃんけんの起源
日本のじゃんけんの起源は定かではありません。
中国から日本に伝わったという説もありますが、少なくとも平安時代ごろには「虫拳(むしけん)」と呼ばれる三すくみ拳あり、江戸時代には「蛇拳(じゃけん)」や「狐拳(きつねけん)」という三すくみ拳が流行しました。
そして、三すくみ拳に「数拳(すうけん)」という手遊びが混じり、「じゃんけん」が生まれたと考えられています。
虫拳(三すくみ拳)とは?
虫拳は、人差し指が蛇、親指がカエル、小指がなめくじを表しています。
「蛇はカエルを食べるので人差し指は親指より強い」
「カエルはなめくじを食べるので親指は小指より強い」
「なめくじは蛇を溶かすので小指は人差し指より強い」
という三すくみになります。
「なめくじは蛇を溶かす」というのは意味がわかりませんが、昔そのような迷信があったようです。
この後、いろいろな「三すくみ拳」が作られました。
江戸時代後期には、「蛇拳(じゃけん)」が流行します。
蛇拳は虫拳と同じ「蛇」「カエル」「なめくじ」なのですが、虫拳が子どもの遊びだったのに対し、蛇拳は大人の遊びとして広まったようです。
蛇拳は、「自来也(じらいや・児雷也)」という架空の忍者の話が元になっています。
妖術を使う忍者として、本、歌舞伎、浄瑠璃・講談などの題材として大流行しました。
自来也は妖術でガマ(ヒキガエルのこと)に変身し、自来也の妻はなめくじに変身し、宿敵は蛇に変身し、三すくみの状態となります。
この物語から、「蛇」「カエル」「なめくじ」の「蛇拳」という遊びが大人たちの間で流行ったのです。
幕末になると「狐拳(きつねけん)」が流行しました。
「狐、庄屋、漁師」 または 「狐、漁師、鉄砲」といった三すくみ拳です。
数拳とは?
一方、「三すくみ拳」とは別に、江戸時代中期頃に「みんなが出した親指の合計数を言い当てた人が勝ち」というルールの「数拳(すうけん)」が中国から伝わりました。
「数拳」は日本各地で「長崎拳(ながさきけん)」や「商人拳(しょうにんけん)」などいろいろな名前で呼ばれるようになりました。
現在も熊本県人吉市周辺では「球磨拳(くまけん)」と呼ばれ遊ばれています。
数拳は片手で0から5までの形を作って勝敗を決めるもので、以下のようなルールです。
全ての指を握る=0
親指だけを開く=1
親指・人差し指を開く=2
中指・薬指・小指を開く=3
人差し指・中指・薬指・小指を開く=4
全ての指を開く=5
同時に出して数字が一つ多いほうが勝ち、それ以外は「あいこ・無勝負」となります。
ただし、5よりひとつ多い数字は0になります。
その後、このうちの1、3、4が省かれ、見た目がわかりやすい0、2、5が残りました。
そして新しく、0=石、2=ハサミ、5=紙の意味を持たせた「三すくみ拳」になり、虫拳や蛇拳の要素と混ざり合い現在のようなじゃんけんが考案されたといわれています。
なぜ2(ハサミ)の指の形が現在と違うのかは不明です。
また、「石、ハサミ、紙」の意味を持たせたのかも不明ですが、遊びの中で自然と生まれた発想だと考えられています。
グーチョキパーは日本が起源?
石、ハサミ、紙のじゃんけんは日本が起源とされています。
また、いつから「グー、チョキ、パー」というようになったのかは不明ですが、語源には以下のような説があります。
「グー=ぐっと拳を握るから」
「チョキ=ハサミでちょきんと切るから」
「パー=ぱっと手を広げるから」
「じゃんけんぽん」の「ぽん」の由来
「じゃんけんぽん」の「ぽん」の語源は諸説あります。
●勢いを表したり、急に現れるときの擬態語の「ぽん」が語源と言う説
●昔からある一般的な掛け声の「ホイ」が変化したという説
●麻雀の「ポン(相手が捨てた牌をもらって同じ牌の3枚組を作ること)」が語源という説
最初はグーの由来
じゃんけんをするとき「最初はグー」と言ってタイミングを合わせることがありますが、これは志村けんさんが考案したといわれており、大人気番組「8時だヨ!全員集合」で披露して日本中に広まりました。
志村さんが、飲み会の席で大勢の人がじゃんけんをする時、なかなかタイミングが合わなかったので、「最初はグーだよ」と言い、「最初はグー、じゃんけんぽん!」としたところ、みんなのタイミングが揃ったそうです。
志村さんは「自分が考案したのではない」とテレビ番組でおっしゃっていたようで、小学生が「最初はグー」と言っていたのを聞いた志村さんが真似をしたという説や、江戸時代の芸者遊びの場で行われていたというのを志村さんがどこかで知り、仲間内で使い始めたという説があります。
じゃんけんが海外で人気に!?
じゃんけんは日本で考案され、近年になって日本のサブカルチャー(漫画やアニメ、コンピュータゲームなど)とともに海外へ広がりました。
じゃんけんを英語でいう場合、一般的には
「Rock-paper-scissors」
「the game of scissors-paper-rock」
のふたつがあります。
ルールは日本で行われるじゃんけんと同じで、
Rockは石の意味でグーのこと
Paperは紙の意味でパーのこと
Scissorsはハサミの意味でチョキのこと
です。
グーは、「rock」と「stone」どちらでもいいそうですが「rock」のほうが多勢のようです。
日系人の多いハワイでは「Jan-ken-pon」と言っている人も多いそうですよ。
カナダでは、「The World Rock Paper Scissors Society」が結成され、平成14年(2002年)にじゃんけんの第一回世界大会が開催されました。
日本ではじゃんけんだけの大会は見当たりませんが、カナダのトロントでは毎年じゃんけんの世界大会が開催されているそうです。
じゃんけん必勝法!
じゃんけんの世界大会では選手は戦略を練って、勝利を目指しているといわれています。
「じゃんけんは心理戦だ」という人もいますので、運だけではなく相手の心理を読み取り、自分を勝利に導く戦略が必要なのかもしれません。
相手の行動を観察する
相手がこれまでのじゃんけんでどういう手を出していたかを観察し、どの手を出しやすいかを見極めると勝てる可能性が高くなる。
パーを出すと勝てる
突然のじゃんけんで警戒している人、驚いている人はグーを出すことが多いので、最初にパーを出すと勝てる。
「じゃんけんぽん!!!」と大きな声を出すと相手は警戒・驚くので効果的。
子ども相手ならチョキを出すと勝てる
発達が未熟な5歳未満の子どもは、「じゃんけん」と言っている間は手をグーにしていて「ぽん」と言われた瞬間にパーにすることが多い。
グーからパーへの単純動作をしてしまう確率が高い。
同じ手を続けて出す人は少ない
例えばグーであいこになったとき、次に相手はチョキかパーを出す確率が高いので、自分はチョキを出せば負けない。
なにを出すか宣言する
「私はグーを出す!」とじゃんけんの前に宣言してしまうと、相手は「それは嘘で、チョキを出してくるつもりだ」と勘繰ってグーかチョキしか出さない確率が高いので、宣言通りグーを出せば負けることはない。
これを繰り返すことによって相手を動揺させることができる。
どうしたらいいかわからなくなったらパーを出す
相手も自分と同じように戦略を練っていて、なにを出すか全く読めなくなった場合はパーを出すと勝てる可能性が高い。
これは、グーが約35%、パーが約33%、チョキが約30%といわれているため。
じゃんけんはたった3種類の手で勝敗が決まってしまいます。
3種類しかないので、それぞれの確率が33%になりそうなものですが、指の動きの複雑さもあり、とっさの判断でチョキを出す人は30%程度なのだそうです。
必勝法といわれている方法も、どれも100%になるようなものではなく、30%が35%になったりする程度のもののようですよ。
戦略を練ることによって勝てる確率は高くなりますが、じゃんけんには、そのときの運が大きく関係しているのかもしれませんね。
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