北海道といえば、ラーメンやスープカレー、新鮮な魚介類、ジャガイモやとうもろこしなどの野菜、スイーツなど、たくさんの美味しいものが思い浮かびますよね。
そして、北海道グルメのひとつ「ジンギスカン」を忘れてはなりません!
北海道では、お花見やキャンプなどでもジンギスカンを食べるそうですよ。
今回は「ジンギスカン」の名前の由来、ジンギスカン鍋の起源についてわかりやすく解説します。
ジンギスカンとは?
ジンギスカンは漢字で「成吉思汗」と書きます。
羊の肉を用いた焼肉料理で、もやしや玉ねぎ、人参、ピーマンなどの野菜と一緒に専用の鍋で焼きます。
タレに付け込んだ肉や、生のままの肉、冷凍した肉など、お店や家庭によって肉の状態はさまざまです。
「ジンギスカン」の名前の由来とは?
「ジンギスカン」の名前の由来は諸説あります。
チンギス・カンが由来という説
チンギス・カン(1162年~1227年)とは、モンゴル帝国の初代皇帝で、「チンギス・ハーン」や「ジンギス・ハン」ともいいます。
チンギス・カンが遠征中に羊の肉を兵士たちの食事としていたことから、チンギス・カンの名前からジンギスカンという料理名になったという説があります。
「成吉思汗」は、チンギス・カンの名前を漢字にしたものだそうです。
しかし、モンゴル料理にこのような料理はないそうです。
駒井徳三が名付けたという説
東北帝国大学農科大学(現在の北海道大学)出身の駒井徳三(こまいとくぞう・1885年~1961年)が「ジンギスカン」と名付けたという説があります。
駒井徳三は満州(現在の中国)の初代総務庁長官を務めていました。
そのときに身近にあった「鍋羊肉(カオヤンロウ)」という羊肉料理を日本風にアレンジした料理を「ジンギスカン鍋」と名付けたそうです。
ジンギスカンという名前は、
羊=モンゴル
モンゴル=モンゴルの英雄チンギス・カン
という連想から来ているという説があります。
さらに日本の武将である源義経(みなもとのよしつね・1159年~1189年)が、モンゴルに渡ってチンギス・カンになったという伝説にちなみ、名付けられたともいわれています。
兜(かぶと)が由来という説
ジンギスカンに用いる鍋が、チンギス・カンが率いるモンゴル兵たちがかぶっていたモンゴル兜と似ていたことから「ジンギスカン」と名付けられたという説があります。
下の画像のような兜のことかもしれません。
ジンギスカンの歴史とは?
羊の肉が日本で食べられるようになったのは、大正時代(1912年~1926年)になってからです。
満州(現在の中国)へ進出していた日本人が、現地の人々が羊を煮たり焼いたりして食べているのを見たのがきっかけでした。
そして、昭和(1926年~1989年)に入ると、軍服用として羊毛が必要になり、羊の飼育が奨励されたことで、羊の肉を食用にすることとなりました。
全国各地で羊肉料理の講習会が開催されたそうですよ。
北海道に定着したのは、昭和7年(1932年)に、札幌市や滝川市などに種羊場(しゅようじょう・羊の飼育、研究機関)が作られたことで羊の肉が容易に入手できたためです。
そして、昭和11年には札幌にジンギスカン専門店の「横綱」が誕生し、昭和28年には札幌に「成吉思汗倶楽部(現ツキサップじんぎすかんクラブ)」、昭和31年には滝川市に「松尾ジンギスカン」が開店したことで北海道に広まっていったようです。
ジンギスカン発祥は北海道と考えられがちですが、岩手県や長野県、千葉県などにも種羊場が作られ羊の肉が食べられていたため、ジンギスカン発祥の地は複数存在しており、現在もその土地のグルメとして食べられています。
また、ジンギスカン専門店の発祥も実は北海道ではなく、昭和10年に松井初太郎という人が東京で開店した「成吉思荘」という店です。
ジンギスカン鍋の起源とは?
ジンギスカンは、専用の鍋を用います。
鍋がドーム状で、兜のように盛り上がっており、表面には溝が刻まれています。
兜のように盛り上がった中央部分で肉を焼き、鍋の外周部で野菜を焼くことで、羊の肉から出た肉汁が溝に沿って外周部へ流れ落ち、野菜が肉汁によって美味しくなる仕組みになっています。
しかし、専用の鍋ではなく、フライパンやホットプレート、焼き網などで代用しても、羊の肉を焼いた料理は「ジンギスカン」と呼びます。
ジンギスカン鍋は、さきほど紹介した、東京の「成吉思荘」が発祥だと言われ、昭和11年に実用新案登録されたそうです。
いかがでしたでしょうか?
ジンギスカン鍋は不思議なカタチをしていますが、そのおかげで野菜がよりおいしく食べられるようになっているのですね。
羊の肉は、牛や豚などほかの肉に比べるとヘルシーだということで女性に人気があります。
体のことを気にしている人にとって、ヘルシーな羊の肉と、たくさんの野菜を美味しく食べられるのは嬉しいことです!
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