女性宮家とは?女性宮家創設の必要性と「女性天皇・女系天皇」の違いとは?

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天皇家の家紋・菊の御紋

ここ数年、よく「女性宮家」の話題が出ていますよね。

女性宮家だけでなく、「女性天皇」や「女系天皇」という言葉も、よく見聞きするようになりましたが、それぞれどのようなものなのかご存知ですか?

今回は、「女性宮家」の意味や女性宮家創設の必要性、「女性天皇・女系天皇」の違いについてわかりやすく解説します。

 

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目次

宮家(みやけ)とは?

「宮家」とは、天皇から特別に「宮号(みやごう)」を与えられた皇族の一家のことです。

 

現存する宮家は、

●秋篠宮(あきしののみや)家

●常陸宮(ひたちのみや)家

●三笠宮(みかさのみや)家

●高円宮(たかまどのみや)家

の4つの宮家で、皇室典範(こうしつてんぱん・皇室に関する法律)で定められています。

 

宮家は、男系男子(だんけいだんし)が跡継ぎとなるか、男系男子が結婚を機に新たに宮家を創設します。

「男系男子」とは、父親が天皇に繋がる男子のことですので、女性が宮家を創設することはできません。

 

宮家は、跡継ぎがいない場合は断絶となり、女子は結婚を機に皇籍を離れ、皇族ではなく一般国民となります。

 

女性宮家とは?女性宮家創設の必要性とは?

現在、皇室におられる未婚の方は次のとおりです。

 

今上天皇(きんじょうてんのう・現在の天皇陛下)のお子様である「愛子さま」

秋篠宮皇嗣殿下のお子様である「佳子さま・悠仁さま」

三笠宮家の「彬子さま・瑶子さま」

高円宮家の「承子さま」

 

この中で男子は悠仁さまだけで、女子のみなさまはご結婚なされば皇族ではなくなってしいます。

そのため、女性宮家を創設してはどうかという話が出てきているのです。

 

皇族でなくなれば、ご公務を担うことができなくなり、皇族のおひとりおひとりへの負担が大きくなるだけでなく、ご公務そのものを減らさなければならなくなります。

そうならないためにも女性宮家は必要であり、女性宮家を創設して、ご結婚後もご公務を担っていただこうという意見があるのです。

 

皇居

 

しかし、女性宮家を創設した場合、その女性宮家に男子が生まれたら皇位継承権はどうなるのか?という問題点もあります。

昭和22年(1947年)の皇室典範第一条で、「皇位は皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と定められており、女性宮家に男子が生まれても皇位継承権はないということになります。

 

しかし現在、皇位継承権を持つのは、

「今上天皇の弟である秋篠宮皇嗣殿下」

「秋篠宮皇嗣殿下のご長男である悠仁さま」

「上皇陛下の弟である常陸宮さま」

の3人だけとなっており、深刻な問題となっています。

 

そのため、「女性天皇・女系天皇を認めるべきだ」という意見が出ており、女性宮家に生まれたお子様についても考えなければならないのです。

 

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女性天皇と女系天皇との違いとは?

「女性天皇」と「女系天皇」の違いは以下の通りです。

 

●女性天皇

父親をたどると天皇に繋がる女性のことで、「男系女子」ともいいます。

 

●女系天皇

母親をたどると天皇に繋がる方のことで、男性なら「女系男子」、女性なら「女系女子」ともいいます。

 

現時点ではありえないたとえ話ですが、わかりやすく説明します。

 

もしも「女性・女系天皇」が認められたとすると・・・

まず、愛子さまは、お父様は今上天皇ですから「男系女子」であり、天皇になられた場合は「女性天皇」となります。

そして、愛子さまが一般男性とご結婚され、お子様がお生まれになったときに、そのお子様が男子の場合は「女系男子」、女子の場合は「女系女子」になります。

そして将来、いずれのお子様が天皇になられても「女系天皇」となります。

 

つまり、現在「男系女子」である愛子さま、佳子さま、彬子さま、瑶子さま、承子さまが皇位を継承し、もし天皇になられた場合は「女性天皇」となり、そのお子様が天皇になられた場合は、男子でも女子でも「女系天皇」になるということになります。

 

過去の女性天皇・女系天皇

神武天皇

日本の初代天皇は紀元前660年に即位された「神武天皇(じんむてんのう)」で、今上天皇は126代天皇になります。

そんな長い歴史の中で、女性天皇は以下のように8人いらっしゃいました。

※「皇極天皇と斉明天皇」「孝謙天皇と称徳天皇」は同一人物です。

歴代 天皇 在位
33 推古天皇
(すいこてんのう)
592年~628年
35 皇極天皇
(こうぎょくてんのう)
642年~645年
37 斉明天皇
(さいめいてんのう)
655年~661年
41 持統天皇
(じとうてんのう)
686年~697年
43 元明天皇
(げんめいてんのう)
707年~715年
44 元正天皇
(げんしょうてんのう)
715年~724年
46 孝謙天皇
(こうけんてんのう)
749年~758年
48 称徳天皇
(しょうとくてんのう)
764年~770年
109 明正天皇
(めいしょうてんのう)
1689年~1643年
117 後桜町天皇
(ごさくらまちてんのう)
1762年~1770年

女性天皇が即位する場合、次の天皇が即位するまでの間、中継ぎ的に即位することが多く「男系」から選ばれていました。

また、女性天皇のお子様が天皇に即位されたケースもありますが、その時代は「女性皇族は男性皇族としか結婚できない」という決まりがあったため、「女性天皇」のお子様も、父親をたどると天皇に繋がる「男系」でした。

このように、2700年に渡って「男系」が受け継がれており、「女性天皇」は過去に8人いらっしゃいましたが、「女系天皇」はひとりもいなかったということになります。

 

女系天皇・女性天皇の詳細は以下の記事をご覧ください。

関連:女性が天皇になれないのはなぜ?女系と女性の違いとは?過去の歴代女性天皇

持統天皇

「女性宮家」がどういうものかわかりましたか?

皇族の方々へのご公務の負担を考えると、女性宮家を創設すれば問題は解決するのでは?と思ってしまいますが、皇位継承権や女性天皇の問題なども絡んできますので、簡単に答えをだすわけにはいきませんよね。

2700年続く歴史を途絶えさせることは簡単にできますが、復活させることは不可能に近いほど困難なことですから、慎重な議論を重ねてほしいですね。

 

関連:旧宮家とは?復活の話が出ているのはなぜ?

 

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