カレンダーには、日付や曜日だけではなく、いろいろな情報が載っています。
よく見聞きするのは「大安」や「仏滅」などの「六曜」、宝くじを買うときに気にする「一粒万倍日」などは有名ですよね。
では「鬼宿日」はいかがでしょうか?
「鬼」という文字が使われているので、なんとなく怖かったり、良くないイメージを抱いてしまいますが・・・
鬼宿日の意味や、2024年の鬼宿日の過ごし方について解説します。
鬼宿日の意味とは?
読み方は「きしゅくび」または「きしゅくにち」です。
鬼宿日は「二十八宿(にじゅうはっしゅく)」のひとつで「鬼宿」にあたる日のことをいいます。
二十八宿の中では最上の吉日が鬼宿日といわれています。
二十八宿は、天球(てんきゅう・地球を中心として惑星や恒星の位置を表した球体のこと)を西から東に月が地球を一周する間に通過する28個の星座のことです。
中国の周(しゅう・紀元前1046年ごろ~紀元前256年)の時代が起源といわれ、天文学のために用いられていました。
その後中国からインドへ伝わり、インドで吉凶を知るために用いられ、唐(とう・618年~907年)の時代に中国へ逆輸入されました。
そして、日本にも「宿曜経(すくようきょう)」として伝わり、運命や吉凶を占うために用いられました。
鬼宿日には、鬼が宿にいて外を出歩かないので、鬼に邪魔をされず、何事をするにも良い吉日とされています。
※ただし、婚礼関係だけは「凶」です。理由については後ほど説明いたします。
また、お釈迦様が生まれた日が鬼宿日だったため吉日になったという説もあります。
お釈迦様は一般的に旧暦4月8日に生まれたといわれており、日本では新暦にそのまま日付を当てはめて4月8日にお釈迦様の誕生を祝う花祭り(別名:灌仏会(かんぶつえ))が行われています。
しかし、インドでは旧暦4月15日に生まれたことになっています。
関連:「花祭り」とは?2024年はいつ?お釈迦様の像に甘茶をかける理由とは?
2023年の鬼宿日はいつ?
二十八宿は28日で一巡しますので、たとえば鬼宿日が4月15日だった場合は28日後である5月13日にまた巡って来ることになります。
日にちは少しずつズレていきますが、28は7で割ることができるので鬼宿日は必ず金曜日になります。
2024年の鬼宿日は以下のとおりです。
1月5日(金)
2月2日(金)
3月1日(金)
3月29日(金)
4月26日(金)
5月24日(金)
6月21日(金)
7月19日(金)
8月16日(金)
9月13日(金)
10月11日(金)
11月8日(金)
12月6日(金)
【2024年】鬼宿日の過ごし方!宝くじ・入籍・引っ越し・神社の参拝はどうなの?
鬼宿日は、何事をするにも良い吉日とされています。
やると良いことと、やってはいけないことをご紹介します。
鬼宿日にやると良いこととは?
鬼宿日は、婚礼関係以外は最上の吉日といわれており、次のことをすると良いといわれています。
●宝くじを買う
●新しい財布を買う、使い始める
●引っ越しする
●神社やお寺を参拝する
●不動産や車の購入などの契約
●ビジネスの契約
●夢への第一歩を踏み出す
鬼宿日にやってはいけないこととは?
鬼宿日は最上の吉日ですが、結婚や入籍、結納など婚礼関係だけはやってはいけません。
婚礼関係に関しては「凶」です。
なぜかというと、鬼宿日は鬼が宿にいる日だからです。
まず、「宿」を「家」と考えます。
結婚などは、婚家に嫁入りすることなので、「嫁が家に入る」ということになります。
鬼が家(宿)の中にいる鬼宿日に嫁入りしたら、鬼と嫁が鉢合わせしてしまいますよね?
そのため、結婚や入籍、結納など婚礼関係は凶だといわれているのです。
気になる場合は、結婚や入籍、結納、お見合いなど婚姻に繋がることは避けたほうがいいでしょう。
鬼宿日が仏滅や不成就日に重なった場合は?
鬼宿日が、仏滅(ぶつめつ)や不成就日(ふじょうじゅび)に重なった場合は、鬼宿日の効果が半減する、効果が無くなるといわれています。
仏滅とは、
「仏も滅するような大凶の日」といわれています。
何をしても悪い日で、特に婚礼などの祝いごとは避ける習慣があります。
不成就日とは、
「何事も成就しない日」「悪い結果だけを招く日」といわれています。
婚礼関係や引っ越し、契約や願い事などが凶の日で、何かを始めるには適さない日とされています。
2024年の仏滅と不成就日に重ならない鬼宿日は以下の通りです。
3月1日(金)
3月29日(金)
4月26日(金)
5月24日(金)
6月21日(金)
8月16日(金)
9月13日(金)
11月8日(金)
これらの日に、「鬼宿日にやると良いこと」をすると良いですね。
七五三と鬼宿日の意外な関係とは?
七五三は11月15日です。
もともと七五三は11月の吉日を選んで行われていましたが、日付が11月15日に固定されたのは江戸時代(1603年~1868年)の中期頃です。
三代将軍徳川家光が、後の五代将軍綱吉が病弱なことを心配し、無事に成長することを願って、吉日である鬼宿日11月15日を選んで七五三の儀式を行いました。
これが庶民にも広まり、七五三は毎年11月15日に固定され、新暦になっても、そのまま11月15日に引き継がれています。
英語で何ていうの?
英語圏には「鬼」という概念がないので、あえて英語にすると「demon(悪魔)」になります。
鬼宿日を英語にすると「day of the demon」や「Demon day」が一般的です。
また、「恐ろしいもの」「人食い鬼」「極悪人」などの意味のある「ogre」も「鬼」と訳すことができるので「day of the ogre」と言うこともできます。
他に「day of the ghost」という英語にも訳すこともあるようです。
「day of the ghost」を直訳すると「幽霊の日」で、「ghost」は「幽霊」や「怨霊」という意味があります。
英語圏には鬼の概念がないので、幽霊や怨霊など「目に見えない恐ろしいもの」ということで「ghost」と訳すようです。
これだけで鬼宿日を英語圏の人に伝えるのは難しいかもしれないので、
「an extremely auspicious day on the lunar calendar for everything but weddings」
という説明を付け加えると良いでしょう。
和訳すると「旧暦では結婚式以外では極めて縁起の良い日」という意味です。
鬼宿日も、六曜と一緒で、科学的根拠はなく迷信といわれています。
気にしない人は全く気にしませんが、そのせいで悪いことが起ることもありません。
二十八宿と六曜だけではなく、その日が良いのか悪いのかを表す言葉はたくさんありますので、あまりこだわりすぎるとなにもできなくなるかもしれません。
より良い日を選ぶためのひとつの考え方・・・と思うといいかもしれませんね。
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