おめでたい色・・・といえば、「紅白」を思い浮かべますよね?
おめでたい席に用いられる「紅白幕」、その席で振舞われる「紅白まんじゅう」や「紅白餅」、大晦日の風物詩であるNHK「紅白歌合戦」などもありますね。
では、「紅白」はなぜ縁起が良い色といわれているのでしょうか?
その理由と由来について解説します。
紅白とは?
読み方は「こうはく」です。
赤色と白色の2色の組み合わせで、伝統的に祝い事で使われる色です。
また、運動会や紅白歌合戦のように、対抗する2組の組み分けに用いたりもします。
紅白は、赤色と白色の2色なのになぜ「赤白」ではないのかというと、
赤は、「赤貧」や「赤裸々」という言葉のように、「何も持たない」「裸」「むき出し」などの悪い意味を持つためです。
そのため、「赤」を避けて「紅」と書くようになったという説があります。
他にも日本に漢字を伝えた中国では「あかい色」を意味する場合に「赤」という漢字ではなく「紅」が常用されているからという説があります。
「あかい色」の種類はとても多く、「赤」と「紅」は厳密には違う色であり、紅色はキク科の紅花の汁で染めた鮮やかな赤色のことを指します。
しかし、「紅白」と使う場合は、特に色を「紅」に指定しているわけではなく、赤色全般を指しています。
「紅白」のルーツは源平合戦(げんぺいがっせん)といわれています。
源平合戦とは、平安時代(794年~1185年)末期の1180年~1185年にかけて起こった大規模な内乱のことで、一般的に源氏と平家の権力争いとされています。
源平合戦では、敵と味方を区別するために源氏が白(白地に赤丸)、平家が赤(赤地に金丸)の旗を用いたといわれています。
運動会の紅白戦や紅白歌合戦のように、対抗する2組を区別するために紅白を使用したのですね。
「紅白」の意味や由来とは?
また、「紅白」の意味や由来には以下のような説があります。
人の一生を表しているという説
赤色=赤ちゃん
白色=死装束(しにしょうぞく)
と考え、人の生き死にを意味することから人生そのものを表しているといわれています。
花嫁衣裳が由来という説
花嫁衣裳である「白無垢(しろむく)」は室町時代ごろから着られるようになりました。
江戸時代末期ごろに「赤ふきの白無垢」が登場したといわれています。
「赤ふきの白無垢」とは、白無垢の裏地を赤くしたものです。
それが紅白の由来となっているという説があります。
白は純潔や純真の象徴で、「結婚前の自分は一度死に、嫁ぎ先で新たに生まれる」という意味が込められています。
赤は情熱や決意の象徴で、「嫁ぎ先で一生懸命にお仕えする」という意味が込められています。
赤飯が由来という説
古来より日本ではおめでたい時に赤飯を炊き、餅をついていたことから、赤飯の「赤」と餅の「白」が「紅白」の由来になった。
紅白はなぜ縁起が良い色なの?その理由と由来とは?
紅白が縁起が良い色となった理由も諸説あります。
日本人は昔から、ハレとケを意識していました。
「ハレ」はお祭りや年中行事などを行う特別な日、非日常という意味があり、「ケ」は普段の生活、日常という意味があります。
例えば、ハレはお正月やお節句、お盆などの年中行事、神社の祭礼、七五三や成人式、冠婚葬祭などの非日常的な行事で、それ以外の日常生活は「ケ」です。
ハレの日の食べ物として、赤飯を炊き、餅を振舞う習慣があり、「赤飯と白い餅」から「紅白はおめでたい」という概念を持つようになったという説があります。
また、室町時代(1336年~1573年)に、中国からの輸入品の箱すべてに赤と白の縄が縛り付けられていました。
これは、中国側が輸出用の品と他を区別するために使用していたのですが、日本側はこの縄を贈答に使用する習慣と誤解し、日本で贈答品に赤と白の紐をかけるようになりました。
それが、水引きの起源となり、「紅白」が縁起が良いものに結びついたという説があります。
紅白といえば、日本の国旗である日の丸も紅白ですよね。
日の丸は赤ではなく「紅(くれない)色」と指定されていますが、日の丸が紅白の配色になったのは、「紅白はめでたい」と昔から考えられていたから・・・という説もあるそうです。
紅白は縁起が良い色というだけではなく、国旗の色でもあるので日本人の私たちにはとても馴染み深い色ですよね。
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