「夜、口笛を吹いてはいけない」
「夜、爪を切ってはいけない」
という言い伝えを、多くの方が聞いたことがあると思いますが、どうしてなのかご存知ですか?
夜に口笛を吹けば「蛇が来るよ!」と言われ、
夜に爪を切れば「親の死に目に会えないよ!」と言われたことがあるのではないでしょうか?
子どものころにそんな恐ろしいことを言われてしまったら、信じてしまいますよね。
ですが、なぜそのように言われるようになったのかは知らないまま・・・という方が多いと思います。
今回は、その理由を解説します。
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夜に口笛を吹いてはいけない理由とは?
夜に口笛を吹くと何かが現れるといわれていますが、地域や家庭によって異なるようです。
多くの場合「蛇が出る」といわれています。
ほかにも、
「泥棒が来る」
「人さらいが来る」
「幽霊やお化けが出る」
「嵐が起こる」など、
あまりうれしくないものが現れます。
蛇が出る

インドの蛇使いは、笛を使って蛇を操ります。
その光景から、
「笛を吹くと蛇が操れる」→「口笛を吹くと蛇が集まってくる」
といわれるようになったようです。
また「蛇」は「じゃ」とも読みます。
そのため、夜に口笛を吹くと「邪(じゃ)」が出ると言われていたそうです。
「邪」は「道を外れる」という意味があり、夜に口笛を吹く子どもは道を外してしまう・良くない道へ進んでしまうと考えられたそうです。
また、口笛が夜に限定されているのは躾(しつけ)の意味合いが強いそうです。
夜に口笛を吹くのは近所迷惑となるため、子どもが怖がるように「蛇が出るよ!」と言うことで、口笛を吹くのをやめさせていたのですね。
泥棒・人さらいが来る

昔、泥棒や人さらいが悪事を働くときの合図が、口笛でした。
そのため、口笛を吹くとその家に泥棒が入ったり、その家の子どもをさらっていくと考えられていたそうです。
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夜に爪を切ってはいけない理由とは?
夜に爪を切ると「親の死に目に会えない」とか「早死にする」と言われます。
親の死に目に会えない・早死にする
理由は諸説あり、有力な説として「夜・爪」=「世・詰め」=「世を詰める」となるので、早死にしてしまうといわれていたそうです。
早死にするということは、自分が親より先に死ぬということになり「親の死に目に会えない」ということになるのですね。
また、今のように爪切りの道具がない時代は、小刀やハサミなどを使って爪を切っていました。
当然電気もない時代ですから、夜はろうそくのような小さな火をたよりに爪を切ることになります。
明るさが十分ではない場所で刃物を使うことはとても危険で、親から授かった大事な身体にキズを付ける恐れがあります。
そこでそんな親不孝者は親の死に目にあえないと戒めているのです。
また別の解釈では、暗闇で刃物を使うという不注意な行動を取るような者は親の死に目にあえないということから、この言い伝えが生まれたともいわれています。
古くから言い伝えられていることは、先人の知恵や経験がもとになっています。
「口笛は近所迷惑だからやめなさい」よりも「蛇が出るよ!」と言われた方が、子どもは恐ろしくなってやめてしまいますよね。
同じように「夜の爪切りは怪我の元だからやめなさい」よりも「親の死に目に会えないよ!」と言われた方が効果がありそうです。
子どもたちの躾のために、先人が知恵と経験から作りだしたのが、今回取り上げた二つの言い伝えなのですね。
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