日本ではあまり馴染みのない「旧正月」ですが、毎年2月ごろになると旧正月ということで中国からの観光客が大勢来日してニュースになりますね。
実は、日本以外のアジアの国々では旧正月を盛大にお祝いしているようです。
そんな旧正月ですが一体どういうものなのでしょうか?
また、2025年はいつなのでしょうか?
中国・台湾・韓国・ベトナムのお正月をご紹介します。
旧正月とは?
旧正月とは、旧暦のお正月のことです。
旧暦とは、明治6年(1873年)まで使われていた「太陰太陽暦(たいいんたいようれき)」のことで、月の満ち欠け基準に作られ、太陽の動きも考慮に入れてた暦です。
そして、明治6年に太陽の動きを基準に作られた「太陽暦(たいようれき・グレゴリオ暦)」に改暦されました。
改暦された後、日本では1月1日のお正月を一年の始まりとし、お祝いをしていますが、ほかのアジアの国々では旧正月を「お正月」と考えています。
なぜアジアの中で日本だけが旧正月を祝わなくなったのか理由は定かではありませんが、日本でも長崎、神戸、横浜にある中華街など、中国の影響が強い地域では、旧正月に盛大なお祭りが行われています。
日本の旧正月については以下の記事を御覧ください。
関連:【2025年】旧正月はいつからいつまで?日本ではなぜお祝いしないの?
2025年の旧正月はいつ?
旧暦は月の満ち欠けを基準としていますが、季節とズレがないよう太陽の動きも考慮にいれた暦です。
新月から次の新月までは平均して29.5日間で、一年間が354日になります。
太陽の動きを基準とする1年より11日短く、3年で約一か月の誤差が生じてしまいます。
この問題を解消するために、約3年に一度、「閏月(うるうづき)」というものを設けていたため、一年間が13か月になる年が存在しました。
閏月は平均すると19年に7回ぐらいの割合で入ります。
旧正月を新暦にあてはめるとおよそ20~50日ずれが生じ、毎年違います。
2025年の旧正月は、1月29日(水)です。
関連:【閏月一覧】旧暦の閏月の意味と置き方の規則とは?2025年の閏月はいつ?旧暦2033年問題をわかりやすく解説
アジアの国々の旧正月は?
旧正月を含む連休は国によって異なります。
中国
中国では旧正月を「春節(しゅんせつ)」と呼んでいます。
一年間で最大のイベントで、大晦日(2025年なら1月28日)の夜には爆竹や花火が打ち上げられ、日付が変わる0時にピークを迎え、爆竹や花火の音で話声が聞こえなくなるほどです。
旧正月を挟んで一週間ほどが休日になります。
2025年は1月25日(土)から2月2日(日)までの9連休です。
故郷へ帰省するだけでなく最近では海外旅行も増えており、日本でニュースに取り上げられますね。
また、「倒福(とうふく)」といって逆さまの「福」の字を書いた赤色の紙を貼るそうです。
福が到(中国語の発音は拼音: dào)るようにという願いを込めて、倒(拼音: dăo)して貼ります。
台湾
台湾でも、中国と同じように旧正月のことを「春節」と呼びます。
旧正月を挟んで一週間ほどが休日になります。
2025年は1月25日(土)から2月2日(日)までの7連休です。
台湾では、旧正月に新しい服を着る習慣があり家族みんなで新しい服で新年を迎えます。
また、中国と同様、「倒福(とうふく)」を飾る習慣もあります。
この時期台湾で行われるイベントして有名なのが「台湾ランタンフェスティバル」と「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ)」の2大ランタン祭りで、毎年多くの観光客が訪れます。
これらのランタン祭りは旧正月の15日後の「元宵節(げんしょうせつ)」に行われます。
元宵節とは、「元月(正月のこと)の最初の宵(よい・夜のこと)」という意味があり、新しい年になって最初の満月の日にあたり、中国や台湾など中華圏では祭日となっています。
「台湾ランタンフェスティバル」は、毎年開催地が異なり、2025年は台湾の桃園市で開催されます。
会場の中心にはその年のテーマを象った巨大なランタンが置かれ、何千個というランタンが飾られます。
巨大なランタンは干支をモチーフにしたものが多く、青や赤、黄色など色が変化したり、回転しながら光ったりとても華やかで見ごたえがあるそうです。
開催期間:2025年は2月12日(水)~2月23日(日)まで
「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ)」でも、元宵節(げんしょうせつ)にランタンを空へ飛ばすお祭が開催されます。
平渓天燈節が行われるのは新北市平渓の十分(じゅうふん)という山に囲まれた小さな街で、台北からの所要時間は鉄道で1時間30分程かかります。
ランタン飛ばしは、無料で参加することができますが整理券が必要です。10時から会場で配布されるので余裕を持って会場に到着したほうがいいでしょう。
開催日は2025年は2月12日(水)です。
韓国
韓国では旧正月を「ソルラル」と呼んでいます。
ソルラルを挟んで数日間が休日になります。
2025年は1月28日(火)から1月30日(木)までの3連休です。
話になった人に贈り物をしたり、親族が集まり、「茶礼(されい・ちゃれ)」という先祖を供養する儀式を行います。
韓国では、先祖がこの世に戻ってきて食事をしていくと考えられています。
ベトナム
ベトナムでは旧正月を「テト」と呼んでいます。
一年間で最も重要な祝日とされており、テトを挟んで一週間ほど休日になります。
2025年は1月25日(土)~2月2日(日)までの9連休です。
ホーチミン市中央のグエンフエ公園は旧正月を祝う赤や黄色の美しい花で彩られ、「フラワーロード」と呼ばれ、屋台や露天なども出て新年を祝う人々で賑わいます。
また、「麒麟舞(きりんまい・ムアランまたはムーラン)」が恒例行事として行われます。
ムアランとは日本でいう獅子舞のようなもので、太鼓や銅鑼の音が鳴り響く中、黄色い衣装を着た少年たちが家々を回り、一年の幸せを祈願します。
※麒麟とは
中国の想像上の動物。聖人が出現する前兆として現れるといわれた。体形は鹿、蹄(ひづめ)は馬、尾は牛に似て、頭に1本の角があり、全身から5色の光を放つという。
日本では馴染みのない「旧正月」ですが、アジアの国々では旧正月を盛大にお祝いしていることがわかりましたね。
特に、中国の春節については、ニュースでも取り上げられることが多く、爆竹や花火で盛大に新年を迎える様子を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
日本では中華街などで旧正月をお祝いしているので、日本のお正月とはちょっと違う雰囲気を楽しむのもいいかもしれませんね。
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