
旧正月といえば、中国の「春節」が有名ですよね。
盛大に花火や爆竹を鳴らしたり、故郷へ帰省する多くの人たちの姿が日本のニュースでも取り上げられます。
最近は旧正月に日本へ観光にやってくる中国人の姿も多く見かけますよね。
中国だけではなく、韓国や台湾、ベトナムなど、日本人に近いアジアの国では旧正月をお祝いするのに、なぜ日本ではお祝いしないのでしょうか?
旧正月とは?
旧正月とは、旧暦のお正月のことです。
中国や韓国、ベトナム、台湾など、中華圏(中国語を中心とした中国文化の影響の強い国)の国でお祝いします。
旧暦とは、日本では、明治5年(1872年)まで使われていた暦(こよみ)のことです。

旧暦は月の満ち欠けを基準として月日が決められており、新月が1日(ついたち)で、満月が15日、さらに次の新月になるまでを1ヶ月としていました。
そして二十四節気の雨水(うすい・2月19日ごろ)直前の新月の日を1月1日としていました。
二十四節気とは1年間の季節を四季よりも細かく24個の節気に分けたものです。
関連:『二十四節気』とは?読み方と意味一覧!二十四節気の簡単な覚え方

それぞれの節気は太陽の黄道上(太陽の通り道)の位置によって算出されます。

明治5年に新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)に改暦されました。
旧暦のころは、旧正月(旧暦の1月1日)が「お正月・一年の始まり」でしたが、改暦された後は新暦の1月1日が「お正月・一年の始まり」となりました。
すでに説明したとおり、旧暦は月の満ち欠けを基準にしていますが、新暦は太陽の動きを基準にしているため、旧暦を新暦に換算するとおよそ20~50日ずれが生じ、旧正月(旧暦の1月1日)は、新暦で1月下旬~2月中旬ごろになるのです。
※旧暦と新暦のずれに関しては以下のリンク先に詳しく説明しています。
関連:旧暦と新暦で日付がずれるのはなぜ?旧暦と新暦での四季(春夏秋冬)の期間の違い
2026年の旧正月はいつからいつまで?
2026年の旧正月は、2月17日(火)です。
旧正月の前後数日間が休日になることが多く、各国の期間は以下のとおりです。
| 国 | 期間 |
| 中国 | 2月15日(日)~2月23日(月) |
| 台湾 | 2月14日(土)~2月22日(日) |
| 韓国 | 2月16日(月)~2月18日(水) |
| ベトナム | 2月14日(土)~2月22日(日) |
日本はなぜ旧正月をお祝いしないの?
日本は古くから中国の文化から大きな影響を受けてきました。
そのため、日本がなぜ旧正月をお祝いしないのか、疑問を抱く人もいますよね。
日本でも、旧暦のころは旧正月のお祝いをしていました。
しかし、新暦になったことをきっかけにいくつかの要因が重なり、お祝いをしなくなったようです。
その理由は以下のように諸説あります。
新暦に馴染んだから
明治5年に旧暦が廃止され、新暦1月1日が正月という認識が広まり、定着したため。
旧正月は休みではないから
日本では新暦では1月1日は「元日」という祝日ですが、旧正月は祝日ではありません。
そのため、普段と変わらない平日という認識になってしまった。
旧正月は毎年日程が異なるから
旧暦を新暦に当てはめると20~50日ほどのずれが生じるため、旧正月は毎年同じ日になりません。
そのため、徐々に廃れていった。
このような要因から、日本では旧正月をお祝いしなくなってしまったようです。
しかし、現在でも旧正月を祝っているところがあります。
日本で旧正月お祝いしているところはどこ?

長崎、神戸、横浜にある中華街など中国の影響が強い地域では、現在でも旧正月を盛大にお祝いしています。
また、沖縄県の一部地域では、旧暦1月16日を「十六日祭(じゅうるくにちー)」といって、あの世(死後の世界)のお正月と考えられています。
そのため、新暦のお正月と、旧正月と、十六日祭のあわせて3回もお正月があるそうです。
他にも、旧暦のお正月と、新暦のお正月、2度のお正月をお祝いする神社やお寺もあります。
これは、旧正月を重要視しているためで、新暦のお正月から旧正月までの期間をずっと「お正月」とし、正月行事をしているところもあります。
以下は、旧正月に正月行事をする有名な神社です。
大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)
福島県の大山祇神社では、旧暦の大晦日~元日に「旧暦元旦祭」が行われます。
外部リンク:大山祇神社
尾張大國霊神社(おわりおおくにたまじんじゃ)
愛知県の尾張大國霊神社では、旧正月2日目から約一ヶ月間「追儺神事(ついなしんじ)」が行われます。
外部リンク:尾張大國霊神社
中国・台湾・韓国・ベトナムの旧正月

旧正月を含む連休は国によって異なります。
春節とは?
中国では旧正月を「春節(しゅんせつ)」と呼んでいます。
「春節」は、もともと二十四節気の「立春」を指す言葉でした。
中国では明治44年(1911年)の辛亥革命で清(しん)が倒れ、翌年に孫文(そんぶん)が中華民国を建国して新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)が採用されました。
このとき新暦の1月1日は「元旦」と定められました。
日本語では「元旦」は1月1日の朝を指しますが、中国語では1月1日を指します。
関連:元日、元旦、正月の違いと意味とは?年賀状にはどれを使えばいいの?
新暦の1月1日が「元旦」になったことで、旧暦の正月には別の呼び名が必要になりました。
そこで1914年、孫文のあとに大総統となった袁世凱(えんせいがい)が、旧暦の元旦を「春節」と定めたのです。
このときあわせて、端午は夏節、中秋は秋節、冬至は冬節とされ、四季の節目として整理されました。
春節は中国では一年の中で最大のイベントです。
大晦日の夜には爆竹や花火が打ち上げられ、日付が変わる0時にピークを迎えます。
その音で話し声が聞こえなくなるほどです。
旧正月を挟んで一週間ほどが休日になります。
2026年は2月15日(日)から2月23日(月)までの9連休です。
故郷へ帰省するだけでなく最近では海外旅行も増えており、日本でニュースに取り上げられますね。
また、「倒福(とうふく)」といって逆さまの「福」の字を書いた赤色の紙を貼るそうです。
福が到(中国語の発音は拼音: dào)るようにという願いを込めて、倒(拼音: dăo)して貼ります。

台湾の春節とは?
台湾でも、中国と同じように旧正月のことを「春節」と呼びます。
旧正月を挟んで一週間ほどが休日になります。
2026年は2月14日(土)から2月22日(日)までの9連休です。
台湾では、旧正月に新しい服を着る習慣があり家族みんなで新しい服で新年を迎えます。
また、中国と同様、「倒福(とうふく)」を飾る習慣もあります。
この時期台湾で行われるイベントして有名なのが「台湾ランタンフェスティバル」と「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ)」の2大ランタン祭りで、毎年多くの観光客が訪れます。
これらのランタン祭りは旧正月の15日後の「元宵節(げんしょうせつ)」に行われます。
元宵節とは、「元月(正月のこと)の最初の宵(よい・夜のこと)」という意味があり、新しい年になって最初の満月の日にあたり、中国や台湾など中華圏では祭日となっています。

「台湾ランタンフェスティバル」は、毎年開催地が異なり、2026年は台湾の嘉義で開催されます。
会場の中心にはその年のテーマを象った巨大なランタンが置かれ、何千個というランタンが飾られます。
巨大なランタンは干支をモチーフにしたものが多く、青や赤、黄色など色が変化したり、回転しながら光ったりとても華やかで見ごたえがあるそうです。
開催期間:2026年は3月3日(火)~3月15日(日)まで

「平渓天燈節(へいけいてんとうせつ)」でも、元宵節(げんしょうせつ)にランタンを空へ飛ばすお祭が開催されます。
平渓天燈節が行われるのは新北市平渓の十分(じゅうふん)という山に囲まれた小さな街で、台北からの所要時間は鉄道で1時間30分程かかります。
ランタン飛ばしは、無料で参加することができますが整理券が必要です。10時から会場で配布されるので余裕を持って会場に到着したほうがいいでしょう。
開催日は2026年は3月3日(火)です。
韓国のソルラルとは?
韓国では旧正月を「ソルラル」と呼んでいます。
ソルラルを挟んで数日間が休日になります。
2026年は2月16日(月)から2月18日(水)までの3連休です。
お世話になった人に贈り物をしたり、親族が集まり、「茶礼(されい・ちゃれ)」という先祖を供養する儀式を行います。
韓国では、先祖がこの世に戻ってきて食事をしていくと考えられています。
ベトナムのテトとは?
ベトナムでは旧正月を「テト」と呼んでいます。
一年の中で最も重要な祝日とされており、テトを挟んで一週間ほど休日になります。
2026年は2月14日(土)~2月22日(日)までの9連休です。
ホーチミン市中央のグエンフエ公園は旧正月を祝う赤や黄色の美しい花で彩られ、「フラワーロード」と呼ばれ、屋台や露天なども出て新年を祝う人々で賑わいます。
また、「麒麟舞(きりんまい・ムアランまたはムーラン)」が恒例行事として行われます。
ムアランとは日本でいう獅子舞のようなもので、太鼓や銅鑼の音が鳴り響く中、黄色い衣装を着た少年たちが家々を回り、一年の幸せを祈願します。

麒麟
※麒麟とは
中国の想像上の動物。聖人が出現する前兆として現れるといわれた。体形は鹿、蹄(ひづめ)は馬、尾は牛に似て、頭に1本の角があり、全身から5色の光を放つという。
旧暦を祝う国では新暦の1月1日はどのように過ごす?
旧暦を祝う国では、新暦の1月1日はどのように過ごすのでしょうか?
以下のように過ごすようですよ。
中国
中国では、新暦1月1日は「元旦」という祝日です。
新暦1月1日だけがお休みとなり、2日からは通常の平日です。
新年を祝う祝日ですが、日本のように盛大にお祝いをしたり、特別なイベントが開催されることもなく、通常の祝日と同じようにゆっくり過ごしたり、家族や友人と集まって食事をして過ごす人が多いようです。
台湾
台湾では、新暦1月1日は「中華民国開国記念日」という祝日です。
1912年1月1日に孫文が中華民国を建国した日を記念した祝日です。
新暦1月1日だけがお休みとなり、2日からは通常の平日です。
しかし、新暦12月31日から1月1日にかけて、新年の幸せや繁栄を願うイベントが各地で開催され、台北101から打ち上げられるカウントダウン花火は世界的に有名です。
韓国
韓国では、新暦1月1日は「新正(しんじょん)」という祝日です。
新暦1月1日だけがお休みとなり、2日からは通常の平日です。
新暦12月31日には家族や親族が集まって食事をし、1月1日は新年の挨拶をしたりお祝いをしますが、旧正月ほどの盛り上がりはありません。
ベトナム
ベトナムでは、新暦1月1日は「新年」という祝日です。
新暦1月1日だけがお休みとなり、2日からは通常の平日です。
昔は旧正月ほどの盛り上がりはなかったそうですが、最近は新暦12月31日にカウントダウンのイベントが開催されたり、1月1日に家族や親戚が集まって新年のお祝いをするなど、旧正月と同じように盛り上がるようになっているそうです。

旧正月のイベント
長崎、神戸、横浜にある中華街で旧正月のイベントが開催されますのでご紹介します。
長崎ランタンフェスティバル(長崎中華街)

期間中、街中に1万5千個のランタンが飾られ、各会場で飾られる大小さまざまなオブジェが幻想的です。
毎年100万人を超える人々で賑わいます。
開催日:2026年2月6日(金)~2月23日(月)
会場:長崎県長崎市 新地中華街、中央公園、観光通りアーケードなど
外部リンク:「長崎ランタンフェスティバル」
南京町春節祭(神戸中華街)

中国の伝統演舞である「獅子舞」「龍舞」などのステージイベントや、三国志の英雄や、楊貴妃など、中国史に登場する人に扮してパレードが行われたり、期間限定の福袋販売なども行われます。
開催日:2026年2月17日(火)、21日(土)~23日(月)
会場:兵庫県神戸市 神戸南京町
外部リンク:2026年南京町春節祭
2026春節燈花(横浜中華街)
開催日:2025年11月1日(土)~2026年2月24日(火)
会場:横浜中華街全域
外部リンク:横浜中華街催し物2026春節

日本では、中国だけでなく諸外国からさまざまな文化を取り入れ、日本流にアレンジして楽しんでいますよね。
たとえば、ハロウィンやクリスマスも、外国から伝わってきたものです。
節分の豆まきや、七夕など、中国の文化がもとになっているものも数多くあり、それらは現在も日本流で続けられています。
それなのに旧正月だけは西洋から伝わってきた新暦(太陽暦・グレゴリオ暦)を取り入れた結果、廃れてしまったのですね。
中華街では旧正月のイベントで盛り上がりますので、ぜひ足を運んでみてくださいね。
関連:「旧正月」 と「立春」はどちらも同じ新年?関係と違いとは?
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