「まほろば」という言葉は、旅館やお店、電車などの名前で見聞きすることがありますよね。
「まほろば」にはどのような意味があるのでしょうか?
どこかの場所を表しているようですが「まほろば」はどこにあるのでしょう?
今回は「まほろば」についてわかりやすく解説します。
まほろばの意味とは?
まほろばは、「住みやすい場所」や「素晴らしい場所」を意味する日本の古語です。
古語の「真秀(まほ)」という漢字には「物事が完全であること」という意味があります。
そして、「真秀」の後に、場所を意味する「ら」という接尾語がつき「まほら」になりました。
この「まほら」が転じて「まほろば」や「まほらま」という言葉になったといわれています。
漢字では「真秀場(まほろば)」「真秀等間(まほらま)」と書くという説がありますが、辞書などではひらがなで「まほろば」としか載っていません。
古事記(こじき・712年)では、日本武尊(やまとたけるのみこと・72年~113年、日本の皇族。古事記では“倭建命”と書く)が詠んだ和歌の中に「まほろば」が登場します。
『倭は 国の真秀ろば 畳なづく 青垣 山籠れる 倭し 麗し』
(やまとは くにのまほろば たたなづく あをかき やまごもれる やまとし うるわし)
「倭」は「大和(現在の奈良県)」とも書き、日本武尊が故郷の素晴らしさを称えて詠んだといわれており、「まほろば」の代表的な使用例として知られています。
和歌の意味は、
「大和は国の中でも最も良い所だ。幾重にも重なり合った青い垣根のような山。その山に囲まれた大和は美しい」
と解釈されています。
まほろばはどこにあるの?
日本武尊が詠んだ和歌の「倭」は、現在の奈良県のことですので、「まほろば」は奈良県のことだといわれています。
日本武尊は大和の国が最も良いところで、美しい場所であると考えたようです。
ほかにも「まほろば」は日本全体を表しているという考え方もあるようです。
現在の奈良県を「大和の国」と呼んでいた時代(3世紀ごろ)に、最も勢力を持ち日本全体を支配していたのが「ヤマト王権」です。
ヤマト王権は、奈良を拠点に日本全体を支配していき、日本の国土全体を「大和」と呼ぶようになりました。
このことから、「まほろば」は奈良県だけではなく日本の国土全体であると考えることができるのです。
大和武尊の時代だけではなく、現在でも奈良県は美しくすばらしい場所ですよね。
本来「まほろば」とは奈良県のことだけを指していましたが、日本全体を指しているという考え方もあるのですね。
私たちが暮らすこの国が住みやすく素晴らしい場所であると、胸を張って言えるように日々頑張りたいですね!
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まほろばの祷りを解きてヒフミヨに
数学の基となる自然数を大和言葉の【 ひ・ふ・み・よ・い・む・な・や・こ・と 】からの送りモノとして眺めると、十進法の基における桁表示の西洋数学の成果の符号と融合し十の五色の五蘊物指になるとか・・・
岡潔数学体験館で、自然数のキュレーション的な催しがあるといいなぁ~