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密教とは?簡単にわかりやすく解説します!密教の意味と顕教との違い

みなさんは、密教がどのようなものかご存知ですか?

「密教」という文字から「秘密」を連想して、「怪しい宗教」とか「危険な宗教」と思っている人もいるかもしれません。

今回は「密教」についてわかりやすく解説します。

 

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仏教とは?

密教を説明する前にまず仏教について説明します。

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仏教はインドの釈迦(しゃか・ゴータマ・シッダルータ)を開祖とする宗教です。

釈迦は「お釈迦様(おしゃかさま)」や「仏陀(ぶっだ)」などと呼ばれることもあります。

 

仏教の目的は簡単にいうと、悟りを開いて解脱(げだつ)すること、成仏することです。

 

「悟りを開く」とは、心の迷いがなくなり安らかな境地に達することです。

「解脱」とは、六道輪廻(ろくどうりんね・りくどうりんね)から離れることを意味します。



極楽浄土

極楽浄土


解脱することで、極楽浄土(ごくらくじょうど・幸福に満たされた理想郷、仏の住む世界)に生まれ変わることができます。

「成仏」は宗派によって考え方が異なりますが、悟りを開くことや、六道輪廻から離れることを意味します。

 

仏教では、以下の6つの苦しみと迷いの世界を「六道(ろくどう・りくどう)」といいます。

●天道(てんどう)

●人間道(にんげんどう)

●修羅道(しゅらどう)

●畜生道(ちくしょうどう)

●餓鬼道(がきどう)

●地獄道(じごくどう)

 

そして、人が輪廻転生(りんねてんせい・りんねてんしょう、肉体が滅びても魂は滅びず、生死を繰り返すこと)することを「六道輪廻」といいます。

 

関連:六道(天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道)の意味とは?

 

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密教とは?

読み方は「みっきょう」です。

 

「密教」とは、秘密の教えという意味があります。

 

密教は、大日如来(だいにちにょらい)に帰依(きえ・尊いものに対して全身全霊で信じ、拠り所にすること)し、秘密の教義と儀礼を伝承によって伝えていく仏教のことをいいます。

奥深い教えであるため容易に明らかにできず、非公開の部分が多く神秘的な要素が多い教えです。



大日如来

大日如来


大日如来は「宇宙の真理」「宇宙の根源」といわれており、密教では、仏も人も姿かたちが異なるだけで、すべては大日如来が姿をかえたものと考えます。

そのため、仏も人も本質的には同じなので、人は修行を積むことで生きているうちに成仏(即身成仏)できると考えます。

 

ちなみに奈良の大仏(東大寺大仏・盧遮那仏(るしゃなぶつ))は大日如来です。

 


 

如来とは「真理を悟ったもの」のことで、仏教の目標である「悟りを開いた状態」にあり、仏の中で最も位が高いとされています。

関連:仏の名前「如来」「菩薩」「明王」「天部」「観音」「阿修羅」「阿弥陀」の違いとは?

 

真言宗(しんごんしゅう)や天台宗(てんだいしゅう)が密教の伝統的な宗派になります。

真言宗の開祖は空海(くうかい・774年~835年)です。

天台宗の開祖は最澄(さいちょう・766年または767年~822年)です。



最澄と空海

最澄と空海


空海と最澄は留学生に選ばれ、804年の遣唐使(けんとうし・日本から唐(当時の中国)へ派遣された使節)として中国へ渡りました。

それぞれ中国で密教を学び、空海は806年、最澄は805年に帰国しました。

その際、数多くの経典(きょうてん)や法具(ほうぐ)が日本に持ち込まれ、密教の儀式の際に用いられたといわれています。


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密教と顕教

密教に対して「顕教(けんきょう・けんぎょう)」という言葉があります。

 

密教では、仏教を密教と顕教に大別しています。

「顕教」とは、仏教の教えを秘密にすることなく説き顕(あらわ)した教えのことで、密教の反対語になります。

空海が、密教と対比するものという意図をもって作った言葉だといわれています。

 

「顕教」の「顕(あらわ)す」とは、「見えるようにすること」や「広く世間に知らせること」という意味です。

 

顕教は聞く人の能力に応じて、その人に分かりやすい言葉で、釈迦如来(しゃかにょらい)の教えを秘密にすることなく説き顕した教えで、輪廻転生(りんねてんしょう・何度も生死を繰り返す)をしながら長い時間をかけて悟りを開いて仏になれると考えられています。

顕教の宗派は、「浄土真宗(じょうどしんしゅう)」「曹洞宗(そうとうしゅう)」「日蓮宗(にちれんしゅう)」など、密教の宗派以外が当てはまります。

簡単に説明すると以下のようになります。


密教秘密の教え、非公開の部分が多い教えです。
人は修行をすることで生きているうちに成仏できると考えられています。
顕教秘密にすることなく、世間に知らせる教えです。
人は、輪廻転生をしながら長い時間をかけて成仏できると考えられています。
 

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三密(さんみつ)は密教の用語だった?

新型コロナウイルスの感染拡大防止で「三密(さんみつ)」が欠かせない条件になっていますが、実は「三密」は密教用語なのです。

感染拡大防止の「三密」と、密教の「三密」は以下のようになっています。

 

感染拡大防止の三密とは?


 

1.換気の悪い密閉空間

2.多数の人が集まる密集場所

3.間近で会話や発声をする密接場面

 

以上の「3つの密」のことを「三密」といい、新型コロナウイルスが集団(クラスター)で発生することや、感染が拡大することを防ぐ目的で呼びかけられており、3つがそろう場所は感染リスクがとても高いといわれています。

 

密教の三密とは?

密教では、生命は「身口意(しんくい)」で構成されていると考えます。

「身口意」とは「身=身体・行動」「口=言葉・発言」「意=心・考え」のことです。

密教ではこれらについて修行を重ね、身体、言葉、心を整えれば、自分自身が仏であることに気づき、生きたまま成仏(即身成仏)できると考えます。

 

これらの実践するための教えが

「身密(しんみつ)」

「口密(くみつ)」

「意密(いみつ)」

の「三密」です。

 

つまり密教の「三密」とは以下のようになります。


身密身体、行動についての教え
口密言葉、発言についての教え
意密心、考えについての教え
 

そして、三密の修行は具体的に次のように行われます。

 

●身密の修行では、仏を表す印(相)を結びます。

●口密の修行では、一心に真言(マントラ)を唱えます。

●身密の修行では、心に仏の境地を観じます。

 

この3つが完璧にできたとき、仏と一体となり、即身成仏できるといわれています。

 

三密を実践してみましょう!

私達も「十善戒(じゅうぜんかい)」という戒律(かいりつ・守るべきルール)を守ることで、日常生活で三密を実践することができます。

「十善戒」は厳しい戒律ではなく、日々の暮らしの中で心がけたい十の項目で、三密の三行(身密行・口密行・意密行)に分類されます。

 

十善戒を心がけること=三密を実践するということになります。


●身密行:身体の行い
不殺生
(ふせっしょう)
むやみに生き物を殺したり傷つけたりしない
不偸盗
(ふちゅうとう)
与えられていないものを盗まない
不邪淫
(ふじゃいん)
みだらな男女関係を結ばない
●口密行:言葉の行い
不妄語
(ふもうご)
嘘をつかない
不綺語
(ふきご)
中身のない話をしない
不悪口
(ふあっく)
乱暴な言葉を使わない
不両舌
(ふりょうぜつ)
他人を仲違いさせるようなことを言わない
●意密行:心の行い
不慳貪
(ふけんどん)
欲深い事をしない
不瞋恚
(ふしんに)
激しい怒りを抱かない
不邪見
(ふじゃけん)
間違った考え方をしない
 

みなさんもこれらのことを日常生活で心がけることで、三密をぜひ実践してみてくださいね。

 

 

密教がどのようなものかわかりましたか?

非公開の部分が多く簡単に知ることができないので、この記事では概要の説明しかできませんが、密教がどのようなものか知るきっかけになればと思います。

もっと詳しく密教について知りたい、学びたい方は講座などを受講してみてはいかがでしょうか。

 

関連:奈良の大仏と鎌倉の大仏の違い。大きさ、重さ、材質などいろいろ比較!

 

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