味噌の由来と歴史を解説!日本の味噌にはどんな種類や特徴があるの?

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料理の調味料として日本の食卓には欠かせない「味噌」

今回は、そんな味噌の由来と歴史を解説します!

また、日本にはどんな種類や特徴があるのでしょうか?

 

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目次

味噌とは?

 読み方は「みそ」です。

味噌は日本の食卓には欠かせない伝統的な調味料であり、和食の基本である「料理のさしすせそ」の一つです。

  「料理のさしすせそ」は以下のとおりです。

砂糖(さ)
塩(し)
酢(す)
醤油(せ)
味噌(そ)

 関連:料理の「さしすせそ」調味料を入れるのはなぜこの順番?実は間違いだった

味噌には塩味や旨味があり、味付けをまろやかに整えたり、食材の保存性を高める効果があります。

 また、必須アミノ酸やビタミン類、ミネラル、塩分などが多く含まれており、生命維持に欠かせない体にいい調味料です。

 

味噌の作り方

つぶした大豆と米麹

味噌は、「大豆や米、麦などの穀物」と、「麹(こうじ)」と、「塩」を混ぜて発酵させて作ります。

麹とは、「大豆、米、麦などの穀物」に「麹菌(こうじきん)」を繁殖させたものです。

麹菌は「コウジカビ」ともいわれるカビの一種で日本にしか生息していません。

 

味噌と麹は、どちらも大豆、米、麦などの穀物が原料になるため、混乱してしまうかもしれませんが、

・なにも繁殖させていない大豆、米、麦などの穀物→味噌の原料

・麹菌(コウジカビ)を繁殖させた大豆、米、麦などの穀物→麹

・塩

という風に、原料と麹と塩、3つの材料を混ぜて味噌を作るのです。

 

 麹は、麹菌を繁殖させる穀物によって種類が異なり、主に以下の3種類があります。

 

米麹(こめこうじ)

蒸した米に麹菌を繁殖させたものです。

主に米味噌、日本酒、塩麹、みりん、甘酒、酢などを作る際に用いられています。

 

麦麹(むぎこうじ)

蒸した麦に麹菌を繁殖させたものです。

主に麦味噌、麦焼酎に用いられています。

 

豆麹(まめこうじ)

蒸した豆に麹菌を繁殖させたものです。

主に豆味噌、八丁味噌に用いられます。

 

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味噌の由来と歴史とは?

味噌の由来は、日本で誕生した説と中国から伝わった説の2つがあります。

 

日本で誕生した説

現在のように保存技術がなかった時代、腐りやすい食材を保管する方法のひとつに塩漬けがありました。

縄文時代(紀元前14000年頃~紀元前10世紀ごろ)後期~弥生時代(紀元前10世紀ごろ~3世紀ごろ)の遺跡から、穀物を塩漬けにして保管していた形跡が見つかっており、大豆を塩漬けにする際に発酵されて偶然誕生したのが味噌の由来ではないかと考えられています。

古代の人々が大豆を塩漬けにしている時、麹のような働きをするものが混ざって偶然誕生したのかもしれません。

 

中国から伝わった説

古代中国に「醤(しょう・ひしお)」と呼ばれる食品がありました。

醤とは、魚肉や獣肉を叩き潰して穀物の麹と塩、酒を混ぜて漬け込み熟成させたものといわれており、現在の醤油のような液体でした。

その後、大豆や落花生、小麦粉などを原料とし、麹と食塩水を混ぜ発酵させた「穀醤(こくびしお)」が誕生しました。

のちに、この穀醤のことを「醤」というようになりました。

醤を作る過程の熟成途中のものが醤油や味噌の原型といわれています。

 

醤が日本にいつ伝わったのかはわかっていませんが、奈良時代(710年~794年)の当時の法律や規則などをまとめた「大宝律令(たいほうりつりょう・701年)には「未醤(みしょう)」という表記があります。

中国から伝わった醤に日本人が手を加えた調味料で、味噌のルーツと考えられています。

「未醤」は「未だ豆の粒が残っていて醤にならないもの」という意味で「みしょう→みしょ→みそ」と変化し、「味醤」「味噌」などの表記が生まれたと考えられています。

 

「味噌」が文献に登場するのは平安時代(794年~1185年ごろ)になってからです。

当時の法律や規則などをまとめた「延喜式(えんぎしき・927年)」という書物には、味噌が月給として高級官僚に支給されていたことや、贈答品として用いられていたことが書かれています。

このころは、ペースト状ではなく、大豆など穀物の形はあまり崩れていなかったため、調味料として味噌を使うのではなく、直接なめたり、食べ物に直接つけたり、手でつまんで食べていました。

この当時、味噌は、庶民はめったに食べられない贅沢品でした。

鎌倉時代(1185年ごろ~1333年)になると「味噌汁」が誕生します。

このころ、中国から日本へやってきた僧侶がすり鉢を日本人に伝え、粒状の味噌をすりつぶしてお湯に溶かし味噌汁が作られるようになりました。

味噌汁が誕生したことで、一汁一菜(いちじゅういっさい)が確立されたといわれています。

一汁一菜の「汁は汁物」「菜はおかず」のことです。

主食・汁物・おかず・香の物

主食・汁物・おかず・香の物

主食(白米)、汁物(味噌汁)、おかず1品で成り立っており、鎌倉時代の武士の食事の基本でした。(香の物(漬物)を追加することもあります。)

このころも、味噌を食べるのは武家や僧侶など特権階級の人たちで、庶民にとっては贅沢品でした。

 

室町時代(1336年~1573年)になると大豆の生産量が増え、庶民も自家製の味噌を作るようになり、浸透していきました。

伝統的な味噌料理のほとんどがこの時代に作られたといわれています。

 

戦国時代(1467年ごろ~1573年)には、武将たちが味噌を干したり焼いたりしたものを保存食として戦場に持って行きました。

栄養のある味噌は、大変重宝されたそうです。

江戸時代(1603年~1868年)になると、味噌はなくてはならない食品になり、日本各地でさまざまな味噌が誕生しました。

江戸(現在の東京)や大坂など大都市では味噌の生産が追い付かず、日本各地から取り寄せるようになり、流通の過程で味噌を使った料理も広まっていきました。

 

昭和(1926年~1989年)になると、洋食文化が流行して味噌の消費は落ち込みます。

冷蔵庫に収納しやすいカップの容器に入れて売るようになったり、ダシをとる手間を省いたダシ入りの味噌が登場したり、フリーズドライの味噌汁が登場するなどしましたが、消費を回復させることは難しかったようです。

現在も味噌の消費は減少を続けており、歯止めがかかっていません。

 

平成25年(2013年)には、和食がユネスコの世界無形文化遺産に指定されたことで、味噌は国内外で注目されるようになりました。

味噌は健康的な調味料であることから、健康志向の高まりとともに海外での需要が高まっています。

 

みその漢字はどちらが正しい?

 「味噌」の「噌」は「口+曽」と書くこともあり、漢字はどっちだろう?と思う人も多いと思います。

 

「噌」

「噌」という漢字は、「味噌」以外の言葉として使うことはありません。

「噌」は「味噌」のために作り出された漢字なのです。

 

「噌」の左側は「口(くち)」で、右側の「曾」は、

  • ハ=湯気が立つ様子
  • 真ん中の字=穴をあけた中敷き
  • 日=水を入れる底の部分

ということで、蒸し器を表しており「かさねる」「かさなる」という意味があります。

 そして、味噌は蒸した大豆に麹をかさねて発酵させることから「噌」という字が生まれたといわれています。

 

「噌」という漢字自体には、「やかましい」「さわがしい」などの意味があります。

そのため、「噌」という漢字が使われるのは「味噌=やかましい・さわがしいほど味が豊かでおいしいもの」という説もあります。

しかし、「やかましい」「さわがしい」という意味で「噌」という字を使う場面はありません。

先ほど説明したように、「味噌」以外に使うことはないのです。

 

「口+曽」

「口+曽」の漢字は、「噌」を簡略化した漢字です。

環境依存文字のためパソコンやスマートフォンなどでは漢字変換できない場合があります。

 

 「噌」と、「口+曽」、どちらの漢字が正しいのかというと、どちらも正しいです。

元々は「味噌」という表記だけでしたが、簡略化された「味 口+曽」という表記も多くみられるようになりました。

手書きの場合は、画数の少ない「口+曽」を使うなど、使い分けができます。

しかし、先ほど説明したとおり、環境依存文字のためパソコンやスマートフォンで漢字変換しても出ない場合があります。

 

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味噌にはどんな種類と特徴があるの?

味噌は「原料」「味」「色」で分類することができ、それぞれに種類や特徴があります。

 

原料

●米味噌

大豆、米麹、塩が原料です。日本各地で生産されています。

 

●麦味噌

大豆、麦麹、塩が原料です。主に中国、四国、九州地方で生産されています。

 

●豆味噌

大豆、豆麹、塩が原料です。主に中京地方で生産されています。

 

●調合味噌

米味噌と麦味噌、麦味噌と豆味噌といったふうに、異なる2種類以上の味噌を合わせたものです。

 

 

 ●辛口味噌

塩分濃度は12%前後です。大豆の濃厚な旨味を感じられます。

 

●甘口味噌

塩分濃度は712%前後です。まろやかでやさしい甘みが特徴です。

 

●甘味噌

塩分濃度は57%前後です。しっかりとした甘みがあり塩分控えめです。

 

 

 ●赤味噌

主に東日本で作られています。

発酵、熟成期間が長く、濃厚でコクがあり、甘味が少ないのが特徴です。

 

●白味噌

主に西日本で作られています。

熟成期間が短く、赤味噌よりも塩分が少なく、濃厚な味わいとまろやかな甘みが特徴です。

 

●淡色味噌

主に中部地方や関西地方で作られていますが、日本で一番流通している味噌です。

赤味噌と白味噌の中間の色合いをしており、赤味噌と白味噌両方の特徴をあわせもっています。

 

味噌の分類一覧

「原料」「味」「色」で分類した味噌と代表的な味噌を一覧にすると以下のとおりです。

原料による分類 味による分類 色による分類 代表的な味噌
米味噌 甘味噌 白味噌 関西白味噌
西京味噌
赤味噌 江戸甘味噌
甘口味噌 淡色味噌 越中味噌
赤味噌 御膳味噌
辛口味噌 淡色味噌 信州味噌
辛口味噌 赤味噌 北海道味噌
仙台味噌
加賀味噌
麦味噌 甘口味噌 九州麦味噌
瀬戸内麦味噌
辛口味噌 九州麦味噌
瀬戸内麦味噌
豆味噌 東海豆味噌

日本各地で生産されている米味噌は、味や色の種類も多いことがわかりますね。

 

味噌を使った料理ランキング

味噌を使った料理は数えきれないほどありますよね。

味噌を使った料理の中でも特に人気のものをランキングしました! 

1位 味噌汁

2位 豚汁

3位 味噌ラーメン

4位 サバの味噌煮

5位 ナスと豚肉の味噌炒め

6位 肉味噌

7位 味噌煮込みうどん

8位 つくねのれんこん挟み焼き

9位 ちゃんちゃん焼き

10位 味噌田楽

  

 味噌の歴史はとても古いことがわかりましたね。

文献に初登場するのは平安時代ですが、私たちのご先祖様はそれよりもずっと前から味噌のようなものを食べていたのでしょう。

長い期間をかけて、日本人には欠かせない調味料となったのですね。

味噌にはいろいろな種類があるので、料理によって使い分ける人もいます。

自分好みの味噌をみつけて、毎日の食卓で役立ててください。

自家製味噌を作るのも、楽しいですよ!

 

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