これまで二度、読めたらすごい難読漢字の読み方と意味をご紹介しましたが、日本にはまだまだ難しい漢字がたくさんあります!
すべてを読むことができる人は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?
今回も、難読漢字の読み方と意味を100個紹介します!
難読漢字の読み方と意味一覧
まずは漢字だけを見て考えてみましょう。
その後に少しスペースを空けて読み方を書いています。
意味や由来、語源を書いているものもありますのでヒントにしてみてくださいね。
それでは五十音順に紹介していきます!
【あ行】
■朝餉
読み方:あさげ
朝食のことです。
「餉(しょう)」は、食+向の組み合わせで相手に向けて食物を与えることを意味します。
昼食は「昼餉(ひるげ)」、夕食は「夕餉(ゆうげ)」といいます。
■小聡明い
読み方:あざとい
もともとの意味は、やり方があくどい様子、たちが悪い様子、抜け目のない様子、浅はかな様子などです。
最近は本来の意味とは異なる使い方が増えています。
たとえば、計算ずくで女性が行う男ウケするような仕草や行動、相手の下心を利用して自分をアピールしたり、思惑通りに事を運ばせたりすることをいいます。
■四阿
読み方:あずまや
庭園などに設けた四方の柱と屋根だけの建物のことです。
休憩所として設置されています。
「東屋(あずまや)」とも書きます。
■泡銭
読み方:あぶくぜに
苦労なく、あるいは不正に獲得したお金のことです。
宝くじで当たったお金やギャンブルで勝ったお金、人からもらったお金などを指します。
「あぶく」とは「泡」のことです。
■酪梨
読み方:アボカド
中央アメリカが原産で低温に弱く、主に熱帯や亜熱帯で生育する果物です。
1000品種以上あるといわれており、日本で売られているものは、皮がゴツゴツしており、熟すと黒くなります。
クスノキ科ワニナシ属の常緑高木およびその果実です。
■水馬
読み方:あめんぼ
中脚と後脚がとても長く、中脚は体長よりも長い昆虫です。
池などの水面に浮かぶことができ、スイスイ滑っていく姿が特徴です。
「あめ」は体から飴のような甘い匂いを発することが由来といわれており、「飴坊」「飴棒」とも書きます。
「水黽」とも書きます。
■行脚
読み方:あんぎゃ
本来の意味は、仏教の僧侶が修行のために各地を徒歩でめぐることです。
現在は、何らかの目的のために各地をめぐることも「行脚」というようになり、徒歩だけではなく車や飛行機などの交通手段を使っても「行脚」といいます。
たとえば「好きな映画のロケ地を行脚する」や「カレーを極めるために世界中を行脚する」などです。
■塩梅
読み方:あんばい
もともとは「味加減」を意味していました。
「塩梅」は、「塩」と「梅酢」が由来です。
「梅酢(うめず)」とは、梅干を作る際に梅を塩漬けにする家庭で梅から出た液体のことです。
昔は梅酢を料理に使用しており、塩と梅酢の味加減がちょうど良いことを「良い塩梅」と表現していたそうです。
それが転じて現在は物事の具合や状態、体の具合や状態、料理の味付け具合、程よく物事を処理することなどを指すようになりました。
■許嫁
読み方:いいなづけ
本人たちの意志に関わりなく、双方の親が、子供が幼いうちから結婚の 約束をしておくことです。
また、結婚の約束をした相手(婚約者)のことを指します。
■啀み合う
読み方:いがみあう
互いに敵視、敵対することです。
■些か
読み方:いささか
程度の少ない様子、ほんのちょっと、少しばかりという意味です。
「聊か」とも書きます。
■板山葵
読み方:いたわさ
日本料理の一種で、板付きかまぼこを切って、わさびを添えた食べ物のことです。
かまぼこを手軽に味わうことができ、わさびだけではなく醤油をかけて食べることもあります。
「いたわさ」は、「板付きかまぼこと山葵(わさび)」の略です。
■訝る
読み方:いぶかる
疑わしく思うこと、怪しく思うこと、不審に思うことなどの意味があります。
■蹲る
読み方:うずくまる
からだを丸くしてしゃがみ込むことです。
また、獣が足をたたみ込んで腹ばいになることです。
■狼狽える
読み方:うろたえる
不意を打たれ、驚いたり慌てたりして取り乱すことです。
■抉る
読み方:えぐる
刃物などを深く刺し入れ、回して穴をあけること、くりぬくことです。
また、心に強い衝動や苦痛を与えることや、とても動揺することのように、心情の比喩にも用いられます。
■押印
読み方:おういん
はんこに朱肉につけ、紙などに押しつけて印影を残すことです。
■極光
読み方:オーロラ
天体の極域(南極、北極のこと)近辺で見られる大気の発光現象です。
太陽から飛んできた電気を帯びた粒子(プラズマ)が上空の大気と衝突した時に引き起こされる放電現象で、地上からおよそ100kmから500km上空に発生し、夜空に浮かぶ色鮮やかな光のカーテンのように見えます。
「きょっこう」とも読みます。
■悍ましい
読み方:おぞましい
いかにも嫌な感じがする、ぞっとするという意味です。
■御玉杓子
読み方:おたまじゃくし
2つの意味があります。
●食物をすくうための調理器具の一種。
●カエルの子どものこと。
調理器具の「御玉杓子」は、「玉杓子」や「おたま」と呼ぶこともあります。
滋賀県多賀町の多賀大社で縁起物として売られている「御多賀杓子(おたがじゃくし)」に似ていることが名前の由来という説があります。
現在の御多賀杓子はしゃもじのような形をしていますが、昔は汁物をすくえるようにくぼみがあり、現在の御玉杓子に近い形をしていたそうです。
カエルの子どもが「御玉杓子」と呼ばれるようになった由来は定かではありませんが、多賀大社の「御多賀杓子」に形が似ていたことが由来という説と、調理器具の「御玉杓子」に似ていたことが由来という説があります。
それ以前は特に呼び名はなく「カエルの子」と呼ばれていたそうです。
■御転婆
読み方:おてんば
若い女性が、慎みや恥じらいもなく、活発に行動することをいいます。
由来は諸説あります。
●オランダ語で「手に負えない」という意味の「オンテンバール(Ontembaar)」が由来という説。
●江戸時代、政府の公用の役に使われた伝馬(てんま)という馬が、自由奔放で元気がよかったことから「お伝馬」が由来になったという説。
●いつごろか定かではありませんが、昔女の子が早足に歩く足音を擬音で「テバテバ」と表現していたことから、これに「オ」をつけたという説。
■夥しい
読み方:おびただしい
ものの数や量などが非常に多いこと、程度が非常に激しいことです。
■御神酒
読み方:おみき
神様にお供えするお酒のことです。
【か行】
■掠める
読み方:かすめる
複数の意味があります。
●すきをうかがって、すばやく盗むことです。
●人の見ていないすきに、こっそり何かをすることです。
●すれすれに通り過ぎることです。
●思いなどがちょっと現れてすぐ消えることです。
■陽炎
読み方:かげろう
春や夏の天気が良く日差しが強いときに、地面から立ち上る蒸気で空気が乱れ、炎のような揺らめきが立ちのぼる現象です。
■悴む
読み方:かじかむ
寒さのため手足が冷たくなり、思うように動かなくなることです。
■鬘
読み方:かつら
髪の毛を補ったり別の髪型に見せたりするために使う、人毛もしくは人工的な髪のことです。
また、古くは「鬘(かずら)」とも読み、つる草や草木の枝・花などを髪に巻きつける髪飾りを意味していました。
「かつら」の語源は「髪蔓(かみつら)」といわれており、「蔓(つら)」はつる草の古い言い方です。
■骨牌
読み方:かるた
読み札と絵札に分かれた札、カードを用いて遊ぶものです。
昔は牛や獣の骨で作られていたので「骨」という漢字が使われているそうです。
「加留多」「歌留多」とも書きます。
■長尾驢
読み方:カンガルー
尾が長く、後ろ足が大きく発達し、跳躍が巧みな草食動物です。
メスはお腹には「育児嚢(いくじのう)」と呼ばれる袋があり生まれた子どもを袋の中で育てます。
「有袋類(ゆうたいるい)」という哺乳類です。
「更格廬」「袋鼠」とも書きます。
■際疾い
読み方:きわどい
悪い事態になりそうな、危険な状態であるという意味です。
■言質
読み方:げんち
後々証拠になる言葉のことです。
■蟋蟀
読み方:こおろぎ
茶色や黒色をした3㎝~4㎝程の夜行性の昆虫で、秋に鳴く虫の代表格です。
鳴き声は一般的に「コロコロコロコロ」「コロコロリー」と表現され、よく通る美しい声で鳴きます。
古くは「こおろぎ」のことを「きりぎりす」と呼んでいたそうです。
鎌倉時代から室町時代ごろに「きりぎりす→こおろぎ」になったようです
そのため、「きりぎりす」と読むこともあります。
■言伝
読み方:ことづて
伝えたい言葉を他の人に取り次いでもらうことです。
また、その言葉や伝言のことです。
■芥箱
読み方:ごみばこ
役に立たなくなってしまった不要なごみを入れて一時的に集めておくための容器のことです。
「塵箱」とも書きます。
【さ行】
■貶む
読み方:さげすむ
他人を、自分より能力・人格の劣るもの、価値の低いものとみなすこと、軽蔑することです。
「蔑む」とも書きます。
■注連縄
読み方:しめなわ
注連縄は神社や神棚に飾られています。
神様が宿る場所、また神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示す意味があります。
また、神様の領域と、人の住む世界を隔てる結界の役割や、厄(やく)や禍(わざわい)を祓う意味もあります。
■時化
読み方:しけ
強風や雨などの悪天候のために海上が荒れることです。
また、海があれて不漁であることを意味することから、商売が思わしくないこと、不景気、気分が盛り上がらないことも「時化」といいます。
後者の場合、「しけた店」「しけた面」のように使います。
■鹿威
読み方:ししおどし
田畑を荒らす鳥や獣を威嚇して追い払うために設けられる装置類全般を指します。
一般的には、太めの竹筒を中ほどで支えてシーソーのように動くようにし、水を受ける部分を斜めに切っている庭園施設の竹筒を指します。
竹筒に水がたまると、重心が前にきて竹筒が傾き、中の水が吐かれて勢いよくもどります。
この時に、竹筒の尻が後ろの石の頭に当たってこころよい音を発します。
本来は庭にしのびこむ鹿やいのししを追い出すためのものでしたが、現在ではもっぱら風流のために設置されます。
■柳葉魚
読み方:ししゃも
全長15㎝ほどで体は細長くワカサギに似ており、川で産卵及び孵化し海で成長後に川に戻る、日本固有種です。
北海道南東部の太平洋沿岸の一部に分布していますが、獲れる量が少なく、高価な魚なので食べる機会はめったにありません。
一般的にスーパーなどで安価に購入できるものも「ししゃも」と呼びますが、正式には「カラフトシシャモ」です。
「カラフトシシャモ」は柳葉魚と似ていますが別の魚で、大西洋で獲れた輸入物がほとんどです。
■疾病
読み方:しっぺい
病気や疾患という意味です。
苦しみ悩むことを意味する「疾」と、体を悪くする、悪習によって欠点が生じることを意味する「病」を組み合わせています。
■軍鶏
読み方:しゃも
ニワトリの一品種です。
首が長く、目が鋭く、肩幅が広く、くちばしが鋭く、足は太くて蹴爪があります
蹴爪(けづめ)とは、足の後ろに鋭く突き出た角質で、攻撃や防御に用います。
江戸時代にシャム国(現在のタイ)から日本に来たニワトリの品種で、原産地の「シャム」が名前の由来です。
「軍」という漢字は闘鶏から来ています。
■重版出来
読み方:じゅうはんしゅったい
「重版出来」は出版・印刷業界の用語で、重版が出来上がってその書籍が販売されることという意味です。
「重版」とは、すでに出版されている書籍が売り切れたので、増刷することをいいます。
「出来」とは、出来上がることです。
つまり重版出来は、最初の発行部数が売り切れたので、追加で印刷して販売するときに使う言葉です。
「じゅうはんでき」は誤読とされていますが、「出来=できあがること」なので「じゅうはんでき」と読んでも間違いではないという人もいます。
■悄気る
読み方:しょげる
失望したり失敗したりすることで元気がなくなることです。
「悄(しょう)」という漢字には、「しょんぼりする」「うれえる」「しおれる」などの意味があります。
■掏摸
読み方:すり
他人が身につけている金品を、その人に気づかれないように、すばやく盗み取ることです。
また、そのような行為をする人のことです。
中国の「掏摸(とうばく)」が由来です。
「掏」は「すくう」ということであり、他人の懐から物をすくい取るという意味があります。
「摸」は「まさぐる」ということであり、手探りを意味します。
「すり」という発音は、体を「擦り(すり)」つけるようにして盗み取るところから来ています。
■擂る
読み方:する
棒などで押しつぶすようにして細かく砕くという意味です。
擂りつぶすときにゴロゴロと「雷」のような音がするようすから、この字が当てられています。
■背鰭
読み方:せびれ
魚、クジラ、イルカなどの水生動物の背に付いているものです。
水中で体が回転してしまうことを防ぎ、進む方向を調整したり姿勢を安定させたりする機能があります。
■卒塔婆
読み方:そとば
故人や先祖を追善供養(ついぜんくよう・法事など生きている人が故人や先祖のために行う供養)する目的でお墓に立てるものです。
サンスクリット語の「Stupa:ストゥーパ」が語源です。
「ストゥーパ」は仏教の祖であるお釈迦様の遺骨を安置するための仏塔(ぶっとう・仏教建築の塔のこと)です。
仏塔は、お釈迦様の遺骨を安置するだけではなく、仏像を祀ったり、供養のために建てられていきました。
故人の追善供養のために立てられる石造りの五輪塔(ごりんとう)も仏塔のひとつで、五輪塔を簡略化したものが「卒塔婆」といわれています。
インドから中国へ仏教が伝来した際、「ストゥーパ」に「卒塔婆」という漢字が当てられたそうです。
■欹てる
読み方:そばだてる
目や耳などを、一つの方向に神経を集中させるという意味です。
「耳を欹てる」のように使います。
■諳んじる
読み方:そらんじる
書いたものを見ないでそのとおりに言うことです。
【た行】
■金剛石
読み方:ダイヤモンド
炭素のみでできた鉱石で、天然に存在する最も硬い物質です。
「金剛」はもともと仏教用語で、「最も硬い物質」という意味のほかに「最も優れている」「極めて強固で壊れない・変化しない」という意味でも使われており、強固で壊れない信心のことを「金剛心(こんごうしん)」といいます。
金剛力士像は「金剛杵(こんごうしょ)」を持つ者という意味があります。
金剛杵とは、仏教で用いられる法具(ほうぐ・仏教の儀式で使用する道具)で、最も硬い金属またはダイヤモンドでできており、雷を操ることができ、仏の教えに敵対するものを粉砕するといわれています。
■山車
読み方:だし
神社のお祭りなどで、引いたり担いだりするものの総称です。
花や人形などで華やかに飾り付けられているものが一般的です。
呼び名は「祭屋台(まつりやたい)」「曳山(ひきやま)」「山笠(やまかさ)」など、地域によってさまざまです。
■嗜む
読み方:たしなむ
複数の意味があります。
●好んで親しむこと、愛好することです。
例:お酒を嗜む
●好んでそのことに励む、芸事などを身に着けることです。
例:日本舞踊を嗜む
●つつしむ、気を付ける、用心する
例:行いを嗜みなさい
■襷
読み方:たすき
もともとは、和服の袖や袂(たもと)が邪魔にならないようにたくしあげるための紐のことをいいました。
現在は、目印や宣伝などの用途で体に斜めにかける紐や布地のことも「襷」といいます。
例えば、選挙の候補者が身に着けている名前を書いた布地や、駅伝で選手が身に着けて走り次の選手へ渡す紐も襷といいます。
複数の紐や線などを斜めに交差させた幾何学的な模様や形のことを「襷紋(たすきもん)」といい、世界各地に古くからある模様です。
■戯言
読み方が2つあり、意味も異なります。
読み方:たわごと
●ばかばかしい話、いい加減な話などの意味があります。
内容によっては相手が怒り出す場合もあり、否定的なニュアンスの会話の時に使います。
読み方:ざれごと
●ふざけた話、どうしようもない話など、冗談のことです。
おどけた様子が意味に含まれるので、肯定的なニュアンスの会話の時に使います。
■撓む
読み方:たわむ
棒や枝などが他から力が加わったり重さがかかったりなどして、曲がった状態になることです。
■地車
読み方:だんじり(だんぢり)
神社のお祭りなどで、引いたり担いだりするものです。
山車(だし)の一種で、主に関西地方で多くみられるものを「地車」といいます。
■卓袱台
読み方:ちゃぶだい
主に和室で用いられる四本脚の食卓のことです。
中国の食卓を意味する「卓袱(ちゃふ)」が由来といわれています。
■鏤める
読み方:ちりばめる
金銀・宝石などを、一面に散らすようにはめこむことです。
また、比喩的に、文章のところどころに美しい言葉などを交えることも「鏤める」といいます。
「散りばめる」は誤用ですが、間違う人が多いので容認されつつあります。
■噤む
読み方:つぐむ
口を閉じてものを言わない、黙る、という意味です。
「鉗む」とも書きます。
■抓る
読み方:つねる
爪や指先で皮膚を強くはさんでねじることです。
■出鱈目
読み方:でたらめ
根拠がないこと、思いつくまま勝手な言動をすること、筋が通らないこと、いい加減であることなどの意味があります。
江戸時代の終わりごろから使われている言葉で、博打(ばくち)の隠語が由来といわれています。
「目」はサイコロの目のことで、博打ではサイコロの出た目に任せることから、行き当たりばったりの言動を「出鱈目」というようになったそうです。
「出たら目」の「たら」に魚の「鱈」という漢字を当てて、「出鱈目」になったようです。
■捏上げ
読み方:でっちあげ
実際にはないことを事実のように仕立て上げること、ないことをあるように作り上げることです。
実際にはないことを事実のように仕立て上げるという意味の「捏造(でつぞう)」の「捏(でつ)」が動詞化されて「捏上げる」になり、名詞の「捏上げ」になったようです。
■泥鰌
読み方:どじょう
日本各地の川や田んぼに生息しており、体長は20cmほどあります。
体は細長い筒状で体はぬるぬるしています。
食用として養殖もされています。
【な行】
■霖
読み方:ながあめ
長く降り続く雨のことです。
■俄雨
読み方:にわかあめ
突然降りだしてまもなくやんでしまう雨のことです。
「俄」という漢字は、「突然」「急に」などの意味があります。
■螺子
読み方:ねじ
物を締め付けて固定したりするために使う機械部品のことです。
「螺子」は螺旋状(らせんじょう)をしていることが由来で、「螺旋」とも書きます。
「ねじ」は「捩じる・捻じる(ねじる)」が名詞化したものなので、「捩子」「捻子」とも書きます。
■惚気る
読み方:のろける
自分の配偶者や恋人などとの仲を人前で得意になって話すことです。
「のろ」は「鈍い(のろい)」と同じで「遅い、にぶい」という意味があります。
恋愛に夢中になって周囲の空気が読めないほど精神的に鈍くなってしまった状態を意味しているそうです。
【は行】
■鳳梨
読み方:パイナップル
熱帯アメリカ原産の果物で、見た目が松ぼっくりによく似ており、黄色い果肉は生でそのまま食べるほか、缶詰やドライフルーツ、ジャムなどの加工品にしたり、煮物や炒め物など料理に使うこともできます。
鳳梨を入れる料理では、酢豚が有名です。
暖かい地域でしか栽培できないので外国からの輸入が多く、国産はほとんどが沖縄県産です。
漢字は中国が由来です。
鳳梨の葉と赤みがある果皮が、鳳は中国の伝説の鳥「鳳凰(ほうおう)」の尾羽に似ていることから来ているそうです。
■謀
読み方:はかりごと
物事がうまくいくように、前もって考えた手段・方法・計画のことです。
■刷毛
読み方:はけ
木やプラスチックなどでできた柄の先端に多数の毛を取り付けた道具のことです。
塗料を塗ったり、ほこりや粉などを払うときに使います。
■跣
読み方:はだし
足に靴や靴下などなにも履かないこと、その状態の足のことです。
「裸足」とも書きます。
■法被
読み方:はっぴ
日本の伝統衣装のひとつで、お祭りの際に着用したり、職人が着用したりします。
平安時代以降の皇族や公家の男性の正装である「束帯(そくたい)」を着る際の、下着「半臂(はんぴ)」が名前の由来といわれています。
漢字の由来は、禅寺の高僧が座る椅子の背もたれに掛ける布「法被(ほうひ)」といわれています。
椅子に掛ける布の「法被」は衣装の法被とは全く関連性がないことから「はっぴ」という音に対しての当て字だといわれています。
■餞
読み方:はなむけ
旅立ちや門出を祝って、別れて行く人に金品・詩歌などを贈ること、また、その贈り物、餞別(せんべつ)のことです。
昔の日本で、旅立つ人の道中の無事を祈って、その人の馬の「鼻」を、これから向かう目的地の方向に向ける「馬の鼻向け」という習慣が由来です。
「贐」とも書きます。
■旱
読み方:ひでり
日が照り付けること、雨が降らずからからに乾くこと、雨が降らないなどの原因で起こる長期間の水不足の状態、などの意味があります。
「日照り」とも書きます。
■脹脛
読み方:ふくらはぎ
足の脛(すね)の後ろの筋肉がふくらんだ部分です。
■巫山戯る
読み方:ふざける
ふざける、おどける、冗談を言う、人を馬鹿にする、男女がじゃれあう、などの意味があります。
「ふざける」は、相手の発言に対して「ほざくな!」と人を罵る時に使う「ほざく」が転じたものといわれています。
「ほざく→ほざける→ふざける」と変化したようです。
巫山戯るという漢字は当て字といわれ中国の故事が由来という説があります。
懐王(かいおう・中国楚の王、在位:紀元前329年 – 紀元前299年)が夢の中で、巫山(ふざん・四川省にある山)で山の神女(じんにょ・女神、女性の神)と契りを交わした(戯れた)という故事です。
■芽花椰菜
読み方:ブロッコリー
アブラナ科の緑黄色野菜です。
地中海原産のケールというキャベツの一種が、イタリアで品種改良されたもので、ブツブツした部分は花のつぼみが集合したものです。
■頁
読み方:ページ
書籍、帳簿などの紙の一面のことです。
■糸瓜
読み方:へちま
ウリ科の一年草です。
果実は、食用にしたり、化粧水や薬として加工したり、タワシにしたりすることができます。
もともとは果実から繊維が得られることから「糸瓜(いとうり)」と呼ばれていましたが、いつしか縮まって「とうり」になりました。
「と」は『いろは歌』で「へ」と「ち」の間にあるので「へち間」(へちま)」となり、「へちま」と読むようになったそうです。
■埴猪口
読み方:へなちょこ
未熟な人や役に立たない人をあざける言葉です。
由来は定かではありませんが、野崎左文(のざきさぶん・1858年~1935年、明治時代の新聞記者)が料亭で酒宴をした際、お猪口(おちょこ)にお酒を入れたのですが、お猪口がお酒を吸ってしまい飲むことができませんでした。
そのお猪口は埴(へな)という粗末な土で作られていたためお酒を吸ってしまったことから「埴猪口」と言って笑ったそうです。
■鬼灯
読み方:ほおずき
ナス科の一年草または多年草で、古くから薬用として使用されており、現在は観賞用としてのイメージが強いです。
鬼が持つ提灯を連想して「鬼灯」という漢字が当てられたそうです。
「酸漿」とも書きます。
■暈す
読み方:ぼかす
輪郭や色の濃淡の境目をきわだたせないでぼんやりさせること、意味や内容をはっきり言わずぼんやりさせること、表現をあいまいにすることなどの意味があります。
■釦
読み方:ぼたん
衣類の合わせ目などに用いるものです。
重なる部分の一方につけ、他方にあけた穴や紐の輪などにかける仕組みになっています。
主に、衣類の前を留める目的で用いられますが、装飾として用いることもあります。
ポルトガル語の「botão(花の蕾という意味)」が語源です。
江戸時代中期ごろに「ぼたん」という言葉が使われるようになりました。
「釦」という漢字は明治時代の初めごろ、服の開口部(首元や袖など)に金属の留め具をつけて紐の代用にして開口部の広さを調整するという意味から「紐釦(ぼたん)」と書いたのが始まりで、いつしか「釦」だけで「ぼたん」と読むようになったそうです。
■殆
読み方:ほとほと
困り果てた、また、うんざりした気持ちを表す言葉です。
【ま行】
■幕間
読み方:まくあい
演劇で、一幕が終わって、次の一幕が始まるまでの間のことです。
もともとは歌舞伎用語で、場面が終わって幕が下りたときから次の幕が開くまでの間を指します。
■饅頭
読み方:まんじゅう
小麦粉、米粉、そば粉などで作った皮に各種の餡(あん)を包み、蒸したり、焼いたりしたお菓子です。
中国の以下のエピソードが由来といわれています。
諸葛孔明(しょかつこうめい・181年~234年、中国後漢時代~三国時代の武将)が訪れたある村では、川の氾濫が鎮めるため、川の神に生け贄(いけにえ)として人の頭を捧げる風習がありました。
この風習を改めるため、孔明は羊や豚の肉を小麦粉で作った皮で包んだものを人の頭に見立て、神に捧げたところ川の氾濫が治まったそうです。
この捧げ物は「蛮頭(ばんとう。蛮族の頭を意味する)」と呼ばれ、最初は川に流していたそうですが、いつしか祭壇に供えたあとに食べるようになりました。
そして、食物を意味する「饅」の字を用いて「饅頭(まんとう)」になりました。
日本では、1349年(室町時代・1336年~1573年)に宋(現在の中国)から渡来した林浄因(りんじょういん・僧侶)が初めて饅頭を作ったそうです。
仏教では肉食が禁止されていたため、肉の代わりに小豆を煮て甘みのある餡を作り、小麦粉で作った皮で包んだ饅頭を考案して広まり、日本で「饅頭」というと餡が包まれたものを指します。
日本に伝わったあと「饅頭(まんとう)→まんず→まんじゅう」に変化したといわれています。
■百足
読み方:むかで
節足動物で、たくさんの脚があります。
毒を持っており、咬まれると毒が体内に入り、激しい痛みが発生し、赤く腫れるなどの症状が出ます。
百足は種類によって足の数が異なり、50本以下しか足がないものや350本以上も足があるものなどがおり、具体的な数字で「足が100本ある=百足」ではなく、「足が多い」ことを意味しているようです。
語源は諸説あります。
●手が向かい合ったように生えていることから「向手(むかいで)」や「対手(むかふて)」が転じたという説。
●「百手(ももがて)」や「百数多手(ももいかて)」などが「百足」に転じたという説。
もともと日本には「むかで」という言葉があり、中国から伝わった「百足」という漢字を当てたという説もあります。
■毟る
読み方:むしる
複数の意味があります。
●つかんだりつまんだりして引き抜くことです。
例:草を毟る
●肉や魚などの身をほぐすことです。
例:焼き魚を箸で毟って食べる
●財産などを奪い取ることです。
例:金を毟られる
毛を毟ると少なくなることから、毛と少ないという字を合わせて「毟る」という漢字ができたそうです。
■浮腫
読み方:むくみ
皮膚の下にある皮下組織の部分に余分な水分がたまっている状態のことをいいます。
手足の先が腫れぼったくなったり、夕方になると足がパンパンになったり、お酒を飲んだ翌朝は顔が膨れたりなど、人によって症状は様々です。
■目眩く
読み方:めくるめく
あるものに心を奪われて理性を失うこと、眩しさに目がくらくらとすることです。
■眩暈
読み方:めまい
グルグル回る回転性の症状、フワフワふらつく浮動性の症状、立ちくらみなどの症状を総称して「眩暈」といいます。
「目が舞う」が語源といわれています。
「目眩」とも書きます。
■海蘊
読み方:もずく
海藻の一種で、古くから日本各地で食されてきました。
やわらかい糸状で粘り気があり、噛むとワカメのような歯ざわりがあります。
ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。
「水雲」「藻付」とも書きます。
■目論見
読み方:もくろみ
何かを実行するための計画した案、考えのことです。
「目論見」とは囲碁の対戦中に碁盤の目(ごばんのめ)の数を数えることをいいます。
碁盤には、縦横それぞれ19本の線が引かれていますが、線と線が交差するところが361箇所あり、交差したところを碁盤の目といいます。
囲碁は、白と黒の碁石を碁盤の目に置いて陣地を囲いその広さを競いますが、陣地の広さは「一目(いちもく)」「二目(にもく)」という風に碁盤の目を数えて計算します。
対戦中に目を数えることで、お互いの陣地の広さを把握して、勝つための計画を立てることができます。
【や行】
■自棄糞
読み方:やけくそ
物事が自分の思うとおりにいかなくて、どうにでもなれという投げやりな気持ちになることです。
「自棄糞」は「自棄」を強めていう言葉です。
「自棄」には、火事が起これば何も残らず燃え尽きてしまうという意味があり、「焼け」が語源だという説があります。
■吝か
読み方:やぶさか
物惜しみする様子、思い切りが悪い様子、けちなこと、などの意味があります。
「吝か」を否定形にした「吝かではない」「吝かでない」という使い方をすることが多く、この場合は「物惜しみしない・喜んでする・努力を惜しまない」と、逆の意味になります。
平安時代の言葉「やふさし(物惜しみするという意味)」が由来で、鎌倉時代以降に「やふさし→やふさか・やっさか」となり、いつしか「やぶさか」となったと考えられています。
■八岐大蛇
読み方:やまたのおろち
日本神話に登場する伝説上の生物です。
古事記では、頭が八つ、尾が八つあり、谷を八つ渡るほどの大きな体で、その表面にはコケや杉が生えており、腹は血で真っ赤にただれ、目はほおずきのようだと書かれています。
「頭と尾が八つずつあるのなら、『やまた』ではなく『ななまた』ではないのか?『やまた』なら頭は九つないとおかしい」という疑問を抱く人が多いようですが、「八」という漢字は「数が多い」ことを表していて具体的な数字ではありません。
「八俣遠呂智」「八俣遠呂知」とも書きます。
■寄席
読み方:よせ
落語、漫才、講談、浪曲、雑芸などを興行する演芸場のことです。
「寄せ場」や「寄せ席」が語源といわれています。
【ら行】
■洋灯
読み方:らんぷ
西洋風の灯りをともす道具の一種で、石油を燃料にしています。
「ようとう」とも読みます。
■喇叭
読み方:らっぱ
金管楽器のひとつです。
サンスクリット語の「rappa」が語源で,叫び声、号音、動物のほえる声などの意味があります。
■蟠り
読み方:わだかまり
心の中にこだわりとなっている重苦しくいやな気分のことで、特に、不満・不信・疑惑などの感情をいいます。
「蟠る(わだかまる)」が語源といわれています。
「蟠る」とは、輪のような形状にぐるぐる曲がること、蛇などがとぐろを巻くことという意味があり、これが転じて「心の中がすっきりしない、引っかかる」という意味で使われます。
難読漢字100選、いかがでしたか?全部読めましたか?
パイナップルやアボカドなど、普段はカタカナで使っている言葉は特に、漢字で書くとまったく読めなくなってしまいます。
難しい漢字はまだまだたくさんあるのかもしれませんね。
パート1、パート2も是非ご覧くださいね!
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