「日本」と書いて「ニホン」と「ニッポン」の二通りの読み方がありますね。
どちらかが正しくて、どちらかが間違っているのでしょうか?
読み方によって何か違いがあるのでしょうか?
今回は「ニホン」と「ニッポン」の由来と違い、使い分けについてわかりやすく解説します。
ニホンとニッポンの由来
「日本」という国名が、いつから使われているのか、正式な由来などは不明です。
江戸時代の国学者である本居宣長(もとおりのりなが・1730年~1801年)が、「大化の改新(646年)の頃には、『日本』と書いて『ヒノモト』と読んでいたのではないか」という推測をしています。
しかし、いつから「ニホン・ニッポン」と読むようになったのか定かではありません。
奈良時代(710年~794年)ごろには「ニッポン」と読むようになったと考えられています。
室町時代(1336年~1573年)になると、場面に応じて「ニッポン」と「ニホン」を使い分けていたのではないかと推測されています。
安土桃山時代(1573年~1603年)にポルトガル人によってまとめられた「日葡辞書(にっぽじしょ)」には「日本」の読み方は、
「ニホン」
「ニッポン」
「ジッポン」
と記されていました。
「ジッポン」は、昔の中国の漢音(かんおん)での読み方です。
マルコ・ポーロ(1254年~1324年)が「東方見聞録」の中で日本のことを「ジパング(Zipangu)」と紹介していますが、漢音の発音である「ジッポン」が由来となっているそうです。
「ジッポン」がいつごろから使われなくなったのかは定かではありません。
しかし、
「祝日(しゅくじつ)」
「元日(がんじつ)」
など「日」を「じつ」と読むのは、漢音の発音の名残だといわれています。
「ニホン」と「ニッポン」の違い
「ニホン」と「ニッポン」の違いですが、現在、「日本」と書いて「ニホン」と読むか「ニッポン」と読むか、法律などで定められているわけではなく、発音以外の明確な違いはありません。
昭和9年(1934年)に、文部省臨時国語調査会が正式な呼称を「ニッポン」に統一し、外国語表記も「Japan」ではなく「Nippon」にする「国号呼称統一案」を発表しましたが採択されず、現在に至っています。
「ニホン」と「ニッポン」の使い分け
日本政府は平成21年(2009年)に「ニホンとニッポン、どちらも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はない」と閣議決定しており、正式な国の呼称は「ニホン」でも「ニッポン」でも正しいとしています。
日本放送協会(NHK)では、正式な国号として使う場合には「ニッポン」、そのほかの場合は「ニホン」と言ってもよいとしています。
このように正式な呼称が決まっていないため、「ニホン」と読む場合と「ニッポン」と読む場合があります。
以下、その例を紹介します。
「ニッポン」と読む例
大阪の「日本橋(にっぽんばし)」
日本維新の会(にっぽんいしんのかい)
日本体育大学(にっぽんたいいくだいがく)
全日本空輸(ぜんにっぽんくうゆ)
日本郵船(にっぽんゆうせん)
日本武道館(にっぽんぶどうかん)
日本銀行(にっぽんぎんこう)
日本ハム(にっぽんはむ)
「ニホン」と読む例
東京の「日本橋(にほんばし)」
日本共産党(にほんきょうさんとう)
日本大学(にほんだいがく)
日本航空(にほんこうくう)
JR西日本(JRにしにほん)
JR東日本(JRひがしにほん)
日本IBM(にほんIBM)
日本サッカー協会(にほんサッカーきょうかい)
「日本」の読み方に決まりがないということがわかりましたね。
「ニホン」と「ニッポン」どちらも正しいので、名称の場合は間違わずに読めるように覚えておきましょう。
民放テレビ局の「日本テレビ(にほんてれび)」の正式名称は「日本テレビ放送網(にっぽんてれびほうそうもう)」で、「ニホン」と「ニッポン」を両方使っているところもあります。
なんだかややこしいですね。
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コメント
コメント一覧 (4件)
ニッポンは華僑語ですから 日本と言う字を見た 華僑がニッポンと発音してからではないかと推測します。
宋の時代に活躍したと思いますが それ以前から取引が多くあったのではないでしょうか?
時期としては ひーふーみーではなく いちにさんを発声したと同時ぐらいではないでしょうか?
コメントありがとうございます!
ニポンは先住民族のアイヌ語由来すると考える
コメントありがとうございます。