「七月六日はサラダ記念日」なのだそうです。
なぜ7月6日なのでしょうか?
今回は、短歌「サラダ記念日」の全文と意味について解説いたします。
「サラダ記念日」とは?
「サラダ記念日」は、サラダに関する記念日ではありません。
日本の歌人・エッセイストである俵万智(たわらまち・1962年~)さんの短歌、または歌集のタイトルです。
「サラダ記念日」は、昭和62年(1987年)に発行されベストセラーになり、30年以上経つ今も書店に並び、重版を続けています。
「重版(じゅうはん)」とは、すでに出版されている書籍が売り切れたので、増刷することです。
この歌集には全部で434首の短歌が収録されており、その中に「サラダ記念日」という短歌が収められています。
学校の教科書にも掲載されているそうですよ。
サラダ記念日はなぜ7月6日?短歌「サラダ記念日」の全文の意味は?
まず、短歌「サラダ記念日」の全文を読んでみましょう。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
意味は、
私が作ったサラダを食べて「この味がいいね」と好きな人が言ってくれたので、今日7月6日を「サラダ記念日」にしよう。
となるそうです。
短歌の中の七月六日から、「サラダ記念日」は7月6日となるのですね。
俵万智さんが好きな人のためにサラダを作り、それを食べて「この味がいいね」と褒めてくれた日の7月6日を「サラダ記念日」にしたということなのですが、実際はどうなのでしょうか?
平成26年(2014年)の7月6日にご本人が、「サラダ記念日・記念連続ツイート」と称し、この短歌を作った経緯について説明していましたのでご紹介します。
愛読している茂木健一郎@kenichiromogiさんの「連続ツイート」を真似して、サラダ記念日記念・連続ツイートをしてみます。
— 俵万智 (@tawara_machi) July 6, 2014
連続ツイートをまとめると以下の通りになります。
鶏のから揚げをちょっと工夫してカレー味にしたら、当時付き合っていたボーイフレンドから「お、これいいな」と褒められて嬉しかったので「サラダ記念日」という短歌を作りました。
鶏のから揚げだと重いので、軽いサイドメニューの「サラダ」にしました。
サラダが美味しいのは野菜に元気が出る初夏なので6月か7月を検討し、「サラダ」という響きを考慮して7月に決めました。
最初は7月7日にしようとしましたがその日は七夕なので、何でもない普通の日こそ記念日と思える歌にしたいと思い、一日前の7月6日にしたのです。
サラダではなく、本当はカレー味の鶏の唐揚げで、7月6日という日付も創作だったのですね。
連続ツイートの全文は以下のリンク先をご覧ください。
外部リンク:俵万智さん 「サラダ記念日」記念連続ツイート- Togetter
「サラダ記念日」は数多くある俵万智さんの名言のひとつであるともいわれています。
よく知られている俵万智さんの名言をほんの少しご紹介します。
- 努力できるということも、実力のうち。
- 「寒いね」と話しかければ、「寒いね」と答える人のいるあたたかさ。
- 泣いている 我に驚く我もいて 恋は静かに移ろうとする。
- 「もし」という言葉のうつろ 人生はあなたに一度 わたしに一度。
- 長電話、すればするほど会いたくて、切れない電話、置けない受話器。
サラダ記念日にイベントはあるの?
「サラダ記念日」に関するイベントは、特に開催されていません。
しかし、7月6日は「サラダ記念日」に関連して、ドレッシングメーカーやスーパーなどがサラダや野菜に関するPRを行っているようです。
また、令和2年(2020年)7月6日には、俵万智さんがサラダ記念日に関して以下のようなツイートをしています。
「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
今は「いいね」の数を競うような風潮があるけれど、これはたった一つの「いいね」で幸せになれるという歌です☺️ #サラダ記念日
— 俵万智 (@tawara_machi) July 6, 2020
7月6日は、俵万智さんご本人が「サラダ記念日」に関するツイートするかもしれませんので要チェックですね!
発表から30年以上経つ現在も、短歌「サラダ記念日」は人々に愛され続けています。
鶏のから揚げをカレー味にしたら褒められたので短歌を作ろうと考え、言葉の響きやほかの記念日との兼ね合いを考慮して「サラダ記念日」が生まれたのですね。
短歌にする過程で、サラダと7月6日という日付が誕生したので、Twitterでご本人が説明をした際は「サラダも日付も関係なかったのか!」と驚いた人も多かったようですよ。
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