赤飯を食べる意味や由来とは?めでたい日やお祝い事に食べるのはなぜ?

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みなさんは「赤飯」をどんなときに食べますか?

おめでたい日やお祝い事の時に食べるという人が多いのではないでしょうか?

それでは、なぜ「赤飯」をおめでたい日やお祝い事の時に食べるのでしょう?

今回はその意味や由来など、赤飯について解説します!

 

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目次

赤飯とは?

赤飯の読み方は「せきはん」です。

ほかに「あかまんま」「あかごわ」「小豆おこわ」などと呼ぶことがあります。

 

赤飯は、一般的に小豆(あずき)を入れてもち米を赤く色づけし、蒸したり炊いたりしたものです。

白米を赤く色づけしたものや、白米ともち米を混ぜて作ったものも「赤飯」と呼ぶようですが、厳密には赤飯はもち米で作ります。

また、「赤飯」のことを「おこわ」と呼ぶこともありますが、「おこわ」は漢字で「御強」と書き、正式には「強飯(こわめし)」といい、もち米を炊いたり蒸したりした飯のことを指します。

「こわめし」の「こわ」は「固い(かたい)」という意味で、「もち米で炊いた固い飯」のことをいいます。

ですので、もち米を小豆で赤く色づけして蒸した赤飯はおこわの一種ということになり「小豆おこわ」ともいいます。

 

「おこわ」はほかに以下のような種類があります。

●栗ともち米を一緒に炊いたり蒸したりする「栗おこわ」

●山菜ともち米を一緒に炊いたり蒸したりする「山菜おこわ」

●きのこともち米を一緒に炊いたり蒸したりする「きのこおこわ」

など

 

赤飯を食べる意味や由来とは?

現在の赤飯はもち米で作りますが、もともとは「赤米」を蒸したものでした。

「赤米」とは、縄文時代(紀元前131世紀~紀元前4世紀ごろ)の末期、中国大陸から日本に初めて伝わってきたお米のことで、炊きあがると赤飯のような色になったそうです。

お米の起源は、インディカ種とジャポニカ種があるとされ、インディカ種は赤っぽく、ジャポニカ種は白く、日本に伝わってきた赤米はこの2種の中間の種類といわれ、赤飯のような色だったようです。

江戸時代(1603年~1868年)の前期頃まで庶民の多くはこの赤米を食べていました。

赤米の稲

赤米の稲

日本では古くから、赤い色は邪気を払う力があると考えられており、赤米を神様に供える風習があったそうです。

 

赤米は江戸時代になる前まで食べられていたそうですが、稲作技術が発達したことにより、味が良く収穫量も多いお米が作られるようになり、作られなくなっていきました。

しかし、赤いご飯を神様にお供えし食べる風習や根強く残っていたため、白いお米に小豆などで赤い色をつけた赤飯が広まったと考えられています。

 

その後、お米ではなくもち米が使われるようになった理由は、もち米は冷めても固くならないことや、もともとの赤飯は蒸して作る物なのでお米よりもち米の方が向いていたなど諸説ありますが定かではありません。

 

南天の葉を飾る意味とは?

赤飯の上に「南天の葉」を飾ることがありますね。

「難(なん)が転(てん)じる」という語呂合わせから、南天は縁起が良い木とされており、さらに葉には防虫防腐効果もあるそうです。

赤飯は、神様にお供えしたあとに人が食べるので、作ってから少し時間が経ってしまいますから、南天の葉を飾ることで赤飯が傷むのを防いでいたのですね。

 

めでたい日やお祝い事に食べるのはなぜ?

先述したように、日本では古くから赤い色には邪気を払う力があると考えてきました。

邪気を払い、魔除けの意味を込めて、めでたい日やお祝い事の席で振舞われるようになりました。

起源や理由は不明ですが、凶事(縁起が悪い出来事、不吉な出来事)でも赤飯を食べる風習もあります。

凶事に赤飯を食べることによって縁起直し(縁起が悪いことを良くなるよう祝い直すこと)をする意味があるといわれています。

また、一部地域ではお葬式や法事などの仏事でも赤飯を振舞うことがあるそうです。

これは、故人が天寿を全うしたことや大往生(だいおうじょう)を祝う意味があるといわれています。

 

各地域によって違う赤飯

地域によっては小豆以外のものを混ぜることもあります。

 

関東地方はささげの赤飯

ささげの赤飯

江戸時代、江戸の庶民たちは小豆の赤飯を食べていましたが、武家では真っ二つに割れたり、皮が破れたりしやすい小豆は切腹を連想するので縁起が悪いとされ、ささげが使われるようになりました。

小豆とささげの見た目は似ていますが、ささげは小豆より黒っぽく、火を通すことで小豆は割れやすくなりますが、ささげは割れにくく食感がしっかりしています。

 

長野県は花豆の赤飯

長野県の東信地方では、特産品の花豆を赤飯に混ぜます。

花豆は、小豆に比べるとはとても大きく、ふっくらとした食感を楽しめます。

 

千葉県は落花生の赤飯

千葉県は落花生の産地として有名です。

生の落花生を甘煮にして、小豆やもち米と一緒に炊いて赤飯を作ります。

 

福井県は里芋の赤飯

福井県大野市は里芋の産地として有名です。

里芋の入った赤飯は、昔から祭りの際、ごちそうとして振舞われてきました。

里芋の子芋や孫芋が連なる様子から子孫繁栄を願う縁起かつぎの意味があり、現在も受け継がれています。

 

北海道は甘納豆の赤飯

昭和30年代ごろ、北海道札幌の光塩学園(私立大学)の創設者であり、料理研究家でもある南部明子さんが「手間をかけずに簡単に作れるから」という理由でラジオや新聞で甘納豆の赤飯を紹介したそうです。

食紅で色をつけて蒸らしたもち米に、甘納豆を混ぜれば完成という手軽さから、忙しい主婦たちの間で広まり、今では北海道の赤飯=甘い赤飯となっているようです。

北海道のほか、青森県や山梨県、長野県の一部地域でも甘納豆の赤飯が食べられています。

また他にも、秋の収穫に感謝して「栗」を入れた赤飯を作る地域が日本各地にあります。

 

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赤飯を食べるのはいつ?

赤飯を食べる日を以下にまとめました。

 

赤飯を食べる節目の日

●元日(1月1日)
●成人の日(1月第二月曜日)
●上巳の節句(じょうしのせっく・3月3日)
●春のお彼岸(3月21日ごろ)
●端午の節句(たんごのせっく・5月5日)
●お盆(8月13日~16日)
●敬老の日(けいろうのひ・9月第三月曜日)
●秋のお彼岸(9月23日ごろ)
●大晦日(12月31日)

 

赤飯を食べる特別な行事

●帯祝い
●出産祝い
●誕生祝
●お食い初め
●七五三
●入学、卒業祝い
●成人祝い
●就職祝い
●上棟式や新築、引っ越し祝いなど
●還暦祝い
●古希祝い
●喜寿祝い
●米寿祝い
●白寿祝い など

「お食い初め」は赤ちゃんが産まれてから100日目に行う儀式です。

これは、その子が一生食べ物に困らないように願い、歯が生えてくる時期でもあることから成長を喜ぶ意味があります。

しかし、生後100日の赤ちゃんが食事をするわけにはいきませんから、お赤飯や鯛など縁起の良い食べ物を口に運んで、食べるマネをさせるだけです。

では、離乳食から普通の食事に移行する一歳ごろなら、赤飯を食べさせても大丈夫なのかな?と思いますが、一歳ごろではまだ歯が生えそろっていません。

赤飯はもち米で作っていますから、奥歯でしっかり噛まないと、喉に詰まって危険です。

歯が生えそろう2歳~3歳ごろになるまで、食べさせないほうが良いようです。

 

赤飯は英語で何て言うの?

英語圏に赤飯はありませんので赤飯を表す英単語はないようですが、英語で表現すると以下のようになります。

●red rice(赤いお米)

●rice boiled with red beans(お米と小豆を蒸したもの)

●red-colored rice(赤く色づけしたお米)

11月23日は「お赤飯の日」という記念日なのをご存知ですか?

この日は勤労感謝の日ですが、その年に収穫したお米を神様にお供えし、収穫を感謝する新嘗祭(にいなめさい)の日でもあることから、赤飯を通じて日本の食文化を守り、伝えていくことを目的として制定されたそうです。

お赤飯はお祝い事の時にしか食べてはいけないものではありません。

コンビニエンスストアやスーパーなどでも売っていますので、手軽に普段の食事に取り入れてもいいですね!

 

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コメント

コメント一覧 (1件)

  • 『嬉遊笑覧』(1830年)という百科事典的随筆には、都で凶事には赤飯を食べる風習があったことが記されています。南天の葉を添えることは、井原西鶴の『好色一代女』巻四に、記されていますが、重箱に南天を敷き、その上に赤飯を山のように詰めると記されています。御参考までに。

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