「千人針」とは?意味・由来・縫い方をわかりやすく解説

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戦地へ向かう息子や夫の無事を願い、見知らぬ人にも声をかけながら一針一針縫い上げた「千人針」。

資料館や博物館で展示していることもあるので、実物を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

無数の赤い玉結びが並ぶ布には、女性たちの祈りが詰まっています。

この記事では「千人針」の意味・由来・縫い方について詳しく解説します。

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目次

「千人針」の意味とは?

Geni / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

読み方は「せんにんばり」です。

  • 「千人結び(せんにんむすび)」
  • 「千人力(せんにんりき)」

などとも呼ばれます。

 

千人針には、戦場での弾除けの祈願や、無事に帰還することを願うお守りとしての意味があります。

白い布に、多くの女性が赤い糸で一人一針ずつ、戦地での安全や無事に戻るよう願いを込めて縫ったものです。

赤い糸なのは、昔から赤い色には魔除けの効果があると信じられていたからです。

また、千人針の「千人」は具体的な数字ではなく、「数多く」「たくさんの」という意味です。

家族や友人、ご近所さんだけでなく、道行く人たちにも声を掛けて縫ったそうです。

たくさんの女性の願いが込められた「千人針」は、戦地へ赴く兵士に持たせました。

兵士たちは千人針をお腹に巻いたり、帽子に縫い付けて戦ったそうです。

しかし、戦地では洗濯が困難で不衛生だったため、千人針にシラミがつくこともあり、直接肌に触れないように持ち歩いたり、仕方なく処分することもあったようです。

 

千人針の由来とは?

 千人針の起源は、明治時代(1868年~1912年)後期、日清・日露戦争のころといわれ、兵士の無事を願う人々の間で民間信仰のように広まったといわれています。

最初のころは、無事に戻ることや弾除けなどを願って布製のお守りが作られていたようですが、それは個人的に作って渡されるものであり、たくさんの女性が一人一針縫うというものではなかったようです。

その後、このお守りに「千人力」という発想が結びつき、千人の人に縫ってもらうようになり、このお守りは「千人力」と呼ばれていました。

この場合の「千人」も、具体的な数字ではなく「数多く」「たくさんの」という意味です。

最初のころは兵士が自ら街ゆく人たちに声を掛けて縫ってもらっていたという例もあり、必ずしも女性が、夫や息子のために作るものというわけではありませんでした。

その後「千人力」は「千人結び」と呼ばれるようになりました。

このころは、布や糸の色は統一されておらず、白や黄色の布、赤や黒の糸、腹巻サイズの布、雑巾程度の大きさの布などいろいろありました。

日露戦争(明治372月~389月)のころに「千人結」は、「千人縫(せんにんぬい)」や「千人針」へ変化し、「千人針」というよび方が主流になりました。

このころは、千人針は迷信だからと縫うことを断ったり、戦地で捨てられたこともあったといわれています。

しかし、男性たちの無事を祈る女性の気持ちが広まり、戦地へ赴く男性へ贈るものとなって、「千人の女性に縫ってもらった布を身につけると弾に当たらない」と信じられるようになりました。

昭和12年(1937年)、盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が始まると、千人針は全国へ急速に広まり、昭和16年(1941年)の太平洋戦争のころには戦地へ赴く際の必需品として定着していました。

戦時中は国のために命をかけること、天皇陛下のために死ぬことが名誉とされていました。

そのため、家族や愛する人が戦地へ赴く際も「無事に戻ってきてほしい」と口にすることができなかったので、千人針に願いを込めたといわれています。

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「千人針」の縫い方とは?

 千人針は、1mほどの白い布(さらし)に千個の印をつけ、一人一針ずつ赤い糸で玉結びが表面になるように縫います。

千人針は、一人一針ずつ縫うことが基本であり、それ以外の細かな決まりはありません。

そのため、一針ごとに糸を切って作られたものが多いですが、赤い糸を一度も切ることなく千人で玉結びを作った千人針もあります。

糸を切る・切らないについて、その意味や優劣については不明です。

五黄の寅また、一人一針が基本ですが、寅年生まれの女性だけは例外でした。

これは「寅」を動物の虎と考え、「虎は千里行って千里帰る(とらはせんりいってせんりかえる)」ということわざにあやかっています。

「虎は一日で千里の道を往復することができる」という意味で、虎の勢いが盛んな様子と、千里を走った後に、さらに千里走り子どもの待つ巣穴へ戻ることを意味することわざです。

このことわざから「どんな時でも無事に戻ってくる」と連想し、寅年生まれの女性が縫うとお守りとしての効果が上がると考え、寅年生まれの女性の年齢の数だけ玉結びを作ることが出来ました。

 また、寅年の中でも「五黄の寅(ごおうのとら)」の年に生まれた女性は年齢の数×2の玉結びを作ることができました。

 五黄の寅については以下のリンク先をご覧ください。

関連:「五黄の寅」の意味や由来とは?生まれた年はいつ?女性の性格は?

©新庄市

また、ことわざにあやかって、千人針のデザインを虎にしているものもありました。

これは、寅年の女性だけに限らず、多くの女性が一針一針縫って虎を描いています。

 千人針のデザインは他に、

  • 玉結びを規則正しく並べたもの 
  • 玉結びで日の丸を描いたもの
  • 玉結びを武運長久(ぶうんちょうきゅう)や必勝(ひっしょう)などの文字になるよう並べたもの

などがあります。

 

赤い糸だけでなく、五銭硬貨や十銭硬貨が縫い付けられることもありました。

これは、

  • 五銭=死線(四銭)を超える
  • 十銭=苦戦(九銭)を超える

という、無事を願う語呂合わせからきています。

以下のリンク先をご覧ください。

外部リンク:えひめの歴史文化モノ語り 


 千人針がどのようなものかわかりましたね。

寅年生まれの女性は年齢の数だけ縫うことができるため、数多くの依頼がきても断ることが出来ず大変だったようです。

資料館や博物館では、千人針以外の資料なども展示されています。

千人針には、戦時中を生きた女性たちの「声に出せなかった祈り」が込められています。資料館で実物を見かけた際は、ぜひそのことを思い出してみてください。

 

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