四天王の意味とは?東西南北を守護しているのは誰?四天王の覚え方

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「四天王」と聞くと、歴史が好きな人は「徳川四天王」を思い浮かべ、ものまね番組が好きな人は「ものまね四天王」を思い浮かべるかもしれません。

他にもいろいろな「〇〇四天王」がありますよね。

しかし、本来の「四天王」とは一体誰のことなのでしょうか?

今回は「四天王」についてわかりやすく解説します。

 

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目次

四天王の意味とは?

四天王の読み方は「してんのう」です。

 

四天王はサンスクリット語で「caturmaharaja(チャタスラ・マハー・ラージカー)」といい、四方を守る王という意味があります。

別名「四大王(しだいおう)」ともいいます。

 

仏教の守護神で、仏教世界の東西南北を守る4人の神様のことをいい、転じてある分野の実力者4人組のことを指すようになりました。

 

ちなみに徳川四天王は、

「井伊直政(いいなおまさ)」
「酒井忠次(さかいただつぐ)」
「榊原康政(さかきばらやすまさ)」
「本多忠勝(ほんだただかつ)」

のことです。

徳川四天王の一人 本多忠勝

 

四天王は、仏教の守護神である「帝釈天(たいしゃくてん)」に仕えています。

帝釈天

帝釈天は「天部(てんぶ)」のひとりで、四天王も天部です。

 

天部とは仏教において天界に住む者の総称であり、仏教の世界に煩悩が入り込むのを防いだり、悟りを開こうと修行する者を守ったりと、敵から仏教を守るガードマンのような役割を担っています。

 

天部には、帝釈天のほかにも

「鬼子母神(きしもじん・安産や子育ての神)」

「梵天(ぼんてん・天部最高位の神)」

「十二神将(じゅうにしんしょう・薬師如来を守る12人の武神)」

など多くの神がいます。

 

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四天王の起源は、仏教が成立する前のインドといわれており、もともとは別の宗教の神だったのですが、仏教に帰依(きえ・尊いものを信じ拠り所にすること)したことで仏教の守護神となりました。

 

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東西南北を守護しているのは誰?

帝釈天の下で四天王は、仏教世界の東西南北4つの方角を守っています。

仏堂などではご本尊(ごほんぞん・そのお寺の信仰の対象となる仏像)を守るようにして四天王が東西南北の四方に配置されています。

 

東方を守る「持国天(じこくてん)」

持国天は東の方角を守護しています。

サンスクリット語で「dhatarattha(ドゥリタラーシュトラ)」といい、「国を支える者」という意味があります。

 

四天王を祀る仏堂では、原則としてご本尊に向かって右手前に配置されています。

 

持国天は、刀を持っている姿で表現されることが多いです。

 

 

南方を守る「増長天(ぞうちょうてん)」

増長天は南の方角を守護しています。

サンスクリット語で「virulhaka(ヴィルーダカ)」といい、「成長あるいは増大した者」という意味があります。

 

四天王を祀る仏堂では、原則としてご本尊に向かって左手前に配置されます。

 

増長天は、両刃の剣に柄を付けた戟(げき・ほこ)と呼ばれる武器を持つ姿で表現されることが多いです。

 

 

西方を守る「広目天(こうもくてん)」

広目天は西の方角を守護しています。

サンスクリット語で「virupakkha(ヴィルーパークシャ)」といい、「種々(しゅじゅ・種類がたくさんあるという意味)の眼をした者」や「不格好な眼をした者」という意味ですが、いつの間にか「尋常でない眼や特殊な力をもつ眼」や「千里眼」と解釈され、中国で「広目」と訳されました。

東大寺広目天

四天王を祀る仏堂では、原則としてご本尊に向かって左後方に配置されます。

 

広目天は、筆を持って巻物に何か書き留めている姿で表現されることが多いです。

 

 

北方を守る「多聞天(たもんてん)」

多聞天は北の方角を守護しています。

サンスクリット語で「vaisravana(ヴァイシュラヴァナ)」といい、「多くのことをすべて聞く」という意味があり、別名「毘沙門天(びしゃもんてん)」とも呼ばれています。

「vaisravana」の発音に中国で「毘舎羅門」という漢字が当てられ、それが変化して「毘沙門」になったといわれており、日本では四天王として安置する場合は「多聞天(たもんてん)」と呼び、独立した像として安置する場合は「毘沙門天」と呼んでいます。

 

四天王を祀る仏堂では、原則としてご本尊に向かって右後方に配置されます。

 

多聞天は、財宝の神ともいわれており、右手に宝塔(ほうとう・宝物で作られた塔)を持ち、左手に宝棒(ほうぼう・宝物で作られた棒)または三叉戟(さんさげき・3つの穂を持つ武器)を持つ姿で表現されることが多いです。

 

四天王の覚え方

東から北に時計回りに

東の持国天(こくてん)

南の増長天(ぞうちょうてん)

西の広目天(こうもくてん)

北の多聞天(もんてん)

 

「地蔵買うた(じぞうこうた)」と覚えましょう!

東大寺の多聞天

四天王がどういうものかわかりましたね。

仏教の世界を守るため、敵を睨んだり怒ったりしているので、四天王はみんな迫力のある表情をしています。

四天王は日本各地の寺院で祀られていますが、中でも有名なのは奈良県東大寺の四天王像で、国宝に指定されています。

東大寺は奈良の大仏だけではなく四天王でも有名なのですね。

 

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