本格的な手打ちそばからスーパーなどで購入できる乾麺や生麺のそば、お湯を注ぐだけで手軽に食べることができるカップ麺のそばなど、日本人はそばが大好きですよね。
最近は家庭で手打ちそばを作る方もいらっしゃるようです。
自分で打つそばが一番おいしいそうですよ。
そんな、日本人にとって身近なそばですが、一言で「そば」といっても、いろいろな種類があります。
今回は、そばの種類や、更科、田舎、藪、砂場、十割、二八の意味についてわかりやすく解説します。
そばの種類とは?
そばの麺をみてみると、白っぽかったり、黒っぽかったり、色の違いがあります。
この色の違いは、使っているそば粉によって変わってきます。
そば粉は4種類あり、以下のようになっています。
●一番粉
そばの実を製粉して最初に出てくる粉です。
そばの実の中心部分の胚乳(はいにゅう)を粉にしたもので、ほとんどがでんぷん質です。
味や香りが少なく、粘りもなくてつながりにくいです。
更科粉(さらしなこ)と呼ぶこともあります。
厳密には製粉方法などが異なりますが、同じものとして扱われています。
●二番粉
中層粉ともいい、一番粉になる胚乳の周りから取れる淡い緑黄色の粉です。
味や香に優れ、栄養価も高く、並み粉(なみこ・そばの標準粉)は二番粉以下を原料としています。
●三番粉
二番粉をさらに製粉し、そばの実の一番外側から取れる黒みがかった粉です。
色や香りが二番粉よりも強く、栄養価が高いです。
そば本来の風味は一番優れています。
●四番粉
製粉の最後に挽きだされる粉で、末粉ともいいます。
香りは強いのですが、繊維質が多くて舌触りはよくなく、乾麺などに使用されます。
更科(さらしな)って何?
江戸そば御三家のひとつで、寛政元年(1789年)に行商人をしていた清右衛門という人が始めた「信州更科蕎麦処 布屋太兵衛」が発祥の店と言われています。
更科そばは真っ白な麺が特徴で、一番粉を使って作られます。
田舎(いなか)って何?
更科そばの対極にあるそばと位置付けられ、太めで黒っぽい麺で、色や香りも濃いのが特徴です。
しかし、田舎そばの定義はあいまいで、江戸のそばを「都会の洗練されたそば」、田舎のそばを「地方の無骨なそば」というふうに、イメージでわけているとも考えられています。
藪(やぶ)って何?
江戸そば御三家のひとつで、発祥や創業時期は不明ですが、有名になったお店が藪の中にあったことから「藪そば」と呼ばれるようになりました。
藪そばの特徴のひとつはソバの実の甘皮による緑がかった麺の色、二つ目は醤油の味が強く、塩からいそばつゆが特徴です。
この塩からいつゆによって江戸っ子の「そばの先にちょっとだけつゆをつける」食べ方が広まりました。
砂場って何?
江戸そば御三家のひとつで、起源は江戸時代よりも前の大阪城築城の頃、大阪市内中にあった資材(砂利)置き場「砂場」にできたそば屋であるといわれています。
大阪城建築の労働者たちが仕事の合間に時間をかけずに食べられるそばは大人気だったそうです。
「ここに砂場ありき」と刻まれた石碑が大阪市西区新町南公園にあります。
その後砂場は、徳川家康が江戸に居城を定めるのに併せて移転しました。
砂場そばの特徴は、甘くて濃いめのそばつゆ。
これは、元々、出前が主だったため、水気の引いたそばをつゆの中に浸して食べても辛くないよう考案されたそうです。
十割(じゅうわり)って何?
十割そばとは、そば粉だけで打つそばのことです。
そばを打つときは、つなぎと呼ばれる小麦粉を使いますが、十割そばにはつなぎが一切使われていません。
二八(にはち)って何?
二八そばとは、つなぎである小麦粉を2割、そば粉を8割で打つそばのことです。
二八そばは、そばの風味やのど越しのバランスがよく、つなぎが2割入ることで打ちやすくなることが特徴です。
日本人にとっては身近なそばですが、こんなにいろいろな種類があったのですね。
機会があったら是非食べ比べしてみたいですね。
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