子どもの頃、「明日天気になーれ♪」と言いながら、履いている靴を飛ばして、その靴の状態で天気を占ったことがあるのではないでしょうか?
年代によっては、靴ではなく下駄で天気を占ったという方もいらっしゃるかもしれません
今回は、この天気占いの正式な名前や、やり方についてご紹介します。
天気占いの正式な名前は?
正式名称かどうかはわかりませんが、
靴でする天気占いのことを 「靴飛ばし(くつとばし)」
下駄でする天気占いを 「下駄占い(げたうらない)」
といいます。
他に、
「明日天気(あしたてんき)」
「天気占い(てんきうらない)」
ともいいます。
天気占いの発祥や由来とは?
「下駄占い」「靴飛ばし」などの天気占いの発祥や由来は諸説あり、定かではありません。
外国にも同じような風習があると思って調べてみましたが見つかりませんでしたので日本独自の風習のようです。
神事が由来という説
いつの時代か定かではありませんが、雨乞い(あまごい)や日乞い(ひごい)など神事で行われていたものが、庶民の間に広まったのではないかといわれています。
雨乞いとは、晴れが続いたときに雨を願う儀式です。
日乞いとは、長雨を終わらせて晴れを願う儀式です。
文献などが残っておらず、実際にどのように行われたのかわかっていませんが、儀式に履物や下駄が使われていたのではないかと考えられているようです。
高下駄が由来という説
平安時代(794年~1185年)のころ、天気が悪い時にぬかるみにはまらないように「高下駄(たかげた・歯の高い下駄)」というものを履いていたそうです。
高下駄は「足駄(あしだ)」と呼ばれていたこともあり、「足駄(あしだ)」を「明日(あした)」にかけて「明日は晴れてほしい」という願いを込めたことが、いつしか天気を占うようになったのではないかという説があります。
どのように願いを込めたのか、今と同じように遠くに飛ばして占っていたのかなど、詳細はわかっていません。
いずれにしても、足駄を使って明日の天気を占っていたようです。
子どもたちの遊びが由来という説
明治時代ごろまでは普段の履物は草履が一般的で、下駄が一般的になったのは大正時代から昭和初期にかけてといわれています。
下駄が履物として一般的になったことで、子どもたちが履いている下駄を蹴り上げて遠くに飛ばす遊びがいつの間にか広まりました。
そして、その遊びが次第に翌日の天気を占う「下駄占い」になったのではないかといわれています。
そして、戦後になると靴を履くことが一般的になり、「下駄占い」から「靴飛ばし」へと変化したようです。
天気占いのやり方
「下駄占い」や「靴飛ばし」のやり方は以下の通りです。
①履物を飛ばす
履いている片方の靴や下駄を「明日天気になあれ」などの言葉を言いながら蹴り上げ、遠くに飛ばします。
この時、靴や下駄をつま先にひっかけるよう軽く履いて飛ばすのが遠くに飛ばすコツです。
飛ばす時の言葉は他に以下のようなものがあり地域や年代によっていろいろ違いがあるようです。
「明日天気にしておくれ」
「雨か天気か雪、霜か」
「明日の天気はどうじゃ、雨か日和か、もう一度」
「雨か日和か提灯か」など
②履物の状態を見て天気を占う
地面に落ちた靴や下駄の状態で明日の天気を占います。以下の3パターンがあります。
パターン | 天気 |
●靴や下駄が上向き (靴ひも下駄の鼻緒がついている方が上) |
晴れ |
●靴や下駄が横向き (横向きで立っている状態) |
曇り |
●靴や下駄が下向き (靴の底や下駄の歯の方が上) |
雨 (地域によっては雪や風) |
また、靴飛ばしというとブランコに乗って靴を飛ばして遊んだことがある人もいらっしゃると思います。
これは「ブランコ靴飛ばし」という遊びで、ブランコに乗って勢いをつけ、片方の靴を飛ばし、靴が飛んだ距離を競う遊びです。
「ブランコ靴飛ばし」は靴が飛んだ距離を競うだけではなく、天気占いの「靴飛ばし」と同じように、明日の天気を占うこともあるようです。
子どもの遊びなので明確なルールはなくいろいろなやり方があります。
●靴が飛んだ距離だけを競う
●靴が飛んだ距離は無関係で天気だけを占う
●一番遠くまで飛んだ人の靴で天気を占う
など
「明日は遠足だから晴れてほしい!」とか
「運動会が晴れますように!」とか
とても大切なイベントの前日には、靴飛ばしで天気を占ったことがある人も少なくないのではないでしょうか?
思うような結果が出なくて、何度も何度も繰り返した人もいるかもしれませんね。
靴飛ばしも下駄占いも科学的根拠はありませんが、子どもたちの遊びとしてこれからも受け継がれていくのでしょうね。
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