「てるてる坊主てる坊主 明日天気にしておくれ♪」という歌、小さい頃に歌ったことがありませんか?
遠足や運動会の前日に「明日晴れてほしいな!」という願いを込めて、てるてる坊主を作って軒先にぶらさげた経験がある方もいらっしゃるのでは?
私たちが小さい頃から知っているてるてる坊主ですが、由来はどんなものなのでしょうか?
てるてる坊主の効果は本当にあるのでしょうか?また、逆さにするとどうなるのでしょう?
今回はてるてる坊主について調べてみました。
てるてる坊主の由来とは?
てるてる坊主は、江戸時代(1603年~1868年)に中国から伝わってきた「掃晴娘(さおちんにゃん)」という風習がもとになっているといわれています。
掃晴娘は箒(ほうき)を持った女の子を模した紙人形で、雨雲を箒で払ってくれると信じらおり、晴娘(ちんにゃん)という名の美しい少女の伝説が由来になっています。
ある年の六月、北京をこれまでに無い大雨が襲います。
雨はいつまでも降り続き、一向に止む気配がありません。
大雨の主「東海龍王(とうかいりゅうおう)」は北京城内に大雨を降らせ、人々を大いに苦しめます。

晴娘は天に向かって「この雨がやみますように」と願いしました。
すると、空から「東海龍王の妃になれ、さもなくば北京を水没させる」とお告げがありました。
晴娘は「天に上って妃になります。どうか雨をやませてください」と返事をしました。
次の瞬間、晴娘の姿は消え、雨は止んだそうです。
それ以来人々は、雨を止ませるために犠牲になった晴娘をしのび、雨が降り続くときには紙で作った人形を門にかけるようになったそうです。
もともとは女の子を模した紙人形だったてるてる坊主ですが、日本に伝わって来て「照る照る法師(僧侶のこと)」や「照る照る坊主」と呼ばれるようになったそうです。
なぜ女の子から僧侶や坊主になったかというと「日本では天気の回復を願うのは僧侶の役目だった」「人形が頭を丸めた僧侶に見えた」「女の子よりも僧侶のほうが効力がある」などの理由から、「坊主」になったと考えられています。
てるてる坊主の効果はあるの?
てるてる坊主の効果が科学的に証明されたことはありません。
てるてる坊主によって天気を自在に操れたら、大変なことになってしまいますよね。
しかし、実際に効果があったと感じる人も少なからずいるようです。
それは「気持ちの問題」だったり「偶然」だと言ってしまえばそれまでですが、てるてる坊主を作ってお願いするほど「晴れてほしい!」と思っている場合、本当に晴れたときは記憶に残りやすいからだともいわれています。
てるてる坊主を逆さにするとどうなる?
てるてる坊主は「晴れを願う」ために作ります。
それを逆さにすると「雨を願う」ものへと変わります。
「明日は雨になってほしい!」と願うときは、てるてる坊主を逆さにするといいそうです。
逆さにしたてるてる坊主は「雨雨坊主」や「降れ降れ坊主」と呼び方が変わります。
もちろん、こちらも科学的に効果が証明されたことはありません。
あくまで気持ちの問題であり、おまじないや願掛けです。
童謡「てるてる坊主」は大正10年(1921年)に発表されました。
「てるてる坊主てる坊主 明日天気にしておくれ」という部分を口ずさむことが多いと思いますが、歌は3番まであります。
「てるてる坊主」(作詞:浅原六郎、作曲:中山晋平)
【1番】
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに 晴れたら金の鈴あげよ【2番】
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
わたしの願いを聞いたなら あまいお酒をたんと飲ましょ【3番】
てるてる坊主 てる坊主 あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら そなたの首をチョンと切るぞ
最後はとても残酷な歌詞だったんですね。
もし晴れの願いが叶わなかったとしても、歌詞のように首をチョンと切ったりしないでくださいね!
関連:てるてる坊主の簡単な作り方と顔の書き方!願いが叶ったらどうする? 処分の仕方