日本の食卓によく登場する「豆腐」と「納豆」。
どちらも大豆が原料で、そのまま食べてもおいしいですよね。
しかし、作られる過程を知ると「漢字が逆じゃない?」という疑問を抱いた方も多いと思います。
納豆のことを「豆が腐った食べ物」と言ってびっくりする外国人もいらっしゃるのに、「豆が腐る」と書いて「とうふ」ですよね。
どうしてこの漢字が使われているのか、名前の意味や由来について調べてみましょう。
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Contents/目次
豆腐の意味と由来とは?

豆腐(とうふ)は、豆乳(とうにゅう・大豆の搾り汁)をにがりなどの凝固剤で固めた加工食品です。
豆腐は中国から日本へ伝わってきたもので、中国でも同じ漢字が使われています。
豆腐がいつごろから作られるようになったのか定かではありませんが、劉安(りゅうあん・紀元前179年~122年、皇族であり学者)が発明したといわれています。
日本にいつごろ伝わってきたのかもよくわかっておらず、奈良時代(710年~794年)に中国から伝わったという説や、空海(くうかい・774年~835年、後の弘法大使)が作ったという説、鎌倉時代に中国から伝わった説などがあります。
室町時代に日本中へ広まり、江戸時代には、庶民が普段から食べられるほどになっていたそうです。
もともと豆腐の「腐」という漢字の冠は「府」ではなく「庫(くら)」という字でした。
「庫」という字を冠にした漢字には、狩りをして捕った獣の肉を庫に入れて保存しておくという意味があり、捕った直後は死後硬直で固い肉が、しばらくすると食べられるくらい柔らかくなってくることから、肉だけではなくブヨブヨと柔らかい物を幅広く指すようになりました。
このことから、豆腐はもともと「豆を加工してブヨブヨ柔らかくなったもの」という意味があるといわれています。
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納豆の意味と由来とは?

納豆(なっとう)は、大豆を納豆菌によって発酵させた日本独特の発酵食品です。
納豆がいつごろから作られるようになったのか定かではありません。
弥生時代(紀元前数世紀~3世紀中頃)に、大豆を煮た「煮豆」と、住居に敷き詰められていた「藁」が偶然作用してできたと考えられていますが、資料として確認できるのは室町時代中期の「精進魚類物語(しょうじんぎょるいものがたり)」という御伽草紙が最古のものだといわれています。
戦国時代(1467年ごろ~1590年)には、武将の蛋白源やスタミナ源として重宝され、江戸時代には「納豆売り」が毎朝納豆を売り歩いていたそうです。
昭和(1926年~1989年)に入り、戦時中は軍用食として、終戦後は栄養食として食べられ、納豆は日本中に普及していきました。
しかし、地域によって偏りがあり、全国的に常食となったのは平成になってからといわれています。
納豆という名前には諸説あります。
■納所の豆
納所とは、納屋や物置のような場所です。
寺院で納所に豆を置いていたら発酵し、食べたらおいしかったので「納所の豆=納豆」といわれるようになったという説が一番有力です。
■神に納めた豆
煮豆を神棚に供えていたら、しめ縄に付着していた納豆菌が働き納豆になったので「神に納めた豆=納豆」といわれるようになったという説。
■献上した豆
幕府に豆を献上品として納めたことから納豆といわれるようになった説。
豆を献上したが長い間置かれたことで発酵した、豆が傷まないように発酵させて献上したなどいろいろ考えられていますが、定かではありません。

豆腐は中国から伝わり、中国でも同じ漢字が使われているということ、納豆は日本独特の発酵食品ということで、漢字が逆になることはないと言われています。
また、それぞれの由来を知ると、なぜこの漢字が使われているのかよくわかりましたね。
豆腐も納豆も健康にとても良い食品です。
そのまま食べてもいいですし、いろいろな料理に使って、普段の食生活に上手に取り入れてみましょう!
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