3月3日はひな祭りですね。
ひな祭りが近づくと雛人形を飾りますが、年に一度のこと・・・これはどこに置くんだったかしら?これは誰に持たせるんだったかしら?と悩むことはありませんか?
ひな祭りの定番曲でもある「うれしいひなまつり」の歌詞に登場する「♪赤いお顔の右大臣」は、どこに飾ればいいのでしょう?
今回は、ひな人形の中の右大臣と左大臣はどちらが偉いのか?左右の位置関係と飾り方について解説します。
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右大臣、左大臣とは?
読み方は「うだいじん」「さだいじん」です。
正式名称は、右大臣、左大臣をあわせて「隋臣(随身・ずいしん、ずいじん)」といいます。
隋臣とは、お内裏様のお供として外出の際には警護をする重要な役目があります。
外出時だけではなく、宮中でも常に近くにいてお内裏様を守っています。
ちなみにお内裏様とは、男雛と女雛のことで男女一組のことを指します。
『うれしいひなまつり』の歌詞の中に「お内裏様とお雛様」と出てきますが、この歌詞は誤りなんですね。
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また、右大臣、左大臣という呼び方は間違いであるといわれています。
左大臣は公卿(くぎょう・公家の中でも最高幹部であり、国政を担う職位。今でいう内閣総理大臣)で、右大臣は左大臣を補佐する立場になります。
そのため、左大臣や右大臣は、隋臣を兼任することはまずないそうです。
また、大臣という立場を考えると、五人囃子(ごにんばやし)の下にいるとは考えられず、弓や太刀を身に着けていることからも、大臣ではなく隋臣と言ったほうが正しいといわれています。
また、右大臣・左大臣と言われている人の役職は、それぞれ「右近衛少将(うこんのしょうしょう)」「左近衛中将(さこんのちゅうじょう)」です。
しかし、すでに右大臣、左大臣という呼び名で広まっていますので、以降も右大臣、左大臣として説明していきます。
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どちらが偉い?位置関係と飾り方は?
右大臣、左大臣は五人囃子の下に飾ります。
上から数えて四段目です。
右大臣と左大臣では、左大臣の方が位が高いです。
位が高いほうが上手(かみて)に座るのですが、上手はひな人形に向かって右側です。
右大臣と左大臣の見分け方は、右大臣が色白の若者、左大臣が白いヒゲをたくわえた年長者です。
つまり、左大臣である白いヒゲをたくわえた年長者のほうが偉いということになりますね。
位を考えると、右大臣は向かって左側、左大臣は向かって右側に置くのが正しいのですが、正しく置いたときにお顔を見てください。
赤いお顔はどちらですか?

「あれ?赤いお顔は左大臣?」と不思議に思った方もいらっしゃるかもしれません。
そうなんです、『うれしいひなまつり』の歌詞の通りだと「♪赤いお顔の右大臣」で向かって左側に置いた右大臣のお顔が赤いはずですが、右大臣のお顔は白いんです。
これは、作詞者であるサトウハチローさんの勘違いといわれています。
ひな人形に向かって右側にいるので右大臣、左側にいるので左大臣として歌詞を発表したようですね。
歌が発表されたあと、間違いを指摘して訂正を求める声もあったそうですが、歌の普及に追い付かず、そのまま広まったといわれています。
とてもややこしいですが、正式に置くときは「ひな人形と同じ方向を向いたときにどちらが右になるか」を考えるといいですね。

右大臣と左大臣の飾り方は毎年悩んでしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。
歌詞の間違いもあり、ますます混乱してしまうかもしれません。
右大臣と左大臣を飾る時は、歌のことは一旦忘れて・・・ひな人形と同じ方向を向いたときに右側に置くのが右大臣(若者!凛々しい表情!)、左側が左大臣(白いおヒゲのおじいちゃん!お顔が赤い!)と覚えておきましょう。
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