和紙の起源と歴史とは?どんな種類があるの?簡単な作り方

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日本で古くから使われてきた「和紙」

普段使いには少し贅沢と感じる方も多いかもしれませんが、そのルーツを知るともっと身近に感じられるはずです。

和紙の起源や歴史についてみていきましょう。

また、和紙にどんな種類があるのか、和紙の簡単な作り方などもご紹介します。

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目次

和紙とは?

 読み方は「わし」です。

 和紙の原料は、主に、

  • 「楮(こうぞ)」
  • 「三椏(みつまた)」
  • 「雁皮(がんぴ)」

という植物が使われます。

楮

それぞれの特徴は以下のとおりです。

原料 特徴
繊維が太く長く、とても丈夫です。もっとも一般的な和紙の原料です。
三椏 繊維が細くて滑らかな仕上がりになります。
雁皮 繊維が細かくて、光沢のある仕上がりになります。
和紙の原料(楮)

和紙の原料(楮)

和紙が丈夫なのは、原料の植物が「長い繊維」を持っているからです。

その繊維が糸のように複雑に絡み合うので、薄くても破れにくくなるのです。

 

和紙の起源と歴史とは?

 日本で和紙が作られるようになった起源は諸説ありますが、主に以下の2つの説が有力とされています。

 

日本で独自に生まれた説

古くから日本にあった水資源と植物を活用して、独自の紙漉き(かみすき)技術が自然発生したという説です。

紙漉きとは、植物から取り出した細い繊維を水の中に泳がせ、それを網ですくい上げて一枚の紙に仕上げる技術のことです。

紙漉き

紙漉き

 

高句麗から伝わった説

紙を作る技術が中国から伝わり、その後、独自に進化したという説です。

 和紙がいつ誕生したのかは、実ははっきりとした記録がありません。

日本で最も古い歴史書「日本書紀(720年)」には、飛鳥時代(610年ごろ)に高句麗(現在の中国・韓国付近)の僧侶が紙の作り方を伝えたと記されています。

しかし、それ以前からすでに日本独自の手法で作られていたという説もあり、そのルーツは謎に包まれています。

 飛鳥時代には仏教も日本に伝わっており、和紙は仏教の経典を写経したり、朝廷の公的な記録を残すための貴重な道具として使われていました。

和紙が本格的に作られるようになったのは、奈良時代(710794年)のことです。

朝廷が中心となって和紙を作るようになり、その技術が日本各地に広がりました。

 この時代の様子を今に伝えているのが、奈良・東大寺の宝物庫にある「正倉院文書(しょうそういんもんじょ)」です。

正倉院文書とは、東大寺で日々の業務の中で作成された帳簿や記録類のことです。

その記録によると、737年には現在の島根県(出雲)、福井県(越前)、兵庫県(播磨)など、多くの地域で紙漉きが行われていたことがわかっています。

また、正倉院文書に収められた文書の中には、日本最古の戸籍の一つ「大宝2年(702年)「半布里戸籍」が書かれた紙が再利用されたものもあり、その紙は美濃和紙です。

その美濃和紙自体も1300年以上の歴史を持つ日本最古級日本最古級の和紙としても知られています。

関連:正集 第24巻 御野国加毛郡半布里戸籍(大宝2)

 

 平安時代(794年~1185年)になると紙漉きの技術がさらに進化し、薄くて丈夫な紙を大量に作れるようになりました。

その結果、神事で供物などを包む目的にも使われるようになったほか、文学や美術の分野でも和紙が使われるようになり、源氏物語や枕草子などの多くの作品が生まれました。

平安時代から鎌倉時代(1185年~1333年)にかけて、和紙は障子や屏風など家具にも用いられるようになり、日本の住まいに欠かせない存在になりました。

室町時代(13361573年)、武士の世の中になると「折方(おりがた)」という礼儀作法が生まれました。

これは、和紙で贈り物や手紙を和紙で美しく包んだり、飾りを折ったりする一連の作法の総称です。

だだし、このころの和紙はまだ高価な貴重品だったため、こうした豊かな和紙文化を楽しめたのは、身分の高い人たちに限られていました。

和紙が日本人の暮らしに一気に身近になったのは、江戸時代(1603年~1868年)になってからです。

和紙の生産が拡大され、書物の出版が盛んになりました。

洒落や風刺を利かせた挿絵入りの物語本(黄表紙)や、色鮮やかな浮世絵や錦絵などがたくさん出版され、庶民の手にも届く身近なものになったのです。

関連:浮世絵とは?簡単に解説!有名な浮世絵と浮世絵師一覧

 

明治時代(1868年~1912年)になると、西洋から洋紙(ようし)が輸入されるようになりました。

実は、江戸時代まで「和紙」という言葉はなく、単に「紙」と呼ばれていたのです。

明治時代になり、海外から安くて大量に作れる洋紙が入ってきたことで、それまでの日本の紙を区別するために「和紙」と呼ぶようになりました。

 洋紙に比べると和紙は生産効率が低く、西洋の印刷技術との相性も悪かったため、和紙の生産量は次第に減っていくことになります。

 その後、日本人のライフスタイルが西洋化するにしたがって、障子や和傘といった和紙を使う道具の需要が減りました。

現在では、後継者不足や原料となる植物を手に入れるのが難しくなっているといった厳しい現実もあり、和紙を作る人は減少を続けています。

そのような状況の中、平成26年(2014年)、日本の伝統技術である「和紙:日本の手漉(てすき)和紙技術」が、ユネスコ無形文化遺産に登録されたのです。

具体的には以下の3つが選ばれました。

和紙 原産地
細川紙
(ほそかわし)
埼玉県小川町・東秩父村
本美濃紙
(ほんみのし)
岐阜県美濃市
石州半紙
(せきしゅうばんし)
島根県浜田市

この世界的な評価をきっかけに、多くの人が日本の和紙を後世に残そうとさまざまな活動を行っています。

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和紙にはどんな種類があるの?

和紙は、産地によって種類をわけることができます。

特に有名なのが「日本三大和紙」と呼ばれる、美濃・越前・土佐の3つです。

 

美濃(みの)和紙

岐阜県で作られています。

美濃は和紙の原料となる楮が採取できることから、奈良時代から和紙が作られています。

職人の紙漉きの技術が高く、非常に薄いのに丈夫であることや、美しさが特徴です。

美濃和紙のなかでも最高峰のものが本美濃紙です。

ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

 

越前(えちぜん)和紙

福井県で作られています。

神社の公用紙として使用される奉書紙(ほうしょがみ)や、書道の用紙や工芸品を作るための和紙などが作られています。

 

土佐(とさ)和紙

高知県で作られています。

他の和紙と比べて薄くて丈夫で、種類が豊富なのが特徴です。

お菓子の包装紙や襖(ふすま)、壁紙、屏風、名刺、うちわ、コースターなど、さまざまなものが作られています。

また、書籍や絵画の補修などにも使われており、海外でも評価が高いです。

 

石州(せきしゅう)和紙

島根県で作られています。

平安時代の書物に「石州」の名前が記されており、長い歴史を持つ伝統工芸品です。

滑らかで丈夫なのが特徴です。

石州和紙の代表的な和紙が石州半紙です。

ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

 

細川紙(ほそかわし)

埼玉県で作られています。

100%で作られた和紙で、毛羽立ちにくく、とても頑丈なので、文化財の修復などに適しています。

ユネスコ無形文化遺産に登録されています。

 

内山紙(うちやまがみ)

長野県で作られています。

豪雪地帯で、雪にさらして繊維を漂白するのが特徴で、日焼けしにくく長持ちする和紙が出来ます。

 

大洲(おおず)和紙

愛媛県で作られています。

書道半紙としての用途が特に有名で、薄くてムラが少ないため書道半紙として使いやすく重宝されています。

 

因州(いんしゅう)和紙

鳥取県で作られています。

酸化しにくい特徴があり、書道や書画、水墨画に適した画仙用紙(がせんようし)が特に有名で、全国トップクラスの生産量です。

 

越中(えっちゅう)和紙

富山県で作られています。

五箇山和紙(ごかやまわし)、八尾和紙(やつおわし)、蛭谷和紙 (びるだんわし)という3つの和紙を総称して「越中和紙」といいます。

五箇山和紙は、障子紙や文化財補修用の紙などが主に作られています。

八尾和紙は、加工することを前提とした和紙が主に作られています。

蛭谷和紙は、書道や書画の和紙が主に作られています。

 

和紙の現代の用途、使い道

現在は、さまざまな使い道があります。

●本や巻物、色紙、書道、書画などの記録用

●障子や襖、屏風、提灯、壁紙、照明カバーなど、家具や日用品

●はがき、封筒、名刺、ご祝儀袋、封筒、折り紙などの文具

●賞状や証書、結婚式の招待状などの特別な時の用紙

●お菓子の包み紙や商品の包装紙など

●古い文書や絵画の補修

 

和紙の簡単な作り方

牛乳パックを使うことで、ハガキサイズの和紙を簡単に作ることができます。

 

必要な道具

●牛乳パック(1000mlの牛乳パック1つでハガキが3枚くらい作れます)

●紙漉き機(ホームセンターやなどで購入できます)

●ミキサー

●たらい(紙漉き機が入るサイズ)

●タオル

●新聞紙

●まな板

●アイロン

 

作り方

①牛乳パックを洗って開き、分厚い部分(底部分、二重になっている部分)は捨てる

②牛乳パックを水に浸し、2日~3日置いておく

③牛乳パックの両面のつるつるした部分(ポリエチレン部分)をはがす

④つるつるしていない部分が残るので、細かくちぎってミキサーに入れる

⑤水を加え、どろどろになるまでミキサーにかける

⑥パルプが出来上がる

⑦たらいに紙漉き機を置いて、紙漉き機が1㎝浸かるまで水を入れる

⑧紙漉き機の中にパルプを入れる

⑨パルプが均等になるように指やスプーンなどで調整する

⑩紙漉き機を水平に持ち上げ、水を切る

⑪紙漉き機の上の枠をはずしてタオルを乗せ、さらに、まな板を乗せる

⑫紙漉き機とまな板を持って上下をひっくり返す

⑬まな板が下になった状態で、紙漉き機の下の枠と金網をはずす

⑭パルプの上にタオル、まな板を乗せ、体重をかけて水分を切る

⑮パルプの上にタオル、新聞紙、まな板を乗せ、体重をかけて水分を切る

⑯タオルの上からアイロンをかける

⑰アイロンである程度乾かしたら、自然乾燥させる

⑱完成

また紙すきセットが市販されていますので、そちらを利用するのもいいですね。

和紙の歴史はとても古いことがわかりましたね。

現在は普段使いするのは洋紙ばかりです。

そのため、和紙は特別な時にしか使わないちょっと贅沢なものだと感じる人が多いと思いますが、日本人にはとても身近なものだったのです。

今回紹介した牛乳パックで作る和紙にぜひ挑戦してみてください!

 

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