「赤の他人」と「真っ赤な嘘」
色は赤以外にもたくさんあるのに、なぜ「赤」なのでしょうか?
黒や白、緑、青など、他の色ではダメなのでしょうか?
今回は「赤の他人」と「真っ赤な嘘」の意味と語源、対義語について解説します。
「赤の他人」の意味とは?
「明らかな他人」
「縁もゆかりもない人」
「無関係な人」
という意味です。
「真っ赤な嘘」の意味とは?
「明らかな嘘」
「全くの嘘」
「完全なる嘘」
という意味です。
「赤の他人」「真っ赤な嘘」はなぜ赤なの?その語源とは?
「赤(あか)」の語源は「明らかな」という形容詞です。
「明らかな他人」⇒「赤の他人」
「明らかな嘘」⇒「真っ赤な嘘」
になったという説が有力です。
「明らかな」以外にも
「間違いなく」
「完全に」
「全くの」
という意味で、「他人」「嘘」を強調するために用いられています。
その他、「赤」を用いる慣用句には「赤っ恥」や「赤裸々」などがありますが、これらの「赤」も同じく強調の意味で用いられています。
また、「赤の他人」の「赤」に関しては、仏教用語が語源という説もあります。
仏教用語で、仏前に供える水のことを「閼伽(あか)」ということから、「赤の他人」は「水のように冷たい・冷めた関係」を表しているといわれています。
「赤の他人」の対義語は何?
「赤の他人」の対義語は、
「身内」
や
「昵懇(じっこん)の仲」
があります。
「身内」は、個人の判断に任される呼び方で、血の繋がりがあってもなくても関係ありません。
親や兄弟姉妹など、血の繋がりのある人だけを「身内」と呼ぶ人もいれば、顔見知り全員を「身内」と呼ぶ人、面識がなくても同じ会社や団体に属する人を「身内」と呼ぶ人もいます。
また、「昵懇」は間柄が親しいことをいい、「昵懇の仲」とは、親しく付き合っている友人など親密な関係をいいます。
「赤の他人」が縁もゆかりもない人を指すのに対して「身内」は血の繋がりだけでなくなんらかの関わりがある人を指し、「昵懇の仲」は親密な関係の人を指します。
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「真っ赤な嘘」の対義語は何?
「真っ赤な嘘」の対義語は特にないようです。
「赤」という色ははっきりと目立ちますので、明らかなことを強調するために用いられたようですね。
「黒の他人」や「真っ黒な嘘」のように「黒」に置き換えると、とても危険な感じがしませんか?
「白」だと純粋さや潔白さをイメージし、「金」だと豪華さをイメージする人が多いと思いますが、色によって私たちはいろいろなイメージを抱いていて、慣用句にも用いられているのですね。
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