災害、それは予期せず発生するものです。
日本は、台風被害や地震などの自然災害が多く、いつどんな災難に見舞われるかわかりません。
そんな災害に対しての備えを心がける「防災の日」という記念日があるのをご存知でしょうか?
この記事では、防災の日の由来や、全国各地のイベントについてご紹介します。
また、東日本大震災や熊本地震など震災を経験した人に聞いたアンケートで「とても便利だった!」「用意しておいて助かった!」という声が多かったものをご紹介します。
「防災」とは?
防災とは「災害を未然に防ぐ目的をもって行われる取り組み」の事を言います。
災害は、自然現象または人為的な原因によって、人々の命や社会生活に被害が生じる事態を指し、以下のとおりです。
●自然現象の災害(自然災害)
台風、暴風、洪水、地震、津波、豪雪、豪雨、土砂崩れ、竜巻、火山の噴火、雪崩(なだれ)、干ばつ、落雷などがあります。
●人為的な災害
火災、原子力発電所の事故、石油の流出、交通事故、海難事故、列車事故、航空事故などがあります。
2025年の「防災の日」はいつ?
防災の日は、1960年に制定された記念日で毎年9月1日です。
2025年は9月1日(月)です。
「防災の日」の由来とは?
「防災の日」が9月1日なのは、大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災に由来しています。
政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ、広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備することを目的に制定されました。
また例年この時期には台風の襲来も多いので「災害への備えを怠らないように」との戒めの意味も込められているそうです。
この防災の日を含む一週間は防災週間として全国各地で様々なイベントが催されています。
東京・大阪ほか全国のイベント情報
※下記は2024年の情報です。2025年は分かり次第更新いたします。
大阪880万人訓練
こちらは毎年開催されているイベントです。
このイベントは大規模な防災訓練のような内容になっており、事前に参加登録が必要です。
開催当日は実際の災害発生時とまったく同じように屋外アナウンスを流したり、訓練用のエリアメールや緊急速報メールが届くというような内容になっています。
実際、災害が発生した時は、どうしいいかわからず慌ててしまいそうですが、このイベントに参加しておけば本当の災害の時に慌てず対応が出来そうですね。
日時:
2024年9月3日(火)
15時00分に地震発生
15時03分に大津波警報発表
という内容で開催されます。
外部リンク:大阪880万人訓練
第8回 防災フェア in お台場
自衛隊や法務省等の防災車両展示、音楽演奏、キッチンカーの出店などがあります。
日時:2024年10月19日(土)・20日(日) 11時~18時
場所:東京都江東区 シンボルプロムナード公園セントラル広場
外部リンク:自衛隊応援クラブ
とっとり防災フェスタ2024
実践的な実動訓練や、災害時における活動や防災の取組み、関連製品等を紹介する展示ブース設置などがあります。
日時:2024年9月15日(日)10時~15時
場所:鳥取県東伯郡 琴浦町東伯総合公園
外部リンク:とっとり防災フェスタ2024
かがわ防災フェスタ2024
家族で楽しみながら消防防災について学べるコーナーが盛りだくさんです。
日時:2024年9月28日(土)10時~15時
場所:香川県高松市 香川県消防学校、香川県防災センター
外部リンク:かがわ防災フェスタ2024
イケ・サンパーク防災フェスタ2024
※非常に強い勢力の台風10号の影響で中止となりました。
能登半島地震に関すること、災害ボランティアの体験談などのパネル展示、合同防災訓練、防災体験ツアーなどがあります。
日時:2024年9月1日(日) 9時~15時
場所:東京都豊島区 豊島区立としまみどりの防災公園・池袋防災館
外部リンク:イケ・サンパーク防災フェスタ2024
あらお防災フェスタ
防災グッズ展示、防災食コーナーのほか、火災煙体験、緊急電話体験などができます。
日時:2024年9月1日(日) 11時~16時30分
場所:熊本県荒尾市 荒尾総合文化センター
外部リンク:令和6年度 あらお防災フェスタを開催します – 荒尾市
総合防災訓練・防災フェア(埼玉県さいたま市)
※非常に強い勢力の台風10号の影響で中止となりました。
さいたま市直下地震(最大震度6強)が発生した想定で訓練が行われます。
日時:2024年9月1日(日)9時~11時まで(防災フェアは9時~12時)
場所:荒川総合運動公園ほか
外部リンク:さいたま市総合防災訓練・防災フェア 2024年
盛岡市総合防災訓練
大雨洪水(土砂災害を含む)が発生したと想定して避難所の開設運営訓練、負傷者救出訓練、災害医療対策訓練など各種訓練を行います。
日時:2024年9月1日(日)10時~11時30分まで
場所:岩手県盛岡市 盛岡市立高等学校
外部リンク:盛岡市総合防災訓練
防災の日に私たち個人がしておきたいこと
防災の日には、日本各地でイベントが開催されますが、私たち個人でできることもあります。
ハザードマップの確認
ハザードマップとは、自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図のことです。
ハザードマップポータルサイトというものがあり、身のまわりの災害リスクを知ることができます。
外部リンク:ハザードマップポータルサイト
避難場所や避難ルートの確認
自分が住んでいる場所、勤務先などの最寄りの避難場所はどこなのか、その避難場所にはどうやって行くのかルートを確認しましょう。
避難場所まで実際に歩いてみるのも良いですね。
家族で話し合う
災害が起こったとき家族が一緒いるとは限りません。
災害が起こった際の家族の集合場所を決めたり、連絡方法を決めたりしておきましょう。
現在は携帯電話・スマートフォンに家族全員の連絡先を登録している人も多いと思いますが、災害時にはスムーズに連絡ができるとは限りませんし、充電が切れて連絡先の確認さえできないかもしれません。
「災害伝言ダイヤル」の使い方を家族で確認したり、充電が切れても慌てないように連絡先をメモしたものを普段から持ち歩くなどしましょう。
「災害伝言ダイヤル」は災害の発生により電話がつながりにくい状況になった場合に提供が開始される声の伝言板で、電話で「171」を押すことで繋がり、伝言を録音したり再生したりできます。
日時が限られますが、毎月1日、15日の0時~24時、防災週間(8月30日9時~9月5日17時)など、体験利用することができます。
外部リンク:災害用伝言ダイヤル(171)NTT東日本
外部リンク:災害用伝言ダイヤル(171)NTT西日本
防災グッズを見直す
非常持ち出し袋の中身、備蓄している非常食や医薬品の使用期限や賞味期限を年に一度は確認しましょう。
家族構成や年齢によって必要な物が変わりますので、それらを見直すことも大事です。
懐中電灯やラジオなどはきちんと動くか、電池が切れていないか、電池の液漏れはないかなどチェックしましょう。
震災・災害に備えておきたいものは?
東日本大震災や熊本地震など、実際に震災を経験した方たちに聞いたアンケートなどで「これがあってとても便利だった」「用意しておいて助かった」という声が多かったものを紹介します。
防災の日に現在用意している防災グッズを見直してみるといいですね。
水
災害時の断水に備えて、ひとり1日3リットルの飲料水を3日分備蓄しておくように国や自治体などが呼び掛けていますので、最低でも飲料水は3日分の備蓄をしておきましょう。
水以外の飲み物
水だけだと飽きたり、野菜不足になってしまいますので、野菜ジュースや果汁ジュースなどを備蓄しておきましょう。
非常食
乾パン、ようかん、チョコレート、アルファ米など、火を使わずに食べられる「非常食」は電気やガスが止まっても食べられます!
非常食以外の食べ物
災害時=非常食と思ってしまいますが、普段から食べているお菓子やレトルト食品、缶詰などは災害によって疲れている心を癒してくれます。
小さなお子さんは特に、普段食べ慣れているものがあると安心するようですよ。
カセットコンロ
カセットコンロがあれば暖かいものを食べることができますし、少しだけ調理をすることも可能です。
替えのカセットボンベも忘れずに!
寒さを防ぐもの
電気が止まると暖房器具が使えませんので、防寒用のアルミシートや電池式の石油ストーブなどがあると安心です。
懐中電灯やランタン、ろうそく
ろうそくは火災の原因になってしまうのであまり使わないほうが良いという意見もありますので、懐中電灯やランタンがあると良いですね。
手回し式ラジオ
手回し式ラジオはラジオを聞くだけでなく、スマホや携帯の充電機能や、ランタンや懐中電灯が付いたもの、ソーラー発電ができるものなどいろいろあります。
充電用予備バッテリー
避難所で充電が満足にできるようになるには時間がかかりますので、充電用予備バッテリーを持っておきましょう。
ヘッドランプ
夜間の震災では懐中電灯を片手に避難をすることになりますが、両手がフリーになるヘッドライトがあると便利です。暗闇でなにか作業をするときにも重宝しますよ。
ラップ
食器にラップを敷くことで水を使わずに済みますし、ラップを包帯代わりに使ったり、ラップを体に巻いて寒さをしのぐことができます。
簡易トイレ
断水している場合はトイレを水で流すことができませんので、簡易トイレがあると安心です。
おむつ
避難所ではトイレが少ないため長蛇の列ができ、間に合わないこともあります。
こども用のおむつ、大人用おむつ、どちらも準備しておくと安心のようです。
紙ショーツ(使い捨て紙パンツ)
入浴ができない、ショーツを洗えない、数日間替えられない場合、不衛生で精神的にも憂鬱になってしまいますが、使い捨ての紙ショーツがあると安心です。
液体ミルク
普段は母乳でも震災のショックで母乳が出なくなることがあります。お湯がなくても、液体ミルクならそのまま赤ちゃんに飲ませてあげることが可能です。
生理用品
生理で必要となる物は女性ひとりひとりで異なりますから、自分が普段使い慣れている生理用品を備蓄しておきましょう。
水を使わなくて良い衛生用品
水を使わなくても良い歯磨きシートや液体歯磨き、水のいらないシャンプー、体を拭くボディシートなどの衛生用品は備蓄しておきましょう。
現金
震災の時は停電のため街中にあるATMや、お店のレジが使えなくなることが多いです。
普段はキャッシュレスで買い物をしている人も、いくらかの現金を持っていると安心です。
「防災の日」は、祝日というわけではないため認知度が低い記念日ですが、防災意識を持つことは大事なことです。
防災グッズについては、年齢や家族構成によって必要なものが異なりますから、今回紹介したものを参考に、各ご家庭でなにが必要なのか話し合ってみてはいかがでしょうか?
みなさんのお住まいの地域の近くでも防災週間には避難訓練をはじめ様々な催しが企画されていると思います。
防災の日のイベントに足を運んでみたり、自宅の防災グッズの見直しをしてみたり、防災意識を高めるきっかけになればいいですね。
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