
かつては生活に欠かせなかった風呂敷ですが、現代では日常的に使う人が少なくなりました。
そもそも風呂敷とはどんなものなのでしょうか?
なぜ「風呂」という名前なのかも気になりますよね。
風呂敷の意味と由来から、種類・包み方までわかりやすく解説します。
風呂敷の意味とは?

読み方は「ふろしき」です。
風呂敷とは、物を包んだり持ち運んだりするために使われる四角い布のことです。
風呂敷の由来と歴史
風呂敷の起源は奈良時代(710年~794年)といわれています。
当時から物を包んだり、運んだりするために布が使われており、東大寺正倉院(奈良県奈良市)には、衣装を包むために用いられた布が今でも残されています。
平安時代(794年~1185年)ごろになると、これらの布は「平包み(ひらづつみ)」や「衣包み(ころもづつみ)」と呼ばれていました。
「風呂敷」という名称の起源として有力なのは室町時代(1336年~1573年)です。
三代将軍足利義満(あしかがよしみつ・1358年~1408年)が大湯殿(おおゆどの:大きな浴室のこと)を建てた時、多くの大名を招いて入浴しました。
その際、他の人の衣類と間違えないように、脱いだ衣類を家紋の付いた布で包み、湯上りにはその布の上で着替えをしました。
そこから「風呂で床に敷く布」という意味で「風呂敷」と呼ばれるようになったといわれています。
風呂で湯に浸かるのが一般的になるのは江戸時代(1603年~1868年)後期以降です。
当時、自宅に風呂を設置できるのは身分の高い人たちで、庶民は銭湯に通っていました。
銭湯へは、着替えや手ぬぐい、糠袋(ぬかぶくろ:木綿・絹の袋に米糠を入れた現在の石鹸)など入浴に必要な道具を風呂敷で包んで持って行っていました。
やがて人々は、入浴に必要なもの以外の日用品や贈答品、貴重品なども包んだり運んだりするようになります。

商人たちも商品を風呂敷に包んで持ち運ぶようになり、形や大きさを問わずに包める風呂敷は重宝されました。
こうして、風呂で使われていた風呂敷は、日常生活でも使われるようになっていったのです。
昭和30年代ごろまでは、子供たちは教科書や筆記用具、お弁当などを風呂敷に包んで学校へ通い、大人たちも本や書類、着物などを包んでいました。
風呂敷は暮らしに欠かせないものとして日常的に広く使われていたのです。
しかし、昭和40年(1965年)ごろに百貨店などで手提げ紙袋が使われるようになり、鞄やバッグなどが定着すると、風呂敷は次第に使われなくなっていきました。
昭和後期から平成にかけては、風呂敷を日常的に使うことはほとんどなくなり、贈答品やご祝儀などを包むといった限定的な使い方が一般的になりました。
一度は日常で見かける機会が減った風呂敷ですが、現在はエコ意識の高まりやレジ袋有料化などをきっかけに、ふたたび注目を集めています。
おしゃれなエコバッグとして使う人が増えたり、結び方に次第でいろいろな形に変化する便利さが見直されたりと、現代のライフスタイルに合わせた使い方が広がっています。
風呂敷の種類

風呂敷は、サイズや素材によっていろいろな種類があります。
サイズ
風呂敷のサイズは、「巾(はば)」という言葉で表します。
巾と㎝を照らし合わせると、以下のようになります。
| サイズ(巾) | 大きさ(㎝) | 主な用途の目安 |
| 中巾 (ちゅうはば) |
約45㎝ | お弁当包み、金封包み(祝儀袋) |
| 尺三巾 (しゃくみはば) |
約50㎝ | お弁当包み、ハンカチ代わり |
| 二巾 (ふたはば) |
約68㎝ | 菓子折りなどの一般的な手土産 |
| 二尺巾 (にしゃくはば) |
約75㎝ | ワインや日本酒などのボトル、少し大きめの贈り物 |
| 二四巾 (にしはば) |
約90㎝ | 一升瓶、エコバッグ(レジ袋代わり) |
| 三巾 (みはば) |
約105㎝ | エコバッグ、旅行の衣類、座布団1枚 |
| 四巾 (よはば) |
約130㎝ | 大きな荷物、座布団2枚 |
| 五巾 (いつはば) |
約175㎝ | 布団、大きめの和家具 |
| 六巾 (むはば) |
約200㎝ | 布団2枚、引越し時の荷物 |
| 七巾 (ななはば) |
約230㎝ | 非常に大きな荷物、ベッドカバー |
素材
天然素材の風呂敷
●木綿
丈夫で滑りにくいため、大きなものや重いものを包む日常使いに適しています。家庭で気軽に洗濯できるのもメリットです。
●絹
独特の光沢と美しい手触りがあり、冠婚葬祭などフォーマルな場での使用に適しています。
化学繊維の風呂敷
●レーヨン
絹に近い上品な風合いがあり、フォーマルな場や贈り物のラッピングに適しています。(水に弱い性質があります)
●ポリエステル
発色が良くシワになりにくいため、贈り物のラッピングや日常のエコバッグに適しています。
●ナイロン
軽くて水に強く安価なため、結婚式の引き出物やおせち料理のお重を包む際によく使われます。
風呂敷を探すときは、「サイズ」と「素材」をセットにして以下のように表記されることがほとんどです。
木綿(約45cm)の場合
- 「中巾の木綿の風呂敷」
- 「中巾(約45㎝)木綿風呂敷」
ナイロン(約50cm)の場合
- 「尺三巾の風呂敷」
- 「尺三巾(約50㎝)ナイロン風呂敷」
店舗やネットショップによって表記はさまざまですが、「サイズ(巾)」と「素材」の意味を知っておくと、自分にぴったりの風呂敷を迷わず選ぶことができますよ。
風呂敷の包み方をわかりやすく解説!
風呂敷の包み方をいくつかご紹介します。
ひとつ結び
風呂敷の包み方の基本です。
結び目の位置を簡単にずらすことができるので、包むものに合わせて風呂敷をフィットさせやすいです。
真結び(まむすび)
風呂敷の包み方の基本です。
真結びは解けにくいのに、解くときは簡単に解くことができます。
いろいろな場面で使うことができますが、特に、包んだものを運ぶときに便利です。
シンプルバッグ
買い物の時のレジ袋や、お出かけの際のサブバッグとして使うことができます。
バスケット包み
持ち手が二つになるので、シンプルバッグよりも安定感があります。
買い物バッグ
スーパーなどのカゴにセットして、そこに品物を入れて包んで持ち帰ることができます。
合わせ包み(瓶二本包み)
ワインや日本酒など、瓶を二本包んで持ち運べます。
瓶一本包み
ワインや日本酒など、瓶を一本包んで持ち運べます。
四つ結び
正方形のものを包むのに適しており、見た目も華やかです。
スイカ包み
スイカやメロン、ボールなど丸いものを包むのに適しています。
花包み
贈り物を華やかにラッピングするときに適しています。
平包み
結び目が無くシンプルな包み方です。
目上の方への贈り物やお届け物に適しています。
風呂敷は非常に長い歴史を持つ道具であることがわかりましたね。
現在は、普段からバッグを持ち歩く人がほとんどですが、そこに風呂敷を1枚入れておくと良いかもしれませんね。
予定外の買い物をしたときや、荷物が増えてしまったときに、風呂敷があれば包んで持って帰ることができます。
ぜひこの記事を参考に、お気に入りの包み方を覚えてみてくださいね。
関連:どろぼうはなぜ唐草模様の風呂敷を使うの?意味や由来とは?
関連:ランドセルの語源や由来、歴史とは?日本のランドセルが海外で人気の理由
関連:銭湯の日の由来とは?昔は混浴だった!?2026年各地のイベント情報

コメント