神道

伏見稲荷大社の狐がくわえているものは何?その意味とは?


 

京都にある伏見稲荷大社の境内では、たくさんの狐を見かけますよね。

この狐は他の神社でいうところの狛犬(こまいぬ・想像上の生き物で獅子や犬に似ている)と同じように鎮座されているものです。

その狐をよく見ていると、くわえているものがいろいろあることに気づきますが、皆さんはそれぞれ意味があるのをご存知でしょうか?

今回は、伏見稲荷大社の狐がくわえているものや意味について調べていきたいと思います。

 

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伏見稲荷大社とは?

伏見稲荷大社は、全国に3万社あるといわれる稲荷神社の総本宮です。

稲荷神社は稲荷神(いなりしん・いなりのかみ)を祀る神社のことをいいます。

稲荷神は、日本における神のひとつで、稲荷大明神(いなりだいみょうじん)、お稲荷様(おいなりさま)、お稲荷さん(おいなりさん)とも呼ばれます。

古来より日本人は狐を神聖なものとして見ており、稲荷神社では白狐(びゃっこ)が神の使いとして祀られています。

白い毛を持つ白狐は、人々に幸せをもたらすと考えられており、神様と同じように人の目には見えない存在です。

 


 

伏見稲荷大社の御祭神(ごさいじん・祀られている神様)で、五穀をつかさどる農業神の宇迦之御魂(うかのみたま)は、奈良時代(710年~794年)の和銅4年(711年)2月に伊奈利山(いなりやま・京都市東山連峰)へ降臨されたといわれています。

その後、時の流れのなかで多くの人々の篤い信仰心によって「衣食住ノ太祖ニシテ萬民豊楽ノ神霊ナリ」と崇められ、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、交通安全、諸願成就の神様として全国で広く信仰されるようになりました。

 

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伏見稲荷大社の狐がくわえているものは何?その意味とは?

伏見稲荷大社にはたくさんの狐が鎮座されており、稲穂・鍵・玉・巻物をくわえています。

しかし、なにもくわえていない狐も鎮座されていますし、狛犬も鎮座されています。

ここでは、稲穂、鍵、玉、巻物の意味を調べてみましょう。

 

稲穂


 

稲穂をくわえているのは、五穀豊穣の神様に由来すると考えられています。

現在は様々なことでご利益があるとされる稲荷神社ですが、もともとは穀物・農業の神様です。

 

 

 


 

鍵は「玉鍵信仰」に由来するといわれ、玉は稲荷神の霊徳(れいとく)の象徴で、鍵はその御霊(みたま)を身に付けようとする願望とされています。

「玉と鍵」は「天と地」、「陰と陽」を表し、万物の創世の理を表しているともいわれています。

また、鍵は「倉庫の鍵」という説もあります。

 

 

 


 

玉は「玉鍵信仰」に由来するといわれています。

また、玉は「穀物の倉庫」という説もあります。

 

 

 

巻物


 

巻物は「知恵の象徴」といわれています。

 

 


 

 

伏見稲荷大社の狐がくわえているものの意味がわかりましたね。

境内に鎮座されている狐は、くわえているものだけではなく表情や格好も様々です。

中には今にも動き出しそうな躍動感のある格好をしている狐や、木製の狐、長い年月で苔が生えた狐などがあり、ひとつひとつを見て回るだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいます。

拝殿の装飾には白狐が彫られていますので、ぜひみつけてくださいね!

 

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