「コンピューター」と「コンピュータ」どちらが正しい?違いと使い分け

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カタカナで書く言葉の中には「コンピューター」と「コンピュータ」という表記があり、どちらが正しいのか悩んだことがありませんか?

語尾を伸ばすのか、伸ばさないのか、どちらが正しいのでしょうか?

また、違いや、使い分けはどうなっているのでしょうか?

今回は「コンピューター」と「コンピュータ」という語尾の表記の違いについてわかりやすく解説します。

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目次

「コンピューター」と「コンピュータ」どちらが正しい?

結論から申し上げると、どちらも正しいです。

これらは「computer」という英語の外来語ですが、日本語として定着する過程で、語尾を伸ばす「コンピューター」と、伸ばさない「コンピュータ」という2通りの表記が定着しました。

関連:【日本語じゃなかった!?】実は外来語だった意外な言葉一覧

 

「コンピューター」と「コンピュータ」の違い

どちらの表記も正しいのですが、現在では主に以下のような使い分けがなされています。

●一般的な使い方、メディアなど:「コンピューター」と表記

●電子機器業界、IT専門分野など:「コンピュータ」と表記

日本にコンピューターが登場し始めた1950年代当時は、漢字で「電子計算機」と呼ぶのが一般的でした。

カタカナ表記は定まっておらず、「コンピュター」「コンピュウタ」「コンピユーター」などいろいろな表記が混在していました。

その後、カタカナ表記のルール化が進みました。

 

一般メディアの「コンピューター」という表記

新聞・放送業界などの一般メディアでは、1954年の国語審議会報告「外来語の表記」に基づき、「原則として長音符号(ー)を用いる」というルールを適用しました。

そのため、NHKなどの一般向けのニュースでは「コンピューター」という表記が主流となりました。

 

JIS規格の「コンピュータ」という表記

「コンピュータ」は、1970年ごろ~2005年までのJIS規格に合わせた表記です。

JIS規格(当時の日本工業規格、現在は日本産業規格)とは、日本の国家的な産業標準を定めたルールのことで、Japanese Industrial Standardsの略です。

当時の通商産業省(現・経済産業省)は、言葉の自然さよりも工業製品としての規格統一を優先するために、以下のルールを定めました。

① 原則

「学術用語、専門用語などで、英語の語尾の -er, -or, -ar などに当たるものは、原則として長音符号(ー)を省く。」

 

② 判定基準(音数による制限)

「長音符号を省く前のカタカナ表記において、その語の音数(長音符号を除いたもの)が3以上の場合は、語尾の長音符号を省く。ただし、2音以下の場合は長音符号を付ける。」

※「ピュ」「キャ」などの拗音(ようおん)がつく語は、1音として数えるとなっています。

 

③ 例外の規定

「ただし、長音符号を省くことによって、他の用語と混同されるおそれがある場合、または慣用的に長音符号を付けることが定着している場合は、これを用いてもよい。」

以下具体例を紹介します。

●2音以下

  • copy 「コ」「ピ」で2音なので「コピー」
  • power 「パ」「ワ」で2音なので「パワー」
  • key 「キ」で1音なので「キー」

と語尾に長音符号をつけるのがルールでした。

 

●3音以上

  • cleaner 「ク」「リ」「ナ」で3音なので「クリーナ」
  • scanner 「ス」「キャ」「ナ」で3音なので「スキャナ」
  • technology 「テ」「ク」「ノ」「ロ」「ジ」で5音なので「テクノロジ」

と語尾の長音符号を省くのがルールでした。

 

よって

computerは「コ」「ン」「ピュ」「タ」で4音なので、語尾の長音符号を省くかれ、「コンピュータ」にという表記になります。

 

その後、平成3年(1991年)に「外来語の表記」(平成3年内閣告示第2号)という内閣告示により「基本は長音をつける」という指針が出されました。

これを受ける形で平成17年(2005年)にJIS規格が改訂され、それまでのカタカナ表記における「長音を省かなければならない」という厳しいルールが廃止されました。

つまり、「コンピューター」と書いてもいいということになったのです。

さらに平成20年(2008年)には、マイクロソフト社が自社の表記ルールを「長音あり」へ一斉に切り替えたことで、IT業界全体でも「コンピューター」という表記が一般的になっていきました。

そして、令和元年(2019年)にはJIS規格が更に改定され「原則として長音符号をつけるが、慣用に応じて省いてもよい」と明記され、現在に至ります。

つまり、現在は原則「コンピューター」という表記が正しいとなったのです。

「慣用」とは、その分野で広く一般的に使われているという意味で、「コンピュータ」という今までどおりの表記も正しいということになりますね。

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「コンピューター」と「コンピュータ」の使い分け

すでに説明したとおり、現在は、原則として「コンピューター」と長音をつける表記が正しいとされています。

しかし、かつてのような厳しいルールによる縛りはなくなり、現在は「それぞれの分野で定着している書き方を尊重する」という柔軟な形に落ち着き、「コンピューター」と「コンピュータ」はどちらを使用しても間違いではないということになっています。

もし使い分けに迷ったときは、以下の「業界の傾向」を参考にするといいでしょう。

 

●専門分野(IT・製造業など):長音を「省く」傾向が強い

昔のJIS規格のルールの影響が残っているため、現在も語尾を伸ばさない表記がよく使われます。

例:コンピュータ、サーバ、ブラウザ、プリンタ

ただし、現在は長音をつけることが原則であるため、長音表記に改める企業もあり、分野や組織によって扱いはさまざまです。

 

●一般メディア(NHK・新聞など):長音を「つける」

「耳で聞いたときの発音」を重視するため、語尾を伸ばす表記が標準となっています。

例:コンピューター、サーバー、ブラウザー、プリンター

(※NHKでは他にも、エレベーターやカレンダーのように、日常語に近いものは語尾を伸ばして放送します)

 

また、レポートや記事などを作成する際もどちらを使っても問題ありませんが、一つの文章の中に「コンピューター」と「コンピュータ」が混在するのは避け、統一するようにしましょう。

 

迷ったら「コンピューター」がおすすめ!

「どちらでもいいと言われると、かえって迷ってしまう」という方も多いでしょう。

そんな時は、長音ありの「コンピューター」を選ぶのがおすすめです。

最近のスマートフォンの予測変換や、Googleなどの検索エンジンでは、長音ありの「コンピューター」の方が多くヒットする傾向にあります。

ですから、特にこだわりがない一般向けの文章であれば、「長音あり」を選ぶのが無難と言えるでしょう。 

 いかがでしたでしょうか?

「コンピューター」と「コンピュータ」は、現在ではどちらを使っても間違いではないということがわかりましたね。

「長音記号をつけてもつけなくても良い」ということですが、専門分野ではこれまでの書き方が主流になってるため2つの表記があって「どっちが正しいのだろう」と悩むことになるのでしょう。

そういう場合は、長音ありの「コンピューター」を選ぶほうが無難です。

また、どちらの表記を選ぶにせよ、同じ文章の中に「コンピューター」と「コンピュータ」が混在しないように統一することも忘れないでくださいね。

 

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