「初釜(はつかま・はつがま)」という言葉を聞いたことはありますか?
お茶をたしなむ方はご存知かもしれませんが、そうではない方はあまり聞いたことがないのではないでしょうか?
初釜に呼ばれたときには、服装も気を付けなければならないそうです。
ここでは、初釜の意味と時期、どのような着物を着ればいいのか、調べていきましょう。
Contents/目次
初釜の意味と時期とは?
初釜とは、新年に茶道のお稽古を始める日のことをいい、新しい年を祝う茶道の新年会のようなものです。
茶人(さじん・ちゃじん・茶道に明るい人のこと)は元旦に初めて汲む水、若水で釜を開き、新年の挨拶が終わったころに客を招いてその年最初のお茶を振舞います。
初釜では懐石料理をいただき、お点前(お手前)(茶をたてたり、炉やに炭を入れる所作のこと)を拝見してお濃茶(おこいちゃ)やお薄茶(おうすちゃ)をいただきます。
※お茶を点てる時は「お点前」、炭を入れる所作には「お手前」という字を使うそうです。
時期は新年の挨拶が終わった10日ごろに行ったり、三が日が終わったらすぐに行うこともあるようです。
どんな着物を着ればいいの?
初釜の服装は基本的に和装です。
未婚女性は振袖、既婚女性は紋付の色無地や、小紋、付け下げ、または訪問着が無難なようです。
先生よりも格が上の着物になると失礼あたるので気をつましょう。
よくわからない場合は思い切って先生や主催者の方に聞いてみるといいかもしれませんね。
アクセサリーは控えめにし、ヘアスタイルも長い髪はアップにするなど、華美にならないよう、清楚にまとめるのがいいでしょう。
また、お道具に傷をつけないためにも指輪や時計はしないほうがいいとされています。
持ち物はどうすればいいの?
懐紙(かいし)
お菓子を取り分けたり、お茶碗を拭うときに使います。
手拭(てぬぐい)またはハンカチ
お食事のときに膝にかけたり、手を拭くときに使います。
替え足袋(かえたび)または足袋カバー
茶室に入る前に、足袋を取り替えるか、足袋カバーを利用します。
招待された家の畳を汚さないためのものです。
袱紗(ふくさ)
会費を納めるときに使います。
会費制の場合、事前に祝儀袋と新札を準備しましょう。
ほかに、掛け軸やお道具を拝見するときに使う扇子(利休百首など)を使ったり、お菓子をいただくときに自分用の楊枝を準備したり、袱紗ばさみ(袱紗、懐紙、扇子、楊枝を入れておく道具)などがあると格好がつきますね。
茶道といえば、千利休、千家という言葉を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
茶道は、千利休(せんのりきゅう・1522年~1591年、戦国時代の茶人)の血縁者が継承していますが、千利休のひ孫の代になり、それぞれが茶室を設け、表千家(おもてせんけ)、裏千家(うらせんけ)、武者小路千家(むしゃこうじせんけ)となりました。とはいえ、千家の精神は同じであり、大きな違いはないものとされています。
初釜はお茶をたしなまない人は馴染みのない行事かもしれません。
ですが、もしも初釜にお呼ばれしたときに慌てないためにも、一通りのことを知っておくといいのではないでしょうか?
着物を持っていない場合は、主催者に洋服でいいか尋ねるといいようです。
洋服の場合は、正座をしても見た目が美しく楽なフレアスカートがおすすめです。白い靴下を持っていき、茶室に入る前に靴下を履きましょう。替え足袋の代わりになります。
茶道というと堅苦しく感じるかもしれませんが、大事なのはお茶を楽しむ気持ちです。もしもお呼ばれしたときは思いきって参加してみましょう!